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幼児期の読み聞かせが子どもに与える影響は|やり方、コツ、年齢別絵本の選び方

2023.08.22

育てる

そろそろ子どもに読み聞かせをしたいと考えているパパやママはいると思います。しかしいざ実際に始めようと思っても、どのように始めればよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。そもそも読み聞かせをさせることが、子どもにどのような影響を与えるのかがわからないという方もいるかもしれません。今回は子どもに読み聞かせをすることで与える影響ややり方について紹介します。

この記事はこんな方にオススメ

  • 読み聞かせをいつから始めればよいのか分からない
  • 読み聞かせのやり方がわからない
  • 子どもに読み聞かせをさせた方がよいのか迷っている
  • 子どもに読み聞かせをしたいがどのように始めればよいのかイメージがつかない

幼児期の読み聞かせがもたらす効果

幼児期は、読み聞かせをしても物語への理解が低く意味がないように感じる方もいるかもしれません。しかし幼児期の読み聞かせはとても重要です。その効果について紹介します。

子どもの心が安定する

読み聞かせをする際は、当然ながらパパやママが読んで聞かせることになります。このパパやママの声というのは子どもにとってとても安心を与えます。さらにパパやママのお膝の上に子どもを乗せて読み聞かせをすることもあれば、すぐ隣に寄り添うように座って読むこともあるでしょう。

パパやママの体温を感じながら声を聞く時間は、子どもにとってとても安心できる時間です。リラックスすると共に親からの愛情を強く感じられるでしょう。この時間の積み重ねが子どもの自己肯定感を高めることにもつながります。

想像力が育まれる

想像力とは、目には見えないものを頭の中で思い描き共感や危険回避のきっかけともなるものです。叩いたら相手は痛いと感じるかもしれない、いじわるな言葉を言えば相手は悲しむかもしれないと考え、行動を変えるきっかけになるものが想像力。想像力が豊かであればあるほど、本人にとって充実した人生になるでしょう。

読み聞かせは、このような想像力を育む効果があるとされています。さまざまな物語に触れることで、子どもの視野を広げ思考の幅を広げるでしょう。想像することは、本人の経験値の範囲内で生まれるものです。それゆえに、読み聞かせによって経験値を高めてあげることは、とてもよい効果をもたらすでしょう。

本を読むことに抵抗がなくなる

小学校に入学し教育が始まれば、国語の授業が始まります。国語の授業では多くの文章を読み、成長すればするほど新聞や書籍など文章に接する機会が増えていくでしょう。

その際に文章を読むことに慣れているか慣れていないかは、大きな差となっていきます。読み聞かせによって幼児期のころから文章に触れていた子どもは、小学校に入学してからも抵抗なく多くの文章と触れ合っていくでしょう。

さらに想像力が育まれていれば、それだけ文章を読み解くことも容易です。しかし文章を読むことに抵抗があったり、難しさを感じたりしていると国語も苦手なものになっていくでしょう。成長と共に子どもが文章に苦手意識を持たないためにも幼児期からの読み聞かせはとても重要な役割を担っていると言えます。

言語能力が高まる

読み聞かせは、普段の生活の中だけではなかなか触れ合う機会のない言葉や表現を知る機会になります。読み聞かせをしている中で、子どもに「これはどういう意味?」と聞かれることもあるでしょう。その際に意味を教えていくことで、子どもの頭の中に新たな言語が記憶されます。その機会が多ければ多いほど、言語能力が高まっていくでしょう。

子どもの年齢に合った書籍や、幅広いジャンルを読み聞かせることで、より言語の幅も広がっていきます。言語能力が高まれば、相手の話を理解するスピードが上がるでしょう。先生や周りの大人が言っていることも理解する幅が広がります。また、自分自身の気持ちをより適切な言葉で相手に伝えることも容易になっていくでしょう。自分の気持ちを相手にしっかり理解してもらえることは、自身の心の安定にも繋がるのです。

感情が豊かになる

物語の中には、主人公もいれば、その友達や親などいろいろな登場人物がいます。物語の中で、その登場人物の感情がいろいろな言葉で表現されているでしょう。うれしい、悲しい、怒るなどの感情に触れることで、子どもは一つの感情にもさまざまな表現方法があることを知ります。そして生活の中で、相手が今どのような感情なのかということを想像しやすくなるでしょう。と同時に、自分自身の気持ちの伝え方も表現が豊かになっていきます。

今自分自身の気持ちがどのような状態であるのかということも客観的に分かるようになり、人の心の動きも感じ取りやすくなるため、友人との人間関係も築きやすくなるでしょう。

