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フジモトHD株式会社

仕事も育児も介護も!働きやすい制度を日々考えるフジモトHDの「当たり前」

日本の企業では、育休制度や子育て支援、介護制度に対しての体制が確立されていません。制度があっても十分に活用している企業は、ごくわずかではないでしょうか。

そのような世の中の流れを変えようと奮闘している企業があります。フジモトHD株式会社(ピップグループ)です。

今回は、フジモトHD株式会社(ピップグループ)の人財・採用企画室 人事企画担当小島さんに、子育てや女性活躍支援、男性の育児休暇に対する取り組みや4つの勤務制度などについて伺いました。

フジモトHD株式会社 人財・採用企画室 人事企画担当  小島 初佳さん
1997年入社。広告、開発全商品のPR、マーケティング等を担当後、人財・採用企画室 人事企画担当に所属。育児休業の取得推進のための制度整備や環境整備など、労務関連業務を担当している。

2020年より本格化した、フジモトHDの「子育て・女性活動支援」

———はじめに、小島さんの仕事のご経歴を簡単にお聞かせ願えないでしょうか?

小島:はい。私は、フジモトHDの人財・採用企画室 人事企画担当という部署に所属しています。当部署のおもな業務内容は、制度作成・勤怠管理・安全衛生などです。そのなかで、子育て支援や女性活躍などの活動も行なっているんですが、私は「両立支援」の担当として、育休の部分を担当しています。

———ありがとうございます。子育てや女性活躍支援は、御社の歴史として昔から取り組まれていたことだったんでしょうか?

小島:いえ、7年ほど前の2015年に行動計画を立てて取り組もうとしてきたものの、具体的に動けていないところがありました。しかし、2年前に政府の方針で子育てや女性活躍支援について力を入れはじめたタイミングもあり、弊社でも「本格的に取り組んでいこう」と担当者を決めてスタートしたのが正直なところです。

———子育てや女性活躍支援に関連してのご質問です。フジモトHD様の社員構成の男女比はどれくらいなんでしょうか?

小島:私が所属している人事やマーケティング部門は女性が多いんですが、営業担当となると男性が多いですね。弊社全体としても男性の方が多い割合です。

———小島さんは2年ほど前から担当になられたということですが、そのような環境で女性の活躍の幅を広げる活動は大変ではありませんでしたか?

小島:いえ、その時点から本格的にやっていたかというと、そうではない部分もありますね。昨年くらいから、研修を入れるなど本格的に動き始めたのが正直なところです。

———なるほど。本格的に動き始めたきっかけはあったんでしょうか?

小島:やはり政府の法改正によるところが大きいと思います。

 

育休制度から派生して、「病気や介護の人でも休みやすい環境づくり」を目指す

———御社では男性育休100%宣言に賛同されたということをお聞きしました。そのきっかけと具体的な取り組みを教えていただけないでしょうか?

小島:はい。きっかけは2021年の10月に5日間の育休を取得した従業員に対して、弊社独自の育休中の給与支給制度を導入したことがはじまりです。

昨年の11月から対象者本人とその上長に対して、弊社の人財採用・企画室長から直々に文書を送って、「育児休業に関しての面談をしてください」と呼びかけを行なっています。今年の4月からは、義務化していますね。

———実際に社内の皆さんの反響はいかがですか?「会社がいうからやってみよう」とか、「逆に何をしていいかわからない」などの反応はあったんでしょうか?

小島:そうですね。こちらの方で「会社がこんな取り組みをしています」と情報発信したところ、取得してみようと実際に取得した社員と、仕事が忙しくてなかなか調整できない社員の2つに分かれています。

でも、そんななかで、やっと1ヵ月の育休を取得した従業員が出たんです。いままでは、本格的に取る人でも長くて10日くらいの取得で、「取ってみようかな」という人でも一日か二日が多い傾向にありました。しかし徐々に社内全体で、「育休を取得してもいいかも」という雰囲気になってきているのかなと感じています。

———社内の育休休暇に対しての雰囲気づくりはどの企業様でも大変のようですね。特に大企業だとなかなか勇気のいることかと思います。ちなみに御社で育休を取得された方の年齢はいくつでしょうか?

小島:10日間取得した従業員も1ヵ月取得した従業員も、30代前半です。第2子のため、奥様が上の子と下の子の2人の面倒を見るのは大変になるといった事情があったようです。

———比較的若い方が取得されているのですね。今後の人事戦略として、仕事も家庭も大切にする方を採用したいなど、御社として考えていることはありますか?

小島:そうですね。これからの新入社員は、大学でもそのような勉強をされていると聞きます。そのため、福利厚生などを重視して会社を選ぶところがあるようです。

優秀な方に弊社で長く働いてもらうためには、どうすればいいのかを常に考えながら、現在さまざまな制度をつくっている最中です。

———今の若い方は勉強しているうえに、常識も1世代・2世代上の方々とは異なっているので、その世代に合わせて制度を考えていかなければ……というところもあるんでしょうか。

小島:はい。時代に合わせて変えていく必要があると思っています。

もともと弊社はベビー用品も扱う会社です。そのような商品を扱っている会社が、「仕事と家庭の両立」についてないがしろにするわけにもいきませんしね。。

———なるほど。御社のこのような取り組みは、男性社員だけでなく、女性社員にも良い影響を与えるのではないでしょうか?

