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子どもの自己肯定感を高めるには?今日からできる声かけと親の関わり方7つ
2026.10.25
「どうせ僕なんて」「やっても無理」――子どもの口からそんな言葉が出て、ドキッとしたことはないでしょうか。子どもの自己肯定感は、勉強や運動のように目に見える形では伸びが分かりにくいものです。それでも、毎日の声かけや関わり方によって少しずつ育てていくことができます。
こども家庭庁が2023年度に行った国際調査では、「自分自身に満足している」と答えた日本の13〜29歳は57.4%でした。前回の調査より上がったとはいえ、欧米の国々の7割台と比べると、まだ低めの水準です。
この記事では、自己肯定感とはどんなものかをデータとあわせて整理し、家庭で今日からできる声かけや関わり方を7つご紹介します。特別な教材や時間がなくても始められることばかりなので、できそうなものから試してみてはいかがでしょうか。
この記事はこんな方にオススメ
- 子どもが「どうせできない」と自信をなくしがちで気になっている方
- ほめ方や声かけが、これでいいのか迷うことがある方
- 忙しい毎日の中でも、子どもの心を育てる関わり方を知りたい方
1. 子どもの自己肯定感とは?「自分は自分でいい」と思える気持ち
自己肯定感とは、長所も短所も含めて「自分には価値がある」「自分は自分でいい」と受け止められる感覚のことです。自信満々であることや、何でも得意であることとは少し違います。うまくいかないことがあっても「それでも自分は大丈夫」と思える、心の土台のようなものだと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
「いるだけでいい」と「やればできる」の2つの面
自己肯定感は、よく2つの面に分けて説明されます。ひとつは「何ができてもできなくても、自分は大切な存在だ」という、存在そのものを肯定する気持ち。もうひとつは「がんばればできる」「人の役に立てる」という、できたことや経験から生まれる自信です。
大切なのは、1つ目の「いるだけでいい」という土台がしっかりあることです。土台がないまま「できた」だけで自信を支えようとすると、失敗したときに一気に崩れやすくなります。親ができるいちばんのサポートは、まずこの土台を育てることだといえるでしょう。
自己肯定感は「幸せを感じる力」にもつながる
こども家庭庁の「こども白書」では、日本のこども・若者について、「自分自身に満足している」ことや「親から愛されていると思う」ことが、生活への満足度や幸福感、人生の意義を感じる気持ちと共通して関わっていると分析しています。自己肯定感は、成績や結果のためだけでなく、子どもが自分の人生を前向きに歩んでいくための力でもあるのです。
2. データで見る日本の子どもの自己肯定感
では、日本の子どもたちの自己肯定感は、実際にどのくらいなのでしょうか。公的な調査の数字を見てみましょう。

少しずつ上向き。でも国際比較ではまだ低め
こども家庭庁の「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査(2023年度)」で、「自分自身に満足している」に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた日本の13〜29歳は57.4%。2018年度の45.1%から12.3ポイント上がりました。ただし、アメリカやドイツ、フランス、スウェーデンはいずれも7割を超えており、差はまだ大きいのが現状です。
| 調査・質問 | 対象 | 肯定的な回答 |
|---|---|---|
| 自分自身に満足している(2023年度) | 日本の13〜29歳 | 57.4% |
| 自分には長所があると感じている(2023年度) | 日本の13〜29歳 | 65.6% |
| 親(保護者)から愛されている(大切にされている)と思う(2023年度) | 日本の13〜29歳 | 80.8% |
| 自分には、よいところがあると思う(2025年度 全国学力・学習状況調査) | 小学6年生/中学3年生 | 87.0%/86.2% |
小・中学生の「よいところがある」は8割台後半
文部科学省の全国学力・学習状況調査(2025年度)では、「自分には、よいところがあると思う」と答えた小学6年生は87.0%、中学3年生は86.2%で、いずれも前の年より上がっています。多くの子どもが自分のよさを感じている一方で、1割強の子どもはそう思えていない、ということでもあります。わが子がどちらの気持ちに近いのか、普段の言葉や表情から気にかけてあげたいですね。
3. 自己肯定感が下がりやすい、ついやりがちな関わり方
親に悪気がなくても、毎日の何気ない関わりが、子どもの「自分はダメなんだ」という気持ちにつながってしまうことがあります。思い当たるものがないか、一度振り返ってみましょう。
- きょうだいや友だちと比べる:「お兄ちゃんはできたのに」は、励ましのつもりでも「自分は劣っている」と受け取られがちです。
- 結果だけを評価する:テストの点や勝ち負けだけをほめたり叱ったりすると、「結果を出せない自分には価値がない」と感じやすくなります。
- 先回りしてやってしまう:失敗させたくない気持ちから手を出しすぎると、「自分でできた」という経験を積む機会が減ってしまいます。
- 気持ちを否定する:「そんなことで泣かないの」「怖くないでしょ」と言われ続けると、自分の感じ方に自信が持てなくなります。
もちろん、どれも一度や二度で子どもの心が傷つくわけではありません。「言ってしまった」と気づいたら、あとで「さっきは言いすぎたね」と伝えれば大丈夫です。親が素直に謝る姿を見せることも、子どもにとって大切な学びになります。
4. 今日からできる!子どもの自己肯定感を育てる関わり方7つ
ここからは、家庭で無理なく続けられる関わり方を7つご紹介します。全部を完璧にこなす必要はありません。「これならできそう」と思うものを1つ選んで、1週間続けてみてはいかがでしょうか。
① 「生まれてきてくれてありがとう」を言葉にする
何かができたときだけでなく、何もしていないときにこそ「大好きだよ」「一緒にいるとうれしいな」と伝えてみましょう。寝る前のひと言や、ぎゅっと抱きしめるだけでも十分です。「いるだけでいい」という土台は、こうした何気ない積み重ねで育っていきます。
② 結果より「過程」と「工夫」を具体的にほめる
「すごいね」「えらいね」だけで終わらせず、「毎日練習していたもんね」「色の組み合わせを工夫したんだね」と、がんばった過程を具体的に言葉にします。親がちゃんと見てくれていると感じることで、結果が出なかったときも「努力した自分」を認められるようになります。
③ 気持ちをそのまま受け止めて言葉にする
泣いたり怒ったりしているときは、まず「悔しかったんだね」「悲しかったね」と気持ちを代弁してあげましょう。行動を正すのは、気持ちが落ち着いてからで遅くありません。自分の気持ちを分かってもらえた経験は、「自分の感じ方は間違っていない」という安心感につながります。
④ 小さなことから「選ばせる」「任せる」
「今日はどっちの服を着る?」「おやつはどれにする?」など、日常の小さな選択を子どもに任せてみましょう。自分で決めて、それがうまくいった経験は「自分で決められる」という自信になります。選んだ結果がいまひとつでも、それも大事な経験です。
⑤ 失敗したら「次はどうする?」と一緒に考える
牛乳をこぼした、忘れ物をした、そんなときは「なんで!」と責める前に「どうしたらいいかな?」「次はどうする?」と声をかけてみましょう。失敗は終わりではなく、やり直せるものだと伝わると、子どもは新しいことにも挑戦しやすくなります。
⑥ 1日5分でも「その子だけ」の時間をつくる
きょうだいがいると、どうしても1人ひとりと向き合う時間が短くなりがちです。お風呂や寝る前の5分だけでも、スマホを置いてその子の話をじっくり聞く時間をつくってみましょう。「自分のために時間を使ってくれた」という実感は、大きな安心感になります。
⑦ 「ありがとう」「助かったよ」を伝える
靴をそろえてくれた、弟におもちゃを貸してあげた――そんな小さな行動にも「ありがとう」「助かったよ」と伝えましょう。「自分は誰かの役に立てる」という感覚は、ほめられることとはまた違った、確かな自信を育てます。

