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スキルアップは子育て中でもできる!具体的な方法と養われる力
2022.06.02
少子化が騒がれている社会ですが、その少子化の一因となっているのが、育児と仕事の両立の難しさではないでしょうか。仕事にも育児にも今ひとつ身が入らず、自分の体力や思考ばかりが消耗されていくような感覚になるパパとママは多いと思います。
どんなに大変でも、“やりがい”があれば、意外と目の前に没頭できるのが人というもの。しかし、育児ばかりで自分のキャリアを実現できない現実に、打ちひしがれている人も多いのではないでしょうか?
もくじ
1 子育ては大切な時間だけれどスキルアップもしたい!
子育ては大切な時間です。よく子どもについ強く言ってしまったり、てんやわんやで子どもと外出していると「今が華よ」と近所の人に言われたりします。
確かに自分の血を分けた子どもを育てるという経験は、そう何回もできるものではありません。お金にも時間にも限りがありますし、パートナーに恵まれない人だっているはずです。
しかし、「子育ても大事な時間よ」と言われてもいまいち腑(ふ)に落ちないのは、なぜでしょうか。それはおそらく、自分の中で明確な「こうありたい」という気持ちがあるからだと思います。
今の社会はお世辞にも「安定している」という世の中ではありません。生きていく上では収入が必要でしょうし、育児と子育てをうまく両立している親御さんを見れば、自分も「もっとできるのではないか」と焦る気持ちも募るでしょう。
親になった瞬間、まるで自分がそこに存在していないかのように実に子ども中心の生活になります。
これまで見出してきた仕事のやりがいや、地位がなかったかのように子どもが中心となる生活では自分を確立させる意味でも、仕事を頑張り「1人の人間」として認めてほしいところがあります。
このかけがえのない命を守っていく中で、お金や地位はあるに越したことはありません。「子育て中にスキルアップしたい」と願うことは不思議ではなく、それは新たな挑戦なのです。
2 具体的にどんな?子育て中にスキルアップする力5つ
子育て中では、知らず知らずのうちにスキルアップしていることが多々あります。そこで子育て中に伸びるスキルについて紹介します。
2.1 周囲を巻き込む力
これまで自分のことだけを考えて、余裕ができたら恋人や親のことを考える生活をしていた人が多いでしょう。
その思いやりも必ず求められているものではありません。あくまで、自分の余裕ができたときに周囲に助けを出していたはずです。
それが子どもが生まれた瞬間、いつでも大前提に子どもの存在があります。子どもは自分が育てなければ、服を着ることも、ご飯を食べることもできません。
それは「愛している」という愛しい存在であり、時にキャパシティを越えるような負担に思うこともあるでしょう。そうすると、今まで自分の器の中でやりくりしていた時間を、外部の力を借りて時間を多く作ることをしなくてはいけなくなります。
このことは育児をしてから気づく人が多く、「どうやって人に助けを求めていいか分からない」と悩む人も多いようです。
自分が限界を感じる前に「人に助けを求めるようになった」というママやパパは、知らず知らずの間に他の誰かを頼ることや、交渉術を身につけていると思われます。
2.2 優先順位を考える
子育て中はそれまでの世界が一変します。子どもは目の前の興味に正直で、そこに熱い鍋があっても、火傷をすることを知らずに触ろうとします。
さらに、お腹がすけば美味しそうな香りがする石けんを口にすることも考えられるでしょう。自分だけの生活ならまず考える必要がないリスクが、そこにはあるのです。
人の命を考える時、そこには責任がついて回ります。あらかじめ考えられるリスクを回避するために、逆算する力が身につくでしょう。
また瞬時に、今やるべきことを整理する力を身につけられます。その結果、これまで以上に要領よく家事や仕事を回せるようになるのです。ビジネス用語で言うと、PDCAサイクルを素早く回すことができるようになります。
2.3 自分の思いを整理する力
頭ごなしに怒る親には、例え血縁があっても子どもはついていきません。子どもが親に懐くのは、その愛情を知っているからです。では、なぜその愛情を理解しているのでしょうか。それは親がきちんとコミュニケーションを通して伝えているからでしょう。