小島:そうですね。女性社員の間では、「今後このような制度ができてほしいね」という話にもなります。

しかし、女性だけに役立つ制度ではいけないとも思っています。私の希望としては、育休制度から派生して女性だけでなく、どうしても病気や介護で休まざるを得なくなった人たちも気兼ねなく休めるような体制をつくれたらいいなと思っているんです。

2020年の社内調査では仕事と家庭の両立を皆さん重視されているので、今後も力を入れていくことで、社内の理解は深まっていくと信じています。

 

働く従業員の「育児の悩み」に対応する勤務制度

———御社で現在さまざまな制度づくりをしているとのことですが、具体的に教えていただけますか?

小島:弊社では「子の看護休暇 」「チャイルドプラン休暇」「在宅勤務」「フレックスタイム」等の制度を用意しています。

———「子の看護休暇」とはどのようなものでしょうか?

小島:この制度は、少し前からあったものなんですが、もともとは未就業の幼稚園卒園まで使える休暇制度でした。その期間を思い切って、小学校卒業まで延ばしたんです。

———それは親として安心ですね。「チャイルドプラン休暇」はいかがでしょう。

小島:2021年にはじめて制定した休暇です。不妊治療中・不育症の従業員にこの休暇を取得していただいて、治療に専念できるようにしています。

———お子様が生まれたあとだけではなく、生まれる前のお悩みにも寄り添った休暇ということですね。在宅勤務についてはいかがでしょうか?

小島:在宅勤務を従業員が選択できる制度です。

コロナ前から制度の話はありましたが、コロナで前倒しになりました。この制度は、コロナ禍関係なく在宅を選択できるのがポイントですね。

———なるほど。在宅勤務にもいろいろな形があると思うんですが、週に数日なのか、週5日・一日8時間在宅勤務が可能なのか教えていただけますか?

小島:弊社の場合、在宅勤務は3つのパターンに分かれています。

スポットで取りたいときに申請して取得する在宅、フル在宅、ハーフ在宅です。ハーフで10日〜14日在宅、それが厳しい部署はスポットで3日前までに在宅申請をして取得するなど、いろいろなパターンで取れるようにしています。

———男性従業員の方も利用されているんですか?

小島:利用しています。

———お子さんがいらっしゃるなら、家で仕事ができると子育てに関わりやすくなりますね。

小島:そうですね。在宅勤務やフレックスが子育てに役立っているとの声は実際にあがっています。

———在宅は通勤時間がなくなるのはもちろん、誰かが家にいればお子様の病気など突然の事態にも対応しやすくなりますね。

小島:在宅の場合はそうですね。フレックスの場合は、子供を送ってから出社したり、ちょっとした合間に保育園に迎えに行ったり、ということもできます。

———在宅勤務ではなく、フレックスで柔軟に勤務時間を調整されている方もいらっしゃるんですか。

小島:はい。弊社では両方組み合わせて、在宅でフレックスにして時間もバラバラにすることもできるので、組み合わせて使っている従業員が多いです。

 

育休復帰率100%の秘訣は、現場の受け入れ体制と柔軟な働き方があるから

———御社では女性社員が少ないとのことですが、育休を取られて復帰される方は多いんでしょうか?

小島:弊社の場合の復帰率は100%です。パートタイマーで働く従業員でもそういった方は多いですね。

———100%とは素晴らしいです。どのようなところが魅力でみなさん復帰されるんでしょうか?

小島:そうですね、やはり子育て支援制度を充実させているのが大きいのかもしれません。例えば、短時間勤務に関しては5時間までOKとしています。

———御社の受け入れ体制が整っているということですね。

小島:周りのサポートだけでなく、短時間勤務やフレックス、在宅制度をフル活用して働けることは大きなポイントです。なにより現場が受け入れてくれるのが一番ですね。

私たちの部署でも、復帰した従業員が働きやすいようにとは、常に考えています。

———育休制度を取るのに勇気がいる企業が多いなか、会社全体で受け入れ体制をつくっていらっしゃるのは、素晴らしいことですね!

小島:いえいえ。弊社では、出産した人が育休を取得するのは当たり前だとみんな思っているので。

「産前産後の休業を取る」「育休を取る」「保育園に入れなかったら2歳まではお休みしてその後復帰して仕事をする」との流れは普通になっていますよ。

 

制度を見直すことで、男性の育休取得を「ごく当たり前」に

———こんな風に制度を充実させていきたいとか、企業としてこんな組織を目指していきたいといった今後の展望があれば教えていただけないでしょうか?

小島:はい。制度に関してはいろいろと見直す部分があると思っています。

お話しした以外にも、弊社には「配偶者出産休暇」という制度があるんですけれど、それは配偶者が出産した男性にしか使えないものなので、見直しが必要だと感じています。

また、まだまだ男性が育休を取得するのは当たり前にはなっていないので、そのような風土をどのようにつくっていくか、管理職の理解をもっと深めるよう考えていくことも必要かと思うんです。

———男性の場合、ロールモデルがないので大変です。育休を1ヵ月取得した従業員の方の経験はちょうど良い事例になるのではないでしょうか?

小島:事例は、社内報や社内の掲示板で紹介してはいるものの、まだなかなか少ないので、もっと増やすことで制度を当たり前にしていきたいですね。

———ありがとうございました。

 

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