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子供が成長する上手な叱り方とは?NG例や年齢に合わせた子供の叱り方も紹介

2022.11.15

育てる

子供を叱るタイミングはたくさんあります。間違った叱り方をすると、なぜ叱られているのか子供が理解できず、傷ついてしまうこともあるかもしれません。
反対に、叱り方を変えるだけで子供は大きく成長します。

この記事では子供が成長する上手な叱り方やNG例、子供の年齢に合わせた子供の叱り方も紹介します。

この記事はこんな方にオススメ

  • 子供への叱り方はこれでいいのかな?と疑問を持っている
  • 子供がダメなことを繰り返し悩んでいる
  • 子供に伝わっているだろうか?とよく思う

1 そもそも「叱る」とはどういうこと?

そもそも「叱る」とはどういうこと?

そもそも「叱る」とは、相手の非を指摘・説明し厳しく注意することで、基本的には相手に何かを伝えることを意味します。

子供を叱るということは、子供の間違いを指摘し、何がどう良くなかったのか、どうすれば良いのかを伝え、より良い方向へ導いてあげることです。「叱る」と混同されやすい「怒る」は、相手や自分に腹を立て、不快な感情を我慢できないことを表します。

子供の行動に腹を立て一方的に感情をぶつけてしまえば、それは「叱る」ではなく「怒る」になるでしょう。子供が人間社会の中で生きていくには、感情のままに振舞っていてはいけません。徐々に社会的なルールを身につけ、自分だけでなく他人や物を大事にできる人に成長していく必要があります。

親は怒るのではなく、上手に子供を叱り、より良い方向へ成長する手助けをしてあげてください。

関連記事:子どもの喧嘩、止める?介入する?親の正しい関わり方と対処の注意点

2 子供を叱る時はどんな時?

子供を叱る時はどんな時?

子供を叱る時、叱らなければいけない時はどんな時なのでしょうか?
それは、

  1. 人や物を傷つけるような行為をした時
  2. 危険な行動をした時
  3. 社会的ルールを教える時
  4. 子供がわがまま、身勝手な時

です。順番に見ていきましょう。

 

2.1 人や物を傷つけるような行為をした時

子供は感情を制御する前頭葉が未発達なため、自分の感情が抑えられず、自分の要求が通らないとパパやママを叩いたりオモチャに当たったりすることがあります。また人やモノに当たることが「ダメ」だと理解できていない場合もあります。

子供が小さくても、「人や物を傷つけてはダメ」と大人は子供に教えなくてはなりません。なぜやってはいけないのか、きちんと説明してあげましょう。

 

2.2 危険な行動をした時

怪我や事故、命に関わるような危険な行動をした時は必ず子供を叱ります。例えば、子供がガスコンロに手を伸ばして火傷するよりも、伸ばした手を叩いて止め「危険だからダメ」と叱って教えた方が取り返しのつかない事態になるよりまだ良いでしょう。

子供自身が自分の身を守る、危機管理能力を身につけるためにも重要です。

 

2.3 社会的ルールを教える時

電車やバス停などの公共の場、レストランやスーパーなどで走ったり騒いだりした子供を叱った経験がある人もいるのではないでしょうか?時に子供は大声で騒ぎ、走り回ります。しかし他の人の迷惑や不快にさせる行動はとってはいけないことです。

TPOをわきまえた行動を教えるために、叱って伝えることも必要でしょう。

 

2.4 子供がわがまま、身勝手な時

子供が少々わがままで身勝手でも、パパやママ、おじいちゃんおばあちゃんは許してくれるかもしれません。しかし、社会に出れば話は別です。わがままや身勝手な行動は許されません

何でもかんでも子供の言うこと聞いていたら、わがままで自己中心的な考えを持つ子供になる可能性もあります。思いやりや譲り合い、我慢を教えるために叱ることも必要です。

 

3 子供が成長する!上手な子供の叱り方とは?

子供が成長する!上手な子供の叱り方とは?