集中力が上がる

子どもの集中力は長続きしません。最初のうちは読み聞かせの途中で飽きてしまい、他の本を読んで欲しいと言い出したり、違う遊びがしたいと言い出したりすることがあるでしょう。しかし押し付けたりせず、子どものやりたいことに合わせてあげているうちに、集中力が自然と養われていきます。最初のうちは途中までしか聞けなかった物語も、じっと最後まで話を聞けるようになっていくでしょう。

この集中力は、子どもの行動の落ち着きにつながっていきます。椅子に座って先生の話をじっと聞くことに抵抗がなくなり、話の途中で椅子から立ち上がって歩き回るといったこともなくなるでしょう。集中力が養われれば、自身の成果にもつながりやすくなり、何事にも意欲的に取り組めるようになっていきます。

パパやママのストレス軽減につながる

読み聞かせは、忙しいパパやママにとって面倒に感じることもあるでしょう。しかし読み聞かせによって子どもの心の安定に繋がり、落ち着いた行動に繋がれば、結果としてパパやママの育児に対するストレス軽減に繋がっていくでしょう。

毎日何時間もするといった無理にがんばる必要はなく、1日1冊とルールを決めるなどしてできる範囲でやっていけるといいですね。

幼児期の読み聞かせを始める時期

七田式教育の考え方

子どもがまだ小さいと、読み聞かせをしても理解ができず意味がないように感じるかもしれません。しかし、最初は意味が理解できなかったとしても、繰り返し読み聞かせることで徐々に理解できるようになります。そのため、読み聞かせに何歳からでないといけないといったルールはなく、子どもが絵本に興味を持ち始めたころが読み聞かせを始めるタイミングと言えるでしょう。

最初のうちは「絵本を読んで」と言ってきたわりには、すぐに飽きてしまったり、他の遊びを始めてしまったりということがあります。その時に無理に最後まで聞かせる必要はありません。絵本の1ページ目しか読めなかったとしても十分に読み聞かせと言えるので、そういう意味では読み聞かせは0歳からスタートできます。

幼児期の読み聞かせのやり方

では、実際読み聞かせはどのように行えばよいのでしょうか?読み聞かせにかける時間はだいたい5~10分です。このくらいの時間で読み切れるくらいの短い物語を選ぶとよいでしょう。

子どもは同じ話を何度も読んでと言ってくる場合や、「次はこれを読んで」と一冊では終わらない場合があります。その際に長いものを読んでしまうと、パパやママが疲れてしまいます。「あとこの一冊読んだら終わりね」と言えるくらいの短編の物語を選びましょう。

読み聞かせをする際は、子どもと隣同士に座る姿勢でもよいですし、膝の上でもよいでしょう。必ずしも文字を一緒に追う必要はないので対面でも問題ありません。子どもはもちろんのこと、パパやママもリラックスできる姿勢がおすすめです。

読むスピードはゆっくりと、語りかけるように読むのを意識しましょう。基本的には子どものペースに合わせて、最後まで読み切ろうとする必要はありません。もし途中で「このページだけ読んで」と言われれば、そのページだけを読めばOKです。

年齢別読み聞かせのポイント

パートの開始前に準備しておくべきこと

幼児期の読み聞かせ方は、子どもの年齢によって大きく変わります。まだ言葉を理解できない時期や話せない時期、自我が出てくる時期など、それぞれの時期に合った読み聞かせとはどのようなものなのでしょうか?年齢別で紹介します。

0〜1歳児

0~1歳の子どもは、絵本をまだ読むものだという認識がありません。文字がなく絵だけの本でも結構です。「トントン」「カンカン」といった擬態語が多いリズムのある絵本や、くだものや野菜、食器など身の回りにあるものを使った絵本を読んであげると興味を示してくれそうです。

読み聞かせをする中で、絵本には記載のない言葉をパパやママのオリジナルで付け加えてもよいでしょう。絵を指しながら「りんごだね」といった会話を楽しむのもおすすめです。子どもはまだうまくお話ができないかもしれませんが、パパやママの言葉は聞こえていますので、読み聞かせを会話のきっかけにするのもよいでしょう。

2歳児

子どもが2歳になると、だいぶ世界が広がります。空想の物語など、目の前にない世界も楽しめるようになるので、絵本の中の登場人物と一緒に追体験できるような本や、日常生活を描くような絵本がおすすめです。

ただし集中力はほとんど続かないので、短い文章が繰り返されるようなものがよいでしょう。物語の中に出てくるものに対して「これはなあに?」と聞いてくることが増えます。その際には都度立ち止まって会話を楽しみましょう。すぐに正解を答えるのではなく「何だと思う?」と聞き返してみるのも、子どもの想像力を刺激するよいきっかけになります。

3歳児

3歳になると、子どもの言葉数がぐっと増えるとともに、目には見えない世界への想像力がより育まれていきます。家族や友だちの気持ちの動きにも気が付くようになるでしょう。より物語性のある絵本を好むようになります。

