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テレワークによる運動不足の対策とは?簡単かつ効果的な解消方法を解説!

2022.08.02

働 く

近年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの企業で感染リスクの高いオフィスへの出勤から、感染リスクの低いテレワークへ勤務形態が切り替えられました。

テレワーク導入前とは生活習慣が激変し、自宅にいる時間が長くなり、身体を動かす機会が減ってしまったパパママも多いのではないでしょうか。

運動不足による心身への影響は、運動能力の低下やテレワークの生産性低下だけでなく、将来的に生活機能(歩行や食事など、生活行為を行う能力)の低下につながります。

運動不足解消と予防のためには、日頃から運動する習慣を身に付けなければいけません。しかし、運動不足を解消しようにもテレワークや家事育児が忙しいパパママが多いため、運動に割ける時間が異なります。

よって、ライフスタイルに合わせた運動方法や、効率の良い運動方法を取り入れることが重要です。

今回は、テレワークと両立できるように、簡単で効率的な運動方法を紹介します。

この記事はこんな方にオススメ

  • 運動不足にどんなデメリットがあるか分からない
  • 運動にどんな効果があるか知りたい
  • 短時間で効果がある運動方法が分からない

1 テレワークによる運動不足が心身に与える影響

運動不足は単純に運動能力を低下させるだけでなく、心身に影響し日常生活や仕事に影響を与えます。

 

1.1 生活習慣病を引き起こす

多くのパパママが、新型コロナウイルス感染拡大の前と比べて、1日の平均歩数が激減しています。なかには、厚生労働省が定めた健康のために必要な最低歩数である、1日8,000歩以下の生活をしているパパママもいます。

1日の歩数が少ないということは、身体活動量が少なく、生活習慣病の発症リスクが増加しているということです。

主な生活習慣病 引き起こされるもの
メタボリックシンドローム 脳梗塞、脳内出血、心筋梗塞
フレイル 生活機能の低下、骨そしょう症
糖尿病 動脈硬化、失明、足の壊死、腎不全
高脂血症 動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞
高血圧 脳疾患、心筋梗塞、動脈硬化
サルコペニア 認知機能の低下、寝たきり

身体活動量が少ないと、生活習慣病の発症リスクを高めるだけでなく、症状の進行を早める可能性もあります。また、生活習慣病は、新型コロナウイルスの重症化リスクも高めるほか、命に係わる合併症を引き起こします。

 

1.2 全身の筋力を低下させる

全身の筋力が低下すると、代謝機能が低下するため、太りやすくなります。また、太ってしまうと、身体を動かすことが面倒になるため、さらに深刻な運動不足になりかねません。

運動不足が慢性化すると、生活行為に最低限必要な筋力も維持できないため、将来的に立って歩けなくなる可能性があります。

加えて、運動能力に直結する筋肉だけでなく、心筋や肺を動かす筋肉も衰えることで呼吸が上手く行えなくなり、すぐに目まいや息切れしてしまう体質になってしまいます。

 

1.3 うつ病のリスクが高まる

運動不足になると、自律神経のバランスを保てなくなり、睡眠不足や肩や足腰の痛みにつながります。慢性的な身体の痛みは、精神状態を不安定にするため、ストレスをため込みやすくなります。

ストレスをため込みやすい状態は、新たなストレスの原因になり、うつ病を発症させる可能性も高まります。

一度、うつ病を発症してしまうと簡単に完治できません。うつ病になると日常生活を正常に送れないため、家族とのコミュニケーションや仕事へ大きく影響します。

 

2 テレワークとも両立できる!ライフスタイルに合った運動方法

テレワークとも両立できる!ライフスタイルに合った運動方法

運動の目的が、生活機能の維持か運動能力の向上かによって、最適な運動方法が異なります。また、外出できる時間的余裕の有無によっても、おすすめの運動方法は異なります。

ただし、運動は無理なく続けることが重要です。最初から運動の目的に合わせて選ぶのではなく、自身の体調や運動能力に合った運動方法を選びましょう。

効率的に運動を続けるポイントは、最初は軽めの運動方法を選び、1週間ほど続けて「負荷が軽い」と感じたら、少し強度の高い運動にレベルアップすることです。

 