子供が成長する上手な叱り方のポイントは、以下の5つです。

  1. 子供の目を見て叱る
  2. その場で短くわかりやすく叱る
  3. 子供を肯定してから叱る
  4. どうしてほしいか伝える
  5. 改善したら褒める

それぞれを詳しく解説します。

 

3.1 子供の目を見て叱る

子供を叱る時は子供と目線を合わせて、肩に手を置いたり手を握ったりしながら叱ります。言葉がわからない赤ちゃんでも、目を見て親の表情や感情を読み取ることができ、スキンシップ効果も期待できるでしょう。

ただし、「目を見なさい」と言われると目を見ることだけに集中してしまい、何を怒られているのかわからなくなる子もいます。目を見ることが怖く、何に対して叱られたかよりも恐怖を覚えてしまう子もいます。

親は子供の目を見ますが、子供に目を見ることを強制するよりも「今真剣にあなたにお話ししているから、しっかり聞いてほしい」ということを子供に伝えてあげてください。

 

3.2 その場で短くわかりやすく叱る

叱る時はその場ですぐに叱りましょう。なぜなら、時間が経ってしまうと子供はその時のことを覚えていないことがあるためです。

また、子供にわかりやすい言葉でシンプルに伝えます。この際、子供が理解しやすいように要点をまとめて伝えるだけでOKです。

子供は何度も同じ過ちを繰り返しやすいですが、根気よく何度でも、その場その時に子供がわかりやすいように、簡潔に叱るようにしてください。

 

3.3 子供を受け止めてから叱る

親にも叱る理由があるように子供にも子供なりの理由があります。一方的に叱りつけるよりも、まず子供にどうしてそうした行動をとったのか、何をしたかったのか理由を聞いてあげましょう。「そうか、〇〇したかったんだね」と一度受け止めてから叱ることで、安心感や親との信頼感も生まれます。

また、認めてあげることは子供の自己肯定感を高め、積極性や子供の自立にも有効です。子供のダメなところばかりフォーカスするのではなく、子供を褒めてから叱るようにしましょう。その際、どうして叱られるような行動を起こしたのかも聞けるといいですね。

 

3.4 どうしてほしいか伝える

ただ子供に「〇〇だからダメ」と叱るだけでなく、「ママは本当はこうしてくれると嬉しい」など、子供にどうしてほしいのか伝えてください。子供は、「親がこうしたいと思っている」ことに共感できれば、話を聞いてくれることも多くあります。

「〇〇しなさい!」と言うよりも、考えさせる言葉掛けが子供を成長させることもあります。また、5~6歳くらいの子供なら善悪の区別もついてくる年齢なので、積極的に考えさせてみましょう。

なぜ叱られているのか、どうしていけないのかを自分で考えさせる機会を子供に与えると、子供は自分の意志を尊重してもらったと感じます。突発的な行動をするような子供に育てないために、自分の中で考えさせるような語りかけを意識したいものです。

 

3.5 改善したら褒める

子供の間違いが改善したら、子供を褒めてください。褒められることが子供は大好きです!パパとママに褒められたい子供はたくさんいます。

ただ叱るだけでは子供は良い方向に成長しません。叱られてばかりで褒められることがなかったら大人だって嫌になってしまいますよね。

子供を褒める時は、結果だけでなく過程も褒めてあげましょう。また、具体的な言葉で褒めると効果的です。「叱る」と「褒める」はセットということを心に留めておいてください。

 

4 これはNG!やってはいけない子供の叱り方

これはNG!やってはいけない子供の叱り方

やってはいけない子供の叱り方7つを、NGな理由も合わせて解説します。

  1. 人間性を否定する
  2. 兄妹や友達と比較する
  3. 過去の事例を持ち出す
  4. 人前で叱る
  5. 長くしつこく叱る
  6. 感情的になる
  7. しつけと称して手をあげる

 