自分の思いを子どもに伝えて、子どもの思いを汲み取り、さらに会話を深めたり、場合によってはトラブルを解消することも考えられます。これは、自分の思いを整理して、伝える力がないとできないことです。
子どもが産まれてから「いろんな人と付き合うようになった」という親は多いものですが、実は子育てを通してコミュニケーション能力がアップしていることも考えられます。
2.4 完璧主義をやめられる
子どもは、いつも予期せぬ行動を起こします。「今日はよく昼寝をしてくれているな」と安心していたら、その夜はまったく寝てくれないこともあるでしょう。
そうして、育児を通して、親も「こうなるだろう」という見通しが甘いことに気づくのです。さらにその数年後には「人の行動や感情を見据えるのも意味のないこと」と気づくでしょう。
よって、相手に完璧を求めることは無理難題だということをようやく理解します。子どもが産まれてから「性格が丸くなった」という人の話をよく聞きますよね。
親自身も「見通しの甘さ」や、いくら計画を立てて準備をしておいてもそれが計画通りにいかない歯がゆさを経験しているので、完璧主義をやめられるようになります。
相手の短所を受け入れて、自分の短所も見つめ直すことができ、自然と受け入れられるようになるのです。
2.5 限られた時間での集中力
子育て中で自分が自由にできる時間は限られます。特に乳幼児だと産んでから数年に及んで、自分の時間はないに等しいでしょう。
子どもが寝ている時間や、パートナーに子守を任せてお風呂に入っている時間など、これまで以上に時間の壁を実感するものです。
これまでは「明日やればいいか」と思っていたことが、「先送りするくらいなら今やっておこう」と思えるようになったり、少ない時間で生産力をアップするために集中力が上がったりします。
それは限られた時間だと理解できたからこそなのです。これまでのように同じ1日24時間でも「自分に使える時間はそうないな」と気づけたからこそ、少ない時間でやりくりをして、切り抜ける技術や集中力を得たのです。
3 子育て中にスキルアップするパターン5つ
子育て中にスキルアップするのは、マインド以外にもあるようです。ここでは、子育て中に実際にある仕事のスキルアップパターンを見てみましょう。
3.1 お家で起業
子どもを育てていく上では、多くの資産が必要です。そのため、「子どもと一緒にいたいから」という理由だけで、職を手放す訳にはいかないのが現状でしょう。
しかし、毎日夕方と朝の限られた時間しか子どもと接することができない自分に「このままでいいのか」と思う人も多いようです。
これまで独身時代に培ってきたコミュニティや、子どもが生まれてからの新たな視点を活かして起業をする男性や女性も多くいます。自営業になることで、家庭と仕事の調整がつきやすくなります。
起業をするには、人と違う自分の長所を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。その結果、これといった取り柄がない場合は資格を取得したり、毎日の生活への着目点に変化があるようです。
3.2 転職してライフワークバランスを守れるようになる
独身時代は激務だったことを「仕事だからしょうがない」と捉えていた女性でも、「子どもと引き換えにしたくない」と思い、そのワークバランスを問題視することはよくある話ですよね。
近ごろは男性もそのような姿勢が強く、「もっと早く家庭に帰りたい」と思う男性が多くなったように感じます。その結果、自分の働く環境を見直す動きが強まっています。
下手なブラック企業に勤めるなら「パートで定時に上がり掛け持ちした方がいいのでは?」と考えることもあるでしょうし、「パートで空いた時間にもっと学校に通ってスキルアップに時間を使おう」と思えるようになります。
これは、育児という新しい時間の使い方が増えたことによって、自分のこれまで無駄に使ってきた時間に危機感を感じることからこうなるのでしょう。
実際に転職したり、わりに合わない仕事をカットすることで、自分が消耗しないような働き方へシフトチェンジするようです。
3.3 資格取得をする
子育て中は、とにかく効率重視。優先順位や要領の良さを覚えたからこそ、もっと効率良く給料を上げるのは何か?を考える事が多くなるようです。この時、資格を取得をする動きは多いように見受けます。