5. 年齢別:自己肯定感を育てるポイント
子どもの成長段階によって、意識したいポイントは少しずつ変わります。目安として参考にしてみてください。

0〜2歳:たっぷりのスキンシップと「応えてもらえる」安心
泣いたら抱っこしてもらえる、笑いかけたら笑い返してもらえる。この時期は、そうした「応えてもらえる」経験の積み重ねが心の土台になります。毎回完璧に応える必要はありません。目を見て話しかけたり、抱きしめたりする時間を楽しみましょう。
3〜5歳:「自分でやりたい」を見守る
何でも自分でやりたがる時期です。時間がかかっても、うまくできなくても、できるだけ見守ってあげましょう。朝の忙しい時間は難しくても、休日だけは時間に余裕を持って「自分でできた」を味わわせてあげるなど、メリハリをつけるのもひとつの方法です。
小学生:努力の過程を認め、家庭での役割を任せる
学校で友だちと自分を比べる機会が増え、自信をなくしやすくなる時期でもあります。点数や順位よりも、取り組んだ姿勢や工夫を認めてあげましょう。また、洗濯物たたみや食卓の準備など家庭での役割を任せ、「あなたがいてくれて助かる」と伝えることも、自己肯定感を支えます。
【POINT】まずは親自身が「完璧じゃなくていい」と思うこと
子どもの自己肯定感を育てるには、親が自分のことも大切にすることが欠かせません。イライラして怒ってしまった日があっても、「今日の私はよくがんばった」と自分を認めてあげてください。親が失敗を受け入れて前を向く姿は、子どもにとって何よりのお手本になります。
6. まとめ:子どもの自己肯定感は、毎日の小さな関わりで育つ
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 自己肯定感は「いるだけでいい」という土台と、「やればできる」という経験からの自信の2つの面がある
- 日本の13〜29歳で「自分自身に満足している」は57.4%。上向きだが、欧米の7割台より低め
- 比べる・結果だけを評価する・先回りする・気持ちを否定する、の4つには気をつけたい
- 存在を認める言葉、過程をほめる、気持ちを受け止める、選ばせる、失敗を一緒に考える、1対1の時間、「ありがとう」の7つを、できるものから
自己肯定感は、特別なことをしなくても、毎日の「大好きだよ」「ありがとう」の中で少しずつ育っていきます。今日の夜、寝る前にひと言だけ、いつもより気持ちを込めて伝えてみませんか。その積み重ねが、子どもが自分を信じて歩いていく力になるはずです。
出典・参考:こども家庭庁「令和6年版こども白書」特集③ 日本のこども・若者の意識の現状/こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査(令和5年度)」/文部科学省「全国学力・学習状況調査の結果について」(令和7年9月)/文部科学省「令和7年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について」












