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JAセレサ川崎

地域の安心安全な生活のために。JAセレサ川崎の地域活動について

農業を通して、川崎市の食を支えているJAセレサ川崎。ただ、地域の農業活動を支援するだけでなく、教育によって地域住民の農業や食事のイメージを変えていくという、新しい挑戦を行っています。どういった想いで取り組みをされているのかを伺いました。

販売対策部 都市農業振興課 瀧澤 泰介さん
2007年4月組合入職後、金融店舗3店舗で融資担当・渉外(営業)担当として2014年度まで従事。2016年4月より本店総務部総務課に異動。2021年4月より本店販売対策部都市農業振興課へ異動、2023年4月よりセレサモス宮前店へ異動。
昨年度まで、市内の小学校や養護学校などへ「食」と「農」の大切さを教えるための食農教育事業を担当しています。また、市内農業を幅広い方にPRするべく「GoGo!!田植えレンジャー」を麻生区黒川の田んぼで実施しています。
販売対策部 都市農業振興課 課長 西野 智洋さん
2004年4月組合入職後、金融店舗2店舗で渉外(営業)担当として2011年まで従事。2012年4月より本店 営農課へ異動。2016年4月より都市農業振興課課長代理として異動。2021年4月より稲田支店副支店長として異動。2021年10月より現販売対策部都市農業振興課課長に着任。都市農業振興課の食農教育事業を含む農業体験事業以外に営農経済部門の総合計画である「地域農業振興計画」の策定、市内産農産物の有効活用を目的とする農商工連携事業や農業者の要望をとりまとめて行政や議員等に要請する農政活動など幅広い業務内容を行なっている。

生産者のこだわりを届けたい。食農教育事業の成り立ち

———JAセレサ川崎がどのような会社か教えてください。

瀧澤 泰介(以下 瀧澤):JAセレサ川崎は平成9年の10月に川崎市内の4つのJAが合併してできました。「JAセレサ川崎」という名称は、CERES(セレス=古代ローマの豊穣の女神)にA(最高、最初を表すアルファとAGRICULTURE=農業の頭文字)を加えた造語として作りました。

営農経済事業、貯金や融資などの信用事業、共済など総合事業として皆様の暮らしをサポートしております。

地域の取り組みとしては、身近なところだと市内小学校へのランドセルカバーの贈呈、通学路に立たれている保護者様が着るベストの配布など、お子様の安全を陰ながら支えています。

また、食農教育事業として、小学校や保育園のさつま芋掘り稲作体験などにも取り組んでおります。

———とても素敵な名前の語源ですね。特に食農教育にも力を入れられていると伺いましたが、その理由を教えていただけますか?

瀧澤:川崎を含め都市に農地が少なくなってきている中で、徐々に離れてしまった「食」と「農」を繋いでいきたいと思っております。安全安心な農産物の提供の促進や健全な食生活と健康づくりを使命としているため、農作物のおいしさ、生産者の想いやこだわりを、もっと消費者に届けるべきという想いで活動しております。

———過去にはどのような食農体験を提供されているのでしょうか?

瀧澤:平成21年から取り組みを開始しており、毎年1万人程度の参加者がおり、合計で令和3年度まで約14万人に体験していただいています。地区ごとに稲作体験やじゃがいも、さつまいも、大根やブロッコリーの収穫体験などを、主にお子様向けの体験として提供しております。

 

次の世代に繋げたい。子供に体験を提供する理由

———体験としては、お子様向けが中心ということでしょうか?

瀧澤:もともと農家の方が小学生向けに行っていたところに農協として協力して行っていたのが始まりでした。子供に農業の大切さを伝えていくために取り組んでいます。

———子供に体験してもらうことで農業の未来が変わっていく ことは期待できることなのでしょうか?