例えば、介護福祉士という国家資格を持っていた女性が、さらにスキルアップしてケアマネージャーになることも多いでしょう。当然、その資格の難易度が難しければ、給料アップにつながりますよね。
また、どうしたら家庭に時間をさくことができるかを考えた結果、費用対効果が高い職種につくことになります。
給料は変わらなくても、時給や単価をアップすることで家庭の比重を高くすることができます。子どもが育てば残った時間で、どんどんキャリアアップできます。
それまで「なんとなく働いていた」という人が、子育て中の時間を犠牲にしてまでやりたい仕事を見つけ始めます。
3.4 コミュニケーション能力がアップしてチームを任されるように
相手の思っていることを読み取る力や、交渉術、歩み寄りができるようになることで、チームリーダーを任せられることも多いようです。
また短い時間でいかに仕事の成果や進捗を出すかと考えるようになるので、仕事にも熱が入ります。
その一生懸命な様子が評価されて昇進につながるケースもあるでしょう。子どもができることで、これまでは自分の生活を守るという意識だったのに、仕事へさらに真面目に取り組むようになります。
その結果、責任ある仕事を任されるようになったと感じるワーキングマザーやファザーも多いようです。
3.5 子育てと仕事を両立した経験を他に活かせる
子どもが小学校に入学する段階など、子育てにはいくつかの、ちょっとしたターニングポイントがあります。
そんな時、これまでの慌ただしさを切り抜けた経験から「もっと私は仕事ができる」という自信と勇気がみなぎることも多いようです。
これまで以上に仕事を頑張れるからと昇進を交渉したり、他の仕事を選ぶことも視野にいれられます。また育児で空いた時間を他の仕事の情報収集に当てることもできるようです。
4 子育て中に無理なくスキルアップする方法3つ
続いて、これから子育て中に無理なくスキルアップする方法を3つ紹介します。
4.1 自分を見つめ直す
まず成長には、今の自分の現状を把握することがとても大切になります。自分の今の状況をしっかりとヒアリングできなければ、どこを成長目標にしたらいいのか分からないでしょう。
自分を見つめ直すためには、日ごろ自分が大切にしているポリシーや時間について、ノートやスマホのメモ帳に書き出してみることをオススメします。なりたい自分と今の自分を正確に把握することで、これからどのようにスキルアップすればいいか理解できるでしょう。
4.2 自分も大切にする
子育て中で「自分のことを考えている暇なんてない」と思う人ほど、自分を大切にしましょう。自分のしたいことや心地いいと感じることを大切にすることがスキルアップには必ず必要です。
好きな時間を生み出すためには、例え少し苦しいことでもやってのけてしまうのが人というもの。「今は頑張る時」とけじめをつけられたり、子どもを預かってもらうことで「いつかは、もっと子どもと向き合う時間を作る」と思えるでしょう。
スキルアップは簡単にできるものではありません。自分の現状を打破するのは、とても勇気がいることです。そして、そこには必ず辛いことや悲しいことも起こるでしょう。しかし、スキルアップには、それに挫けない動機が必要になります。
自分を大切にすることで、何を大切にしたいか、大切にするべきものが見えてくるのです。
4.3 時間を作る
昔からのことわざで「時は金なり」という言葉があります。時間を作ることで、新しいことを始める余白が生まれます。
また、時間があることで、その気力を養うことができるでしょう。まずは、自分の声に耳を傾けるためにも、時間を作ることが大切です。パートナーや、親やベビーシッターでもなんでもいいです。
いっぱいいっぱいでは、そこに新しい風が入ることはありません。時間を作り、新しいチャンスをものにできる余白を作ることが大事です。
5 子育て中でもスキルアップはできる
子育て中でも、スキルアップはできるものです。なりたいこの先の自分のイメージを固めることで、より子育ても熱心に取り組めます。
子育て中にスキルアップできた自分に自信も持てるでしょう。子育て中に「社会から取り残された気がする」「何かしないと」とウズウズしたら、まずは自分の心の声に耳を傾けてみるといいですよ。
この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。