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家事育児分担で夫婦がもめるのはなぜ?不公平感を減らす話し合いのコツ

2026.10.20

働 く

「どうして私ばかり…」「言ってくれればやるのに」。家事育児分担をめぐって、夫婦でこんなすれ違いを経験したことはないでしょうか。子どもが生まれると家事も育児も一気に増え、どちらか一方に負担が偏りやすくなります。

実は2026年10月20日を基準日に、総務省の「令和8年社会生活基本調査」が全国で行われています。5年に1度、家事や育児にかける時間などを調べる大きな調査で、前回(2021年)の結果を見ると、夫婦の家事・育児時間には今も大きな差があることがわかります。

この記事では、家事育児分担で夫婦がもめやすい理由をデータとともにひもとき、「名もなき家事」の見える化から分担の決め方、こじれない話し合いのコツ、使える制度までをまとめました。わが家に合った分担を考えるヒントにしてみてはいかがでしょうか。

この記事はこんな方にオススメ

  • 家事育児分担のことで、夫婦の言い合いが増えている方
  • 自分ばかり負担している気がして、モヤモヤしている方
  • パートナーと冷静に話し合うための具体的な方法を知りたい方

1. 家事育児分担で夫婦がもめるのはなぜ?よくある3つのすれ違い

家事育児分担のケンカは、どちらかが怠けているから起きるとは限りません。多くの場合、お互いの「見えているもの」が違うことが原因です。よくあるすれ違いを3つ見てみましょう。

「名もなき家事」が相手に見えていない

ゴミ出しの前にゴミを集める、トイレットペーパーを補充する、保育園の持ち物に名前を書く――。こうした細かな作業は「名もなき家事」と呼ばれ、やっている本人にしか見えにくいものです。片方が「ゴミ出しをしている」と思っていても、もう片方は「その前後の作業は全部私がしている」と感じているかもしれません。

「手伝う」という言葉の温度差

「何か手伝おうか?」という言葉は善意から出たものでも、言われた側には「家事育児は自分の担当ではない」というメッセージに聞こえることがあります。家事育児を「手伝うもの」ではなく「一緒に担うもの」と捉え直すだけで、会話の空気が変わるのではないでしょうか。

考える・段取りする負担が一人に集中している

献立を考える、予防接種のスケジュールを管理する、子どもの服のサイズアウトに気づく。手を動かす前の「考える仕事」は時間として表れにくく、一人に集中しがちです。作業を分けても、指示を出すのがいつも同じ人なら、負担感はなかなか減りません。

2. データで見る夫婦の家事・育児時間の差

では、実際にどのくらいの差があるのでしょうか。総務省「令和3年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもがいる夫婦と子どもの世帯で、1日あたりの家事関連時間(家事・介護・育児・買い物の合計、週全体の平均)は、夫が1時間54分、妻が7時間28分でした。妻は夫の約4倍の時間を家事・育児に使っていることになります。

6歳未満の子どもがいる世帯の1日の家事関連時間は夫1時間54分、妻7時間28分。男性の育児休業取得率は令和7年度に50.9%

一方で、変化も起きています。夫の家事関連時間は2016年の1時間23分から31分増え、そのうち育児時間も49分から1時間5分に増えました。また、厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」では、男性の育児休業取得率が50.9%となり、前年度の40.5%から大きく伸びています(女性は88.3%)。

なお、この時間には働き方の違い(共働きか、どちらかが専業かなど)も影響しているため、数字だけで「どちらが悪い」と決めつける必要はありません。大切なのは、わが家の場合はどうなっているのかを知ることです。

3. 家事育児分担は「見える化」から始めよう

話し合いの前にまずおすすめしたいのが、家事と育児を全部書き出してみることです。頭の中にあるタスクを紙やスマホのメモに出すと、お互いの負担が客観的に見えてきます。

家事育児分担の見える化の4ステップ。書き出す、担当に色をつける、ルールを決める、月1回見直す

ステップ1:1日・1週間・ときどきの家事を書き出す

朝起きてから夜寝るまでの流れに沿って書き出すと、漏れが少なくなります。「毎日」「週1回」「月1回・季節ごと」に分けると、園や学校の行事準備、衣替え、予防接種の予約など、ときどき発生する仕事も拾いやすくなります。

ステップ2:いまの担当者に印をつける

それぞれの項目に、いまやっている人の名前や色をつけてみましょう。内閣府では、家事や育児の項目を洗い出して夫婦で分担を確認できるシート「〇〇家作戦会議」を公開しています。ゼロから作るのが大変な場合は、こうした公的なシートを活用してみてはいかがでしょうか。

ステップ3・4:ルールを決めて、定期的に見直す

偏りが見えたら、誰が何を担当するかを決めます。ただし、子どもの成長や仕事の繁忙期で状況は変わるものです。月に1回など見直す日をあらかじめ決めておくと、不満がたまりにくくなります。