2.1 スキマ時間で運動するなら自重トレーニング

自重トレーニングのポイントは、腹筋や背筋など大きな筋肉を鍛えて、基礎代謝量を上げることです。

器具を使わなくても身体に負荷を掛けられることに加えて、短時間で効果が出るのでテレワーク中に疲労を感じたときや、休憩時などのスキマ時間に行えます。

器具を使用しない運動方法 鍛えられる場所 おすすめ
ラジオ体操 全身、心肺機能 短時間で運動したい
その場で足踏み 下半身全体、心肺機能 運動に適した場所がない
階段(踏み台)昇降 心肺機能 ダイエットを考えている
スクワット お尻、太もも、背筋 猫背が気になる
ランジ お尻、太もも 何もない場所で転んだことがある
フロントブリッジ 二の腕、腹筋、背筋 お腹周りが気になる
二の腕が気になる
クランチ(腹筋) 腹筋、背筋 反り腰が気になる
腰痛がある
腕立て伏せ 腕、胸、肩の筋肉 疲れやすい
肩こりがある

上記の運動方法は、筋トレ系であれば1日3回自分のペースで5分、行いましょう。また、ラジオ体操やその場足踏み、階段昇降は1日3回3分で効果が期待できます。

ポイントは、目標回数を決めるのではなく、「少しきついな」と感じる負荷を一定ペースで続けることです。

 

2.2 室内で本格的に運動するなら器具を使ったトレーニング

使用器具 運動方法 鍛えられる場所 おすすめ
バランスボール ツイスト 体幹、股関節 腰痛がある
フロントブリッジ 腹筋、股関節、太ももの筋肉 ダイエットを考えている
うつ伏せで体幹トレーニング 胸、肩、腰、股関節 猫背が気になる
肩こりがある
メディシンボール リフトアップ 全身 ダイエットを考えている
ロシアンツイスト 腹筋、背筋 お腹周りが気になる
ダンベル スクワット お尻、太もも、背筋 猫背が気になる
シュラッグ 肩の筋肉 肩こりがある
アームカール 腕が疲れやすい
シットアップ 腹筋 お腹周りが気になる
スポーツバンド スクワット お尻、太もも、背筋 猫背が気になる
レッグプレス 太もも 何もない場所で転んだことがある
座位クランチ 腹筋 お腹周りが気になる
シットアップ 腹筋

器具を使うことで、自重トレーニングよりも身体に負荷をかけて運動できます。自重トレーニングでは負荷が足りない場合は、器具を使った運動方法に切り替えましょう。

また、疲労を少し感じたらすぐに休憩をはさむことが、安全に運動するポイントです。

最初から高負荷なものを選んでしまうと、器具の重さに慣れていないため、関節を痛める可能性があります。重し系の器具を使う際は、自身に扱えるギリギリの重さではなく、持ってみて少し軽く感じるものを選びましょう。

 

2.3 屋外ならウォーキングかジョギング

運動時間を30分以上まとめて取れる場合は、屋外で運動しましょう。

自重トレーニングや器具を使った運動も屋外で行えますが、おすすめはウォーキングかジョギングです。歩く(小走り)動作は、有酸素運動の中でも優秀とされ、心肺機能や生活機能の維持に効果的です。

加えて、屋外での運動には、

  • ソーシャルディスタンスを取りながら家族と一緒に運動ができる
  • 日にあたることで免疫力が強くなる
  • 自律神経を整えるビタミンが体内で分泌される

など健康面のメリットが多く存在します。

 

2.4 ダイエットも兼ねて高強度で運動するなら「HIIT」

普段から身体を鍛えている場合は、HIIT(高強度インターバルトレーニング)がおすすめです。HIITは、室内でも屋外でも行える高負荷のトレーニングです。

エアロバイクを利用する場合は、

  • 1セット:1分ほど全力でこぎ、30秒ほどインターバル(休むか軽くこぐ)をはさむ
  • 1日に3~5セット繰り返す
  • キツイ場合は、1日ずつ休みを入れる

他にも、

  • 昇降台(階段)に両足でジャンプ(あるいは高速で昇り降り)
  • バーピー(器具を使わないトレーニング)
  • 膝つき腕立て伏せ
  • もも上げ

など、HIITは様々な方法で手軽に行えます。

ただし、HIITは足やひざの関節を痛めたり、筋肉痛を起こしやすいため、怪我をしやすいです。自身の限界を見極めて行うことが重要です。

また、心臓の病気、高血圧、糖尿病、不整脈、腰痛やひざに痛みがある場合は、症状が悪化したり、失神する可能性があるため、HIITを行ってはいけません。

 