4.1 人間性を否定する

子供の人間性や人格を否定してはいけません。「お前なんか…」「出て行け!」「顔も見たくない」などと突き放す言葉もだめです。子供の心に深い傷をつけることになります。

 

4.2 兄弟や友達と比較する

「お兄ちゃんは〇〇なのに…」「〇〇ちゃんは、もうあんなに進んでるのよ!」と親が比較するのはNG。ひがみやすい子になったり、たとえ兄妹だったとしても嫌いになったりしてしまう恐れもあります。

学校や社会に出れば比較されるのは当たり前ですが、家庭内では子供のありのままを受け入れる環境が欲しいですね。

 

4.3 過去の事例を持ち出す

子供が何か失敗をしてしまった時に、過去の失敗を思い出し再びとがめることには、なんの意味もありません。

もう過ぎてしまったことを掘り返されると、子供も嫌な気持ちになるだけ。叱るのはその時その場であり、過去の事例を持ち出すのは避けましょう。

 

4.4 人前で叱る

これはNG!やってはいけない子供の叱り方:人前で叱る

子供の頃、学校でみんなの前で先生に叱られて嫌な思いをしたり、先生が嫌いになったりした経験がある人もいるでしょう。

それと同じで、子供を人前で叱るのはNG行為。子供の自尊心も傷つけます。叱られた内容よりも、人前で叱られて嫌な思いをしたことが強く残る可能性もあるので、人前では叱らずに1対1で叱りましょう。

 

4.5 長くしつこく叱る

長くしつこく叱っていると、「叱る」より嫌味に聞こえることもあるでしょう。要点がまとまっていなければ、長く叱っても子供は親が伝えたいことも理解できず伝わりにくいです。完結に、シンプルに伝えることを心がけましょう。

 

4.6 感情的になる

親が感情的になって子供を叱るのは良くありません。強い感情をぶつけられると心の余裕がなくなり、叱られた内容を理解できなくなってしまいます。

感情的に怒られてばかりいると子供の脳は萎縮し自尊心も傷ついてしまう恐れがあります。感情的になりそうだと感じたら大きく深呼吸してみましょう。

 

4.7 しつけと称して手をあげる

しつけと称して子供に手をあげたり脅したりするのは、子供への虐待行為に当たります。子供は親をよく見ているもので、親が怒りを物にぶつけていたら「怒る時はこうすればいいんだ!」と親の真似をするでしょう。

学校で物に当たったり友達を叩いたり、将来自分の子供に手をあげるようになる可能性があります。

ただ、保護者もストレスを溜め込んでばかりいたらいつか爆発してしまうかもしれません。1人カラオケで大声で発散する、ランニングやヨガなどで体を動かしてリフレッシュするなど、自分なりのストレス解消法を見つけるのも大事です。

 

5 年齢別!子供の叱り方のポイント

年齢別!子供の叱り方のポイント

子供の叱り方は、子供の成長段階で異なります。年齢別に叱り方のポイントを解説します。

  • 0〜1歳
  • 2歳
  • 3歳
  • 4歳
  • 5〜6歳
  • 小学生

 

5.1 0〜1歳への上手な叱り方

0〜1歳の子供はまだ言語発達が未熟な時期。例えば、ママの髪の毛を引っ張ったら「痛い」「ダメ」など短く伝えましょう。「えーんえーんしちゃうよ」など擬音語や擬態語も伝わりやすいと言われています。

叱るよりも、親子のコミュニケーションやスキンシップを大事にしたい時期です。

 

5.2 2歳はよく話すようになる年頃、理由を添えて

この頃の子供は2語文・3語文を話すようになる時期。叱る時も2語文・3語文の短い言葉で伝えるようにしましょう。

自我が芽生え始めたイヤイヤ期にも当たり、パパママも大変な時です。子供の気持ちを受け止めてあげながら、根気よく伝えてあげてください。

この時期の子供の成長は目覚ましく、本人も一生懸命です。成長に伴い、親の言うことが徐々に理解できるようになるので、子供が安心して活動できるように見守ってあげましょう。