瀧澤:そうですね。私たちは、農業がどういうものかを子供たちに伝えていく使命があると思います。「食」は生きていく上で最も大切な要素と思っており、スーパーに並んでいる野菜を見て買う、というだけでなく、「どういう風に栽培されているのか」「どういう苦労の上で作物がなっているのか」を感じることがまさに教育なのかな、と思っています。子供は大人よりも経験したことが頭に残ると思います。小さい時の経験が大人になった時も、残っていると思うので、次の世代に農業の大事さが繋がっていくために子供に対しての食農体験は重要だと思っています。

———農業を経験することで子供にどういった良い影響があると思いますか?

瀧澤:スーパーで売られているものは、すでに出来上がった物でしかありません。それは「物」だけ知っているという状況で、深く説明できないと思います。農業で作物を栽培する経験は、自分の目や感触など、五感を使って深く理解することができると思います。

また、うまく作物が育たないなど、失敗することも農業はたくさんあると思います。そういう一つ一つの体験が勉強なのかなと思っています。

西野:他にも地域では親子で料理体験をするような料理教室の食農体験も提供しています。ご家族と一緒に料理を作ったり、人と人とが繋がっていくことを重視しています。農作物を育てるというだけでなく、座学だったりキッチンで行うことなど、広く提供をしており、農作物を深く知る、活用するということ一つ一つが食農体験だと思っています。

———確かに学校の勉強でも答えを知っていても、使える知恵になっていないなどの側面はあるかもしれません。農業を深く知ることは、物事や人生を深く知って楽しくする側面があるのかもしれませんね。

 

農業という選択について

———農業をやられている方は、楽しく仕事ができていたり、やりがいや生きがいを感じて取り組まれているのでしょうか?

西野:最近ですと、いちご栽培などに力をいれている方もいて、その方を例にすると、すごく勉強をしていたり、いろいろな取り組みを試したりと楽しそうにやっているような印象です。地域の都市計画上、持っている土地を駐車場など他の用途に転用できないなど、農業を行わざるを得ないような側面もあり、中には苦労している方もいらっしゃいます。

———一般的な会社勤めの立場からすると、農業という職業は自分の知恵や力、裁量などで作物の栽培などを追求する側面もあり、そういったことが好きな人には、とても素敵な職業足り得るとも思いますが、いかがでしょうか?

西野:そうですね。川崎市内では農地面積も限りがあり難しい部分もありますが、農業の魅力を発信するということは「食農教育事業」を通じてできていると感じています。また、農業に従事している方の娘さんで、おっしゃるように作物を育てたりするのが好きな方がいて、愛媛に移住して農業を追求していきたいという人もいました。

———自分にあった職業選択の中に農業があるというのは、一つ世界が広がる側面がある気がします。人によっては、会社勤めが自分に合わない人もいると思いますし、感覚の違いによって農業をとても楽しいと感じる人、感じない人もいるかもしれません。楽しく感じられることが仕事になっているととてもいいですよね。

 

若者から感じる農業への関心

西野:実は今の20代の若者は農学部志望がとても多いです。我々が提供している土に触れる体験が、そういうところで農業への関心に繋がって、若者たちがすこし大きくなった時に、業として深掘りして勉強していきたいと思ってもらえればいいと思っています。

あとは、どのように後継者を受け入れていくのか?をしっかり考えていきたい。

一方で農業という産業でいうと、世代の高齢化とか後継者不足などが言われています。

若者が興味を持っているという側面をうまく結ぶことができれば、農業の課題も解消できるのでは?と考えています。

———若者の方はどういうところに興味をもっているのでしょうか?

西野:生産物を収穫した時の喜びとかがあるのだと思います。シェア畑や貸し農園もとても流行っていて、農業をしてただ生産物を収穫するだけでなく生産過程も含めて「農作物を作る」こと自体に対価を払っているなど、価値観が変わっていると思います。

———農業自体の価値が変わってきている気がしますね。

 

食農体験の現代における価値

———過去の食農体験では、ご利用した方からはどういった声がありましたか?