4. わが家に合う分担の決め方4パターン

「すべてを半分ずつ」にこだわる必要はありません。家庭の働き方や得意・不得意に合わせて、分け方を選んだり組み合わせたりしてみましょう。

家事育児分担の決め方4パターン。担当制、時間帯制、曜日制、得意・苦手制の特徴
分け方 向いている家庭 気をつけたいこと
担当制(洗濯はパパ、料理はママなど) 役割をはっきりさせたい家庭 担当者が不在の日のフォローを決めておく
時間帯制(朝はパパ、夜はママなど) 出勤・帰宅時間がずれている共働き家庭 時間帯ごとの仕事量の差に注意
曜日制(平日と週末で分けるなど) 勤務日や休日が不規則な家庭 引き継ぎ漏れが起きやすい
得意・苦手制(好きなことを担当) 負担感を減らしたい家庭 苦手な家事が残りがち。交代制も取り入れる

ポイントは、作業だけでなく「その家事の最初から最後まで」を担当することです。たとえば料理なら、献立を考える・買い物をする・片付けるところまでを任せると、考える負担も一緒に分けることができます。

5. 家事育児分担の話し合いがこじれない伝え方のコツ

分担を見直したいと思っても、切り出し方によっては責め合いになってしまうこともあります。気持ちよく話し合うためのコツを紹介します。

話し合いの伝え方。あなたはいつも、ではなく、私は〇〇で困っている、と伝えるなどNG例とOK例の比較

「あなたは」ではなく「私は」で伝える

「あなたはいつも何もしない」と言われると、相手は身構えてしまいます。「私は夕方の時間がいっぱいいっぱいで困っている」のように、自分の気持ちや状況を主語にして伝えると、相手も受け止めやすくなります。

疲れている時間帯を避けて、短く話す

子どもを寝かしつけた直後や、仕事から帰ってすぐは、お互いに余裕がないものです。休日の朝など落ち着いた時間に、「15分だけ作戦会議しよう」と区切って話すと、感情的になりにくくなります。

やり方の違いを責めない

任せた家事のやり方が自分と違っても、子どもの安全に関わること以外は、ある程度目をつぶることも大切です。やり直しや細かいダメ出しが続くと、相手のやる気がしぼんでしまいます。

【POINT】まずは「ありがとう」から始めよう

話し合いの最初に、相手がすでにしてくれていることへの感謝を伝えてみましょう。「いつもお風呂に入れてくれてありがとう。そのうえで相談があって…」と始めるだけで、相手は「責められている」ではなく「一緒に考えよう」と受け取りやすくなります。

6. 家事育児分担を後押しする制度も知っておこう

家事育児分担は、家庭の中だけでなく働き方とも深く関わっています。国の制度も上手に活用してみてはいかがでしょうか。

夫婦で育休を取ると給付が手厚くなる「出生後休業支援給付」

2025年4月から、「出生後休業支援給付」が始まっています。父親は子どもの出生後8週間以内、母親は産後休業後8週間以内に、夫婦それぞれが14日以上の育児休業を取ると、最大28日間、通常の育児休業給付(給付率67%)に13%が上乗せされます。合わせて給付率80%となり、手取りで10割相当になるとされています。

対象は雇用保険に加入している方です。配偶者が専業主婦(夫)の場合やひとり親家庭などは、本人だけの取得でも対象になります。支給の条件や金額は個々の状況によって異なるため、勤務先やハローワークで確認しておくと安心です。

育休は「分担のスタートライン」に

産後すぐの時期に夫婦で一緒に家事と育児を経験しておくと、お互いの大変さがわかり、その後の分担の土台になります。育休が終わったあとも続けられる分担を、この時期に話し合っておけるとよいのではないでしょうか。勤務先独自の両立支援制度があることもあるので、就業規則なども確認してみましょう。

7. まとめ:家事育児分担は夫婦で育てていくもの

最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。

  • 家事育児分担のすれ違いは「名もなき家事」や「考える負担」が見えていないことから起きやすい
  • 6歳未満の子どもがいる世帯では、家事関連時間は夫1時間54分、妻7時間28分と差がある(令和3年)
  • まずは家事と育児を全部書き出して「見える化」し、月1回など定期的に見直す
  • 担当制・時間帯制・曜日制・得意制などを組み合わせ、家事は「最初から最後まで」任せる
  • 話し合いは感謝から始め、「私は」を主語にして短く伝える
  • 夫婦で育休を取ると給付が上乗せされる「出生後休業支援給付」も活用を検討する

家事育児分担に、どの家庭にも当てはまる正解はありません。完璧な分担表を作ることよりも、困ったときに「ちょっと話そうか」と言い合える関係を育てていくことが、いちばんの近道ではないでしょうか。今日の夜や週末に、まずは5分だけ、わが家の家事を一緒に書き出してみてくださいね。

出典・参考:
総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の要約」
滋賀県「令和8年社会生活基本調査」
厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」結果概要
厚生労働省「共働き・共育て応援!育児休業を取得される方へ」
女性応援ポータルサイト(内閣府「〇〇家作戦会議」ほか)

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

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