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子どもの偏食はいつまで続く?好き嫌いに親ができる7つの工夫
2026.10.19
せっかく作ったごはんなのに、野菜だけきれいに残されてしまう。昨日は食べたのに、今日は一口も食べてくれない。子どもの偏食に、毎日のように頭を悩ませているご家庭は多いのではないでしょうか。
「このまま好き嫌いが直らなかったらどうしよう」「栄養は足りているのかな」と心配になる一方で、無理に食べさせると食卓がピリピリしてしまう…というジレンマもありますよね。
この記事では、国の調査データをもとに子どもの偏食の実態や原因、いつごろまで続くのかを整理したうえで、家庭で今日からできる7つの工夫と、ついやってしまいがちなNG対応をご紹介します。「食べさせなきゃ」を少し手放して、食卓を楽しい時間にするヒントにしてみてください。
この記事はこんな方にオススメ
- 子どもの好き嫌いが多く、毎日の食事づくりに疲れている方
- 子どもの偏食がいつまで続くのか、このままで大丈夫か不安な方
- 無理強いせずに苦手な食べ物と仲良くなる方法を知りたい方
もくじ
1. 子どもの偏食はよくあること?データで見る実態
「うちの子だけ好き嫌いが激しいのでは」と感じている方も多いかもしれません。でも実は、偏食は幼児期のとてもよくある悩みです。
2〜6歳の約3人に1人が「偏食する」
厚生労働省の「平成27年度 乳幼児栄養調査」では、2〜6歳児の保護者に「現在子どもの食事について困っていること」をたずねています。その結果、「偏食する」と答えた保護者は、どの年齢でも3割前後にのぼりました。
| 子どもの年齢 | 偏食する | むら食い | 遊び食べをする | 特にない |
|---|---|---|---|---|
| 2〜3歳未満 | 32.1% | 33.4% | 41.8% | 13.0% |
| 3〜4歳未満 | 30.6% | 27.1% | 27.4% | 16.8% |
| 4〜5歳未満 | 32.9% | 25.5% | 23.2% | 16.4% |
| 5歳以上 | 28.5% | 18.6% | 14.4% | 22.5% |
また、「特にない(困っていることはない)」と答えた保護者は、どの年齢でも2割前後にとどまっています。つまり、8割ほどの家庭が子どもの食事について何かしらの悩みを抱えているということです。偏食に悩むのは、決してあなただけではありません。
偏食と「むら食い」「遊び食べ」は少し違う
偏食は特定の食べ物を嫌がって食べないこと、むら食いは日によって食べる量や食べるものが大きく変わることを指します。遊び食べは2〜3歳ごろに特に多く、年齢が上がるにつれて減っていく傾向があります。いま気になっているのがどれなのかを分けて考えると、対応のしかたも見えやすくなります。
2. 子どもが好き嫌いをするのはなぜ?主な4つの原因
子どもの好き嫌いには、わがままだけでは説明できない理由があります。代表的なものを4つ見ていきましょう。
① 初めての食べ物を警戒する「新しいもの嫌い」
見たことのない食べ物や、なじみのない食べ物を嫌がる傾向は「食物新奇性恐怖(フードネオフォビア)」と呼ばれます。おおむね2〜6歳ごろの子どもに見られやすく、知らないものを口に入れないための、身を守る本能の一つと考えられています。野菜や果物、魚などで起こりやすいとされています。
② 苦味や酸味に敏感
苦味は「毒かもしれない」、酸味は「腐っているかもしれない」というサインとして、本能的に避けやすい味だといわれます。ピーマンやゴーヤ、酢の物などを嫌がるのは、ある意味で自然な反応なのです。
③ 食感や見た目、においが苦手
味そのものではなく、「ぐにゃっとする」「パサパサする」「すじが口に残る」といった食感や、色・形・においが原因のこともあります。かむ力や飲み込む力がまだ発達途中であることも関係しています。
④ 「自分で決めたい」気持ち
