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子どもの叱り方はどうすればいい?怒鳴らずに伝わる7つのコツと年齢別ポイント
2026.10.21
「何度言ってもやめない」「気づいたら大きな声で怒鳴っていた」——子どもの叱り方に悩み、寝顔を見ながら反省する夜はないでしょうか。叱らなければいけない場面は毎日のようにあるのに、どう伝えれば子どもに届くのか、正解がわからず迷ってしまうものです。
じつは、子どもへの叱り方には国が示している考え方のヒントがあります。2020年4月には体罰の禁止が法律で定められ、厚生労働省は「体罰等によらない子育て」のために、親が今日から試せる具体的な工夫をまとめています。
この記事では、怒鳴らずに気持ちが伝わる叱り方のコツを7つに整理し、年齢ごとのポイントや、叱りすぎて落ち込んだときの立て直し方までわかりやすく紹介します。完璧を目指すのではなく、「ひとつ試してみようかな」と思えるものを見つけてみてはいかがでしょうか。
この記事はこんな方にオススメ
- つい感情的に怒鳴ってしまい、あとで自己嫌悪になる方
- 何度叱っても同じことを繰り返す子どもに、どう伝えればいいか悩んでいる方
- 体罰禁止の法律や「しつけ」との違いを、きちんと知っておきたい方
1. 子どもの叱り方に悩むのはなぜ?つい怒鳴ってしまう理由
子どもを叱るのは、危ないことを止めたい、人を傷つけない子に育ってほしいという、親の愛情があるからこそです。それでも、思うように伝わらずにイライラが積み重なってしまうのは、ごく自然なことではないでしょうか。
「叱る」と「怒る」はちがう
よく言われるのが、「叱る」は子どもに望ましい行動を伝えるためのもの、「怒る」は親の感情をぶつけるもの、という違いです。大きな声で怒鳴ると、子どもはその場では動きを止めるかもしれません。けれど、「なぜいけないのか」「次はどうすればいいのか」までは伝わりにくく、同じことが繰り返されがちです。
余裕がないときほど声が大きくなる
朝の支度で時間がない、寝不足が続いている、仕事のことで頭がいっぱい……。親に余裕がないときほど、叱る声は大きくなりやすいものです。厚生労働省の資料でも、親自身が時には休むことや、行政の相談窓口・ファミリーサポート・家事代行などの支援を頼ることが、体罰等によらない子育てのポイントとして挙げられています。叱り方の悩みは、子どもだけでなく、親の「しんどさ」から見直すことも大切なのです。
2. 知っておきたい「体罰」と「暴言」のルール
叱り方を考えるうえで、まず押さえておきたいのが法律のルールです。ここ数年で、子どもへの「しつけ」をめぐる法律は大きく変わりました。
| 時期 | 変わったこと |
|---|---|
| 2020年4月1日 | 改正児童虐待防止法などが施行。親などによる体罰の禁止が法律に明記された |
| 2022年12月16日 | 改正民法が施行。親の「懲戒権」の規定が削除され、子の人格を尊重する義務や、体罰など子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の禁止が明記された |
「しつけのつもり」でも体罰になる
厚生労働省は、たとえしつけのためだと親が思っていても、身体に何らかの苦痛や不快感を引き起こす行為(罰)であれば、どんなに軽いものでも体罰にあたるとしています。資料では、お尻をたたく、長時間正座させる、罰として夕ご飯を与えないといった例を挙げ、これらは「全て体罰」だとしています。
一方で、道路に飛び出しそうな子どもの手をつかむなど、子どもを守るための行為や、ほかの子への暴力を止めるための行為は体罰にはあたりません。
怒鳴る・暴言も子どもを傷つける
同じ資料では、怒鳴りつけることや子どもの心を傷つける暴言も、子どもの健やかな成長・発達に悪い影響を与える可能性があると指摘しています。「生まれてこなければよかった」のように存在を否定する言葉や、きょうだいと比べてけなすことも、子どもの心を傷つける行為とされています。
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2021年に全国の大人2万人に行った調査では、しつけのための体罰を容認する人は41.3%で、2017年の調査(約6割)から15.4ポイント減りました。「たたかない子育て」は少しずつ広がっていますが、まだ5人に2人は容認しているということになります。
3. 怒鳴らずに伝わる子どもの叱り方 7つのコツ
ここからは、厚生労働省の「体罰等によらない子育てのために」で紹介されている工夫をもとに、毎日の場面で使いやすい7つのコツを紹介します。
コツ1:まず子どもの気持ちを受け止める
「おもちゃを取られて悔しかったんだね」と、行動の裏にある気持ちを言葉にしてあげましょう。気持ちをわかってもらえたと感じると、子どもは親の話を聞く準備ができます。たたいたことは叱っても、悔しかった気持ちまでは否定しないのがポイントです。
コツ2:「〜しない!」ではなく「〜しよう」と伝える
「走らない!」と言われても、子どもは何をすればいいのかがわかりません。「ここは歩こうね」のように、してほしい行動を肯定的に、具体的に伝えると動きやすくなります。
コツ3:できたときにすぐ、具体的にほめる
叱ることと同じくらい大切なのが、望ましい行動をしたときにほめることです。「えらいね」だけでなく「自分で靴をそろえられたね」と具体的に伝えると、子どもは何がよかったのかを覚えやすくなります。
コツ4:一緒にやる・お手本を見せる
「片づけなさい」と言うより、「一緒に片づけよう」と手を動かすほうが早く終わることも多いものです。親がやって見せることで、子どもはやり方そのものを学べます。