2.5 本当に時間がないなら生活習慣を変えてみる

テレワークや家事育児が忙しく、運動に時間を割けない場合は、家事や日常生活の習慣を少し変えることで、身体活動量を増やしましょう。家事中にできるかぎり身体を動かす、テレワークを立って行うなどで、身体活動量を増やせます。

例えば、

  • 洗濯中にできるかぎり歩く
  • 階段の掃除をする
  • 早歩きで買い物に行く
  • 昇降デスクなどを使い、立ちながら仕事をする

などの工夫ができます。

立って仕事をする場合はずっと立ったままではなく、30分ごとに立つ、眠くなったら立つなど、こまめに繰り返し立つことがポイントです。

 

3 身体を動かすメリット

身体を動かすメリット

身体を動かし、心肺機能や基礎代謝を高めることで、心身に様々な良い影響があります。

 

3.1 免疫力が向上する

運動するメリットは、代謝機能向上による免疫力の維持と向上です。代謝機能が活発になると体温が上がり、血中の免疫細胞が活性化します。

テレワークで代謝が落ち免疫力が低下していても、運動することで再び免疫力が回復し、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスに感染しにくくなります。

 

3.2 生活機能の低下を防ぐ

身体を動かすことによって、加齢による心肺機能や足腰の衰えを防げます

テレワーク前に定期的に運動をしていたとしても、運動習慣がなくなると、すぐに筋力が低下するため、生活機能の維持ができません。また、筋力が低下すると心肺機能も低下するため、さらに運動が面倒になります。

結果、慢性的な運動不足につながり、将来寝たきりになったり、補助器具なしの歩行ができなくなります。1日5分の軽い運動でも習慣的に行い、シニアライフを健康に楽しく過ごしましょう。

 

3.3 血行を良くする

運動によって全身の筋肉量を増やし、基礎代謝量を上げましょう。運動することで血行が良くなり、テレワーカーの職業病である肩こりや冷え性を改善、予防できます。

また、血行を良くすることで脳血流が増え、頭の回転が良くなるため、テレワークの能率を上げたいパパママにも運動は効果的です。

 

3.4 ストレスを解消する

運動によって基礎代謝量を増やし、血管を広げ血流を増やすことで、体温を上げましょう。体温が上がり副交感神経が優位になることで、身体をリラックスさせられます。

また、健康状態とストレスはお互いに影響し合うため、不健康だとストレスがたまりやすく、逆に健康を維持することでストレスがたまりにくくなります。運動によって、心身ともに健康を維持しましょう。

 

3.5 認知症を予防する

運動すると、脳の神経を成長させるタンパク質が多く分泌され、記憶を司る海馬の機能維持や成長を助けます。また、運動によって、脳と筋肉をつなぐ神経で信号伝達が活発に行われるため、脳が活性化され、認知症を予防します。

 

4 家族と一緒に運動しよう

家族と一緒に運動しよう

一人で運動をしても、モチベーション維持が難しいため、なかなか習慣化できません。家族と一緒に、楽しく運動することが習慣化のポイントです。

また、新型コロナウイルスの影響で、自分だけでなく家族全員の生活スタイルが激変しています。テレワーカーでなくても外出の機会が減ったため、家族も運動不足の可能性があります。

家族とコミュニケーションを取りつつ、楽しみながら一緒に運動しましょう。

 

5 まとめ

今回は、テレワークによる運動不足が引き起こす心身への影響、効率の良い運動方法、運動による身体へのメリットを解説しました。

家庭で簡単にできる運動は、4種類あります。

  • 自重トレーニング:5分くらいの運動で生活機能を維持させたい場合
  • 器具を使う運動:短時間かつ室内で運動能力を向上させたい場合
  • 歩く(小走り):30分くらいまとまった運動時間を確保できる場合
  • HIIT:普段から運動をしていて高強度の運動をしたい場合

運動方法は、自身の目的によって選びましょう。

どうしても運動時間が確保できない場合は、家事をできるかぎり手作業で行い移動距離を増やす、テレワークを立って行うなどの工夫をすることで、身体活動量を増やせます。

運動を楽しく長く続けるためには、家族と一緒に行うことがポイントです。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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