4歳児

4歳になると、幼稚園や保育園での生活に慣れて、先生やお友達とのコミュニケーションが活発になっていきます。仲のよいお友達と一緒に行動するといったことも増え、一緒に笑い合うときもあれば、言い合いのけんかになってしまうこともあるでしょう。

いろいろなことを理解できるようになるこの時期は、想像力を広げるような絵本がおすすめです。

絵本の言葉と絵の関連性にも興味を持つようになるでしょう。絵本に書いてある言葉は、絵のどの部分を指しているのかといったことが気になるようになります。隠れている絵を探すといった遊びがある絵本を夢中になって読むようにもなるでしょう。

5歳児

5歳になると、うれしいや悲しい、怒りなどのさまざまな感情を受け止められるようになります。物語の中にある出来事を通して子ども自身が楽しい、悲しいといった感情を抱くようになるでしょう。そのため読み聞かせの中で子どもが感じた気持ちをパパやママに伝えようとする様子も垣間見えるようになります。そのような様子を見せた時は、どのような言葉でも否定せず最後まで聞き受け止めてあげることで、子どもの想像力や思考力がどんどん養われていくでしょう。

幼児期の読み聞かせのコツ

そもそもサブスクとは?

幼児期の読み聞かせの方法や絵本の選び方についてご紹介してきましたが、読み聞かせをしている中で予想外の壁にぶつかることもあるでしょう。読み聞かせをする中で事前に知っておくとよいコツについて紹介します。

絵本に興味がないときの対処法

パパやママがよいと思った絵本なのに、子どもが興味を持ってくれない場合があります。しかしそこでわが子は本に興味がないと判断するのは早いでしょう。その絵本がたまたま今の子どもに興味がなかっただけである可能性があります。

絵本選びには、実際に子どもと一緒に本屋さんへ行き選ばせてあげるのがよいでしょう。絵本には物語だけでなく、仕掛けがある絵本やなぞなぞ、隠れている絵を探す絵本などさまざまなジャンルがあります。子どもと一緒に本屋へ行き、いろいろな絵本を見せてあげることで、子どもが気に入った絵本を選ぶようにすると読み聞かせもスムーズになりそうです。

同じ本を何度も読み聞かせてOK

幼児期の読み聞かせは、あまり固定観念を抱かないようにしましょう。子どもが最初から隣でじっとしてパパやママが読んでくれる絵本を夢中で聞いてくれるとは限りません。すぐに飽きてしまう場合もあれば、最後までいかずに突然最初から読んでと言われてしまうこともあるでしょう。こうでなくてはならないという気持ちを捨て、子どもがやりたい読み聞かせを尊重してあげてください。

無理にいろいろな本を読み聞かせる必要はありません。子どもによっては同じ本を何度も読んで欲しいと言ってくることもあるでしょう。子どものペースに寄り添うことで、いろいろな言語が身についていきます。焦らずゆっくりと積み重ねていく意識が大切です。

子どもの反応を見ながら読む

幼児期の読み聞かせは、他でもなく子どものためのものです。子どもは最初から集中力があったり、物語に興味があったりするわけではありません。

パパやママとしてはせっかく読み聞かせをするのだからと気合いを入れたものの、子どもは全く興味を持たず肩透かしに合うような気持ちになることもあるでしょう。昨日は夢中になって聞いてくれたのに、今日はまったく集中力が続かないということもあります。

子どもの様子を見ながら、決して押し付けるのではなく、どのような時も子どものペースに合わせるように意識していきましょう。

ママやパパも楽しむことを大切に

幼児期の読み聞かせは、子どものためではありますが、パパやママが楽しむということもとても大切です。パパやママがつまらないという気持ちで絵本を読んでいれば、子どもはそれを感じ取ります。そもそも面倒だなと感じることを毎日継続するというのは、大人でも難しいことでしょう。読み聞かせは、パパやママも楽しいと思える環境づくりを意識しましょう。

絵本を読み聞かせる中で、「すごいね」など感想を口に出すようにすると、子どもも気持ちが乗りやすくなります。パパやママ自身が幼児期のころによく読んでいた絵本を選ぶと、懐かしさを感じ読み聞かせへのストレスが軽減されそうです。

 

幼児期の読み聞かせは親子で楽しもう

幼児期の読み聞かせは子どもにとって大きな意味があります。継続することで、さまざまな効果を発揮するでしょう。とはいえ毎日読み聞かせをするというのは、忙しいパパやママにとって少なからず負担になってしまう部分でもあります。親子で楽しめる時間になるような絵本選びや読み聞かせをする際の態勢など、よい環境づくりを意識してみてください。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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