コツ5:選択肢を示す・楽しく気をそらす
「イヤ!」が続くときは、「床とこの椅子、どっちに座る?」と選ばせてみましょう。自分で決めたことには子どもも納得しやすくなります。「歌が終わるまでに片づけられるかな?」と遊びの要素を入れるのも効果的です。
コツ6:叱らなくて済む環境をつくる
触ってほしくない物は手の届かない場所へ移す、忘れ物が多いなら持ち物リストを玄関に貼る。叱る回数そのものを減らす「仕組みづくり」も、立派な叱り方の工夫です。
コツ7:カッとしたら、まず親がクールダウン
怒りが込み上げてきたら、深呼吸をする、ゆっくり5秒数える、窓を開けて外の空気を吸うなど、自分なりのクールダウン方法を決めておきましょう。危険がない状況なら、その場を少し離れて気持ちを落ち着けてから話しても遅くはありません。
4. NGワードを言い換えよう!場面別の伝え方
頭ではわかっていても、とっさに出てしまうのがいつもの口ぐせです。よくある場面での言い換え例を知っておくと、いざというときに思い出しやすくなります。
| 場面 | つい言ってしまう言葉 | 伝わりやすい言い換え |
|---|---|---|
| 朝の支度が進まない | 早く支度しなさい! | 出かける時間だね。そろそろこの服に着替えよう |
| 室内で走り回る | 走らない! | お部屋の中は歩こうね |
| 忘れ物が多い | なんで忘れるの? | 忘れ物を減らす方法を一緒に考えよう |
| 「イヤ」が止まらない | いい加減にしなさい! | 赤い靴と青い靴、どっちにする? |
言い換えのコツは、「責める言葉」を「次にどうするかを示す言葉」に変えることです。最初はぎこちなくても、ひとつの場面から試してみてはいかがでしょうか。
5. 年齢別・子どもの叱り方のポイント
同じ叱り方でも、子どもの年齢や発達によって伝わり方は変わります。目安として、年齢ごとのポイントを見ていきましょう。成長のペースには個人差があるので、わが子の様子に合わせて取り入れてみてください。
1〜2歳ごろ:短い言葉と環境づくりで
言葉での理解がまだ難しい時期です。長い説明よりも、「熱いよ、あちち」など短い言葉で伝え、危ない物は手の届かない場所に置くなど、叱らずに済む環境づくりを優先しましょう。
3〜5歳ごろ:気持ちを受け止めて選ばせる
自我が育ち、「自分でやりたい」「イヤ」が強くなる時期です。まず気持ちを受け止めてから、「どっちにする?」と選択肢を示すと、子どもも自分で決めた満足感を得られます。
小学生:理由を伝えて一緒に考える
言葉で考える力がついてくる小学生には、「なぜいけないのか」をきちんと伝えることが大切です。そのうえで「どうしたらできそう?」と問いかけ、解決策を一緒に考えると、自分で行動を変える力につながります。友だちやきょうだいの前で叱るのは避け、プライドにも配慮してあげたいですね。
6. 叱りすぎたと落ち込んだときは
どんなに気をつけていても、つい感情的になってしまう日はあります。大切なのは、そのあとどう向き合うかではないでしょうか。
「さっきはごめんね」と伝えて仕切り直す
言いすぎたと思ったら、気持ちが落ち着いてから「さっきは大きな声を出してごめんね」と素直に伝えてみましょう。親が謝る姿は、失敗したときにどう立て直せばいいかを子どもに見せることにもなります。そのうえで、伝えたかったことをあらためて穏やかに話せば十分です。
【POINT】ひとりで抱え込まず、相談先を頼ろう
イライラが続く、手が出そうになって怖い——そんなときは、親だけでがんばらなくて大丈夫です。お住まいの市区町村の子育て相談窓口や保健センター、地域子育て支援拠点などで相談できます。こども家庭庁が設置している「親子のための相談LINE」では、匿名でも相談できます(受付時間や対応する窓口は自治体によって異なります)。緊急の場合は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」も利用できます。
パートナーや周りと「叱る役」を分け合う
いつも同じ人ばかりが叱っていると、心の負担は大きくなります。家庭での「これだけは守ろう」というルールを夫婦で話し合い、叱る基準をそろえておくと、子どもも混乱しにくくなります。祖父母や一時預かりなどを利用して、親がひと息つける時間をつくるのもおすすめです。
7. まとめ:子どもの叱り方は「伝わる」がゴール
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 2020年4月から体罰は法律で禁止。2022年12月の民法改正で、子の人格の尊重も明記された
- しつけのつもりでも、苦痛や不快感を与える罰は体罰。怒鳴る・暴言も子どもの心を傷つける
- 気持ちを受け止める、してほしい行動を具体的に伝える、できたらほめるのが基本
- 叱らずに済む環境づくりと、親自身のクールダウンも立派な工夫
- 叱りすぎたら謝って仕切り直し。つらいときは相談窓口を頼ってOK
毎日完璧な叱り方ができる親はいません。怒鳴ってしまった日があっても、「明日はひとつだけ言い換えてみよう」と思えたら、それは十分な一歩です。親子でゆっくり、伝わる関係を育てていきましょう。
出典・参考:厚生労働省「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~」(2020年2月)/法務省「民法等の一部を改正する法律(令和4年法律第102号)について」/公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査」(2021年)/愛知県「親子のための相談LINE」