西野:稲作体験ですと田んぼや泥の中に入ったことがない方ですとか、稲刈りでも鎌でザクザク切ることが楽しくて夢中になったなどの声をいただきました。最後には実際にお米を召し上がっていただいているので、五感をフル活用して稲作を体験いただけたと思っています。

やっていても嬉しかったです。

———私も体験させていただいたのですが、子供たち全員夢中で全身泥だらけ、無心になって心から楽しんでいた印象でした。稲刈りも最初うまくいかないところから、少しづつできるようになっていく時間を過ごさせていただき、子供の成長も実感できました。

お土産に餅米や大根などもいただきました。自分で餅米を炊くという経験は初めてで、自宅でも違う体験ができました。

農業体験自体、非日常的な体験なので、農業だけでなく、いつもの食事も違った感覚になることを理解できました。

 

西野:そういった声をいただけると、自分たちもがんばったと実感できます!本来は小学生向けのイベントではあるのですが、食農体験は年代関係なくやっていきたいなと思います。川崎市だけでも、果樹が盛んであったり、お花が盛んであったり、野菜が盛んであったり、地域ごとに特徴があります。そういった特徴を活かした公募型の体験などはこれからもやっていきたいと思いますし、自分の居住地域への理解や興味に繋がっていくと感じます。

———本当に素晴らしいイベントで、毎年たくさんの食農体験を提供して欲しいと思いました。子供に良質な体験をさせる機会を作るには、親も積極的に自分が経験したことのないことをやってみるのも大事ですね。

瀧澤:知っている知識の量は子供と親とでも違うので、少しでも興味を持っていただいたり、それについて探究心を持って調べてもらうことがとても大事になってくると感じています。今はセレサ川崎を知っている人にしか、情報が届かないという課題があります。

川崎に住んでいる他の方に情報を届けるには、やはりこういった人と人の繋がりや、楽しでいただくイベントで興味を持ってもらうことが大事だなと思っています。

———川崎では何といちご狩りもできますね。以前は伊豆の方まででかけてやっていたりしましたが、東京近郊でいちご狩りができる。農業の体験が身近な地域だと感じます。

私たち家族が経験させていただいたイベントは年に3回、田植え、稲刈り、餅つきという内容でしたが、大人も子供も楽しむだけでなく、土の感触や稲の力強さ、お米の栽培、収穫の大変さや収穫の楽しさなど、ここで語りつくせないほどの感覚を味わうことができました。

毎日、食卓に上がるお米について、家で子供たちと深いイメージを持って話すことができ、まさにこれが食農体験という知育経験を子供に提供できたと思っています。

 

農業が繋ぐ人と人の絆をつくっていきたい

———今後、どういった方に食農体験をしてほしいですか?

瀧澤:JAセレサ川崎に知らなかった人に利用してほしいと思っています。イベントの体験を通じて、セレサモスでのお買い物などをしてほしいと思っています。

———セレサモスでもお買い物も体験されると価値観が変わる感じがしますね。

規格外の野菜など、とても大きいものがあってお買い得だったりするので、みているだけで楽しいですね。

西野:地方にいくと規格以外は弾かれてしまうのですが、直接農家さんが持ってくるので、大きいものや珍しいものも扱っています。

———食農体験でいただいた大根もすごく大きく、水みずしいものでした。

地元の野菜がおいしいと本当に実感しています。地元愛にも繋がっていきますね。

瀧澤:川崎は工業地域というイメージがあるかもしれませんが、川崎大師の方では昔はいちじくを育てていたり、梨の長十郎が発見された地域だったりするんですよね。

農業から離れている人とも、農業で結びつきを強めていきたいと思っています。

西野:農業体験をきっかけに、川崎にも農業があるとまずは農業の楽しみを味わってもらうことをスタートにしていただければと思っています。

———ありがとうございました。

 

JA 共済の地域貢献活動

JAセレサ川崎 ファーマーズマーケット
セレサモスでは、地産のお野菜、果物等をお求めいただけます。ぜひ、お越しください。https://www.jaceresa.or.jp/agri/ceresamos/

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https://www.jaceresa.or.jp

食農教育
https://www.jaceresa.or.jp/agri/shokunou/

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