 

5.3 3歳頃には会話を大事にした叱り方を

3歳頃になると、言葉も発達し子供の世界もまた広がってきます。理解力や想像力もついてくるため、伝える時はイメージができるように具体例を出してあげましょう。

また、飛んだり跳ねたりとても活発に動く時期でもあります。「スーパーで走り回ったら迷子になってママとはぐれちゃうよ」「道路に飛び出したら車とぶつかっちゃうよ」など、ダメな理由をしっかり伝え子供から目を離さないようにしてください。

 

5.4 きつく叱ることも必要な4歳頃

年齢別!子供の叱り方のポイント:きつく叱ることも必要な4歳頃

この時期は人の気持ちを理解できるようになり、他人との関わりも増えてくる時期です。

まずは、子供の言い分や理由も聞き、受け止めてあげましょう。それから「〇〇ちゃんも悲しいと思うよ」「〇〇くんもされたら悲しいよね?」など人の気持ちを伝えることで、思いやりを育むことがことができます。

また、社会的ルールも理解できる年齢になるため、ルールを守る大切さも伝えていきましょう。

 

5.5 自分で考えられるようになる5〜6歳

5〜6歳になると善悪の判断ができるようになります。叱る時は、叱る理由を伝えるだけでなく「自分はどうすれば良かったのかな」と考えさせるのも、子供の成長や自立に向けて効果的です。

また、社会性も芽生え人間関係の構築もできるようになった時期。人前で叱られると「恥ずかしい」「酷い」など、マイナスな感情が強く残ることがあります。

子供の自尊心を傷つけないためにも、人前ではなく1対1で叱りましょう。

 

5.6 小学生は子供の気持ちも大事にしながら叱る

小学生になると善悪の判断もつき、さらにプライドや自我も強くなります。そのため幼児の様に注意するだけでは、無視されたり反抗されたりすることもあるでしょう。

叱る時は冷静に子供目線で叱り、叱られた理由を考え説明させる取り組みも大切です。また、叱ったことが改善されたら褒めてあげましょう。情緒も発達する小学生だからこそ日頃からコミュニケーションを大事にしたいですね。

 

6 間違ったことをしたら親も謝ろう

間違ったことをしたら親も謝ろう

パパママや祖父母、子供の保護者も「叱り過ぎた」「感情的になってしまった」と間違いを感じたら子供に素直に謝りましょう。

子供も叱られたことを受け止めるのに時間を要しますし、保護者も冷静になるのに時間がかかることもあります。

その場合は、数時間後や次の日でもいいので「さっきは言い過ぎてごめんね」などと伝えましょう。素直に伝えることが大切です。「ママも悪かったけど、あなたも悪いのよ」の様なトゲのある言い方は避けてください。

 

7 子供も親も失敗して成長する

子供も親も失敗して成長する

「感情的に怒るのは子供に悪影響」「叱らない子育て」など情報過多が多い現代。叱るべき場面で叱れない、叱る意味を履き違えている親も増えているという話も耳にします。親も子供も忙しいからこそ、叱り方に悩む親も多いのかもしれません。

一番大切なことは、子供に「愛情をもって」正しい道を教えることです。たとえ感情が先立って「叱る」と「怒る」を混同したり、失敗してしまったりしても、子供への愛情を強くもっていれば大丈夫です。

叱った後に必ず「〇〇ちゃんのことが、本当に大切なんだよ」と伝えてあげてください。

 

8 まとめ

これからも子供を叱らなければならない時はたくさんあるでしょう。「子供を叱る」とは「子供のために愛情を持って正しいことを教えること」だといえます。

経験の浅い子供たちが失敗するのは当たり前。そして、親になって数年のパパママが、子供に物事を上手く伝えられないのも当たり前です。

だからこそ、親の叱り方1つで子供も大きく成長します。ぜひ本記事を参考にし、親がいつでも愛情を持って子供を正しい方向へ導いてあげてください。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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