自我が育つ時期には、「食べない」と言うこと自体が自己主張になる場合もあります。周りが「食べて」と強く言うほど、意地になって口を閉じてしまう…ということも珍しくありません。
3. 子どもの偏食はいつまで続く?成長とともに変わること
「いつまで続くの?」は、多くの親が気になるところですよね。偏食の程度や続く期間には個人差が大きく、「何歳になれば必ず治る」と言い切ることはできません。ただ、前述の調査を見ると、5歳以上では「遊び食べ」や「むら食い」の割合が下がり、「特にない」と答える保護者の割合が増えています。
一方で、「偏食する」の割合は5歳以上でも3割弱あり、大きくは減っていません。好き嫌いは成長とともに自然と変わっていく面もありますが、食べ物との出会いを積み重ねていくことが大切だといえるでしょう。
保育園や幼稚園で友だちと一緒に食べるようになったり、小学校で給食が始まったりすることをきっかけに、家では食べなかったものを食べられるようになる子も少なくありません。「今は練習中」と長い目で見守ってみてはいかがでしょうか。
4. 子どもの偏食に親ができる7つの工夫
ここからは、家庭で取り入れやすい工夫を7つご紹介します。全部やろうとしなくて大丈夫。できそうなものから一つ試してみてください。
工夫1:一口より小さい「ひとかけら」から食卓に出し続ける
苦手な食べ物を何度も目にしたり味わったりすることで、少しずつ受け入れやすくなることが、海外の研究で繰り返し報告されています。2〜5歳児を対象にした研究をまとめた報告では、1つの野菜につき8〜10回ほど繰り返し出すことがすすめられています。食べなくても、お皿にほんの少しのせておくだけで「見慣れる」ことにつながります。
「見る→さわる→においをかぐ→ちょっとなめる→ひとくち」のように、食べること以外のステップも立派な前進です。なめて出してしまっても、責めずに「なめられたね」と認めてあげましょう。
工夫2:おなかがすくリズムをつくる
厚生労働省の「楽しく食べる子どもに〜食からはじまる健やかガイド〜」では、幼児期の目標の一つに「おなかがすくリズムがもてる」ことを挙げています。おやつやジュースをだらだら食べていると、食事の時間におなかがすかず、苦手なものに手が伸びにくくなります。外遊びで体を動かし、おやつの時間と量を決めるだけでも変化があるかもしれません。
工夫3:切り方・調理法を変えてみる
生のにんじんは苦手でも、甘く煮たりすりおろしてハンバーグに混ぜたりすると食べられることがあります。細かく刻む、やわらかくゆでる、とろみをつける、カリッと焼くなど、食感の苦手さに合わせて工夫してみましょう。ただし、隠して食べさせるだけでなく、「これ、にんじん入ってたんだよ」と後で伝えると、「食べられた」という自信にもつながります。
工夫4:買い物や料理に参加してもらう
スーパーで野菜を選ぶ、ミニトマトのへたを取る、レタスをちぎるなど、簡単なお手伝いからで十分です。自分が関わった料理は「食べてみようかな」という気持ちが生まれやすくなります。ベランダでのプランター栽培もおすすめです。
工夫5:大人がおいしそうに食べる姿を見せる
子どもは身近な大人のまねをして育ちます。「このブロッコリー、甘いね」と、パパやママが楽しそうに食べる様子を見せるのは、何よりのお手本です。きょうだいや友だちが食べている姿に刺激を受けることもあります。
工夫6:好きなものと組み合わせる
カレーやチーズ焼き、のりで巻くなど、子どもが好きな味と組み合わせると、苦手な食材への抵抗感がやわらぎます。「好きなもの+苦手なものを少し」という盛りつけを意識してみてはいかがでしょうか。
工夫7:食べられたら具体的にほめる
「えらいね」だけでなく、「ピーマン、ひとくち食べられたね」「シャキシャキって音がしたね」と具体的に伝えると、子どもは自分の頑張りを実感できます。ごほうびのお菓子で釣るよりも、言葉で一緒に喜ぶほうが長続きしやすいでしょう。
【POINT】ゴールは「完食」ではなく「楽しく食べる」こと
厚生労働省のガイドでは、「食事を味わって食べる」「一緒に食べたい人がいる」子どもの姿を目標に掲げています。苦手なものを1回で食べられるようにすることより、「食卓って楽しい」と感じられることが、長い目で見て食べられるものを増やす近道です。1食・1日単位ではなく、1週間くらいの単位でバランスがとれていればOK、とおおらかに考えてみましょう。
5. 子どもの偏食にやってしまいがちなNG対応
よかれと思ってしていることが、かえって苦手意識を強めてしまうこともあります。ちょっとした言い換えで、食卓の雰囲気は変わります。
無理やり食べさせる・完食するまで席を立たせない
強く迫られた経験は、「この食べ物=いやな思い出」として残りやすくなります。「ひとかけらだけ挑戦してみる?」「今日はにおいだけかいでみよう」と、子どもが選べる小さな目標に置きかえてみましょう。
「食べないとおやつ抜き」と取引する
罰やごほうびを条件にすると、「苦手な野菜はがまんして食べるもの」「おやつのほうが価値があるもの」というメッセージが伝わってしまうことがあります。おやつは時間と量を決めて、食事とは切り離して考えるのがおすすめです。
「この子は〇〇が嫌いだから」と決めつける
何度か残されると、つい食卓に出さなくなりがちです。でも、子どもの好みは成長とともに変わります。周りの人に「この子は野菜が食べられないの」と話すのも、本人の思い込みを強めてしまうかもしれません。「今は練習中」くらいの気持ちで、少量を出し続けてみてください。
6. こんなときは専門家に相談を
多くの偏食は成長の過程で見られるものですが、次のような様子がある場合は、ひとりで抱え込まずに相談してみましょう。
- 体重が増えない、減ってきている、元気がないなど、体の成長が気になる
- 食べられるものがごく限られていて、だんだん減ってきている
- 特定の食感や温度、においに強い拒否があり、口に入れるとえずいてしまう
- かむ・飲み込むのが苦手そうで、むせることが多い
相談先としては、かかりつけの小児科のほか、お住まいの市区町村の保健センターや子育て支援窓口などがあります。乳幼児健診の際に、保健師や管理栄養士に聞いてみるのもよいでしょう。相談窓口の名称や栄養相談の実施内容は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のホームページなどで確認してみてください。
7. まとめ:子どもの偏食は「長い目」で付き合おう
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 2〜6歳児の保護者の約3人に1人が「偏食する」ことに悩んでおり、よくあることです
- 新しいもの嫌い、苦味・酸味への敏感さ、食感、自己主張など、偏食には理由があります
- 苦手な食べ物は、少量を何度も食卓に出し続けることで受け入れやすくなります
- 無理強いや取引は避け、「見る・さわる」などの小さな一歩を具体的にほめましょう
- 体重の増え方や食べられるものの数が気になるときは、小児科や保健センターに相談を
毎日の食事づくりは、それだけで大仕事です。残されたお皿にがっかりする日もあるかもしれませんが、今日食べなかったピーマンも、いつか「おいしいね」と言える日が来るかもしれません。完璧を目指さず、親子で「おいしいね」と笑い合える時間を、少しずつ増やしていけるといいですね。
出典・参考:厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」/厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要(全体版・PDF)」/厚生労働省「楽しく食べる子どもに〜食からはじまる健やかガイド〜」/Louis Bonduelle Foundation「How many times should you expose a child to a vegetable until they like it?」(Nekitsing C. et al., Appetite, 2018 を紹介)/Louis Bonduelle Foundation「What Is Food Neophobia?」











