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子育てでやってはいけないことは?子どもの発達を妨げる言動や注意点を紹介

2022.12.06

育てる

子育て中のパパママの言動は、子どもの成長に大きく影響します。子育てに失敗してしまうと、子どもが自立できなかったり、アダルトチルドレン(家庭内でトラウマを負って大人になった子ども)になったりしてしまいます。

そのため、子育てでやってはいけないことを把握し、子育てに失敗しないことが重要です。
今回は、子育てを通して子どもに身に付く能力と、子どもの能力育成を阻害する言動について、気を付けるべきポイントも含めて紹介します。これから子育てを始める方や、子育て中の方はぜひ参考にしてください。

この記事はこんな方にオススメ

  • 子育てで身に付く子どもの能力が知りたい
  • 子どもの成長を妨げる言動が分からない
  • 子育てで失敗しないためにはどうすればいいか分からない

もくじ

1 子育ては子どもの能力を育てること

子育ては子どもの能力を育てること

子育てとは、子どもに必要な能力を育てることです。子どもが将来問題なく自立し社会生活を送れるように、知力・道徳心・体力を育むことが、子育ての目的です。

なお、子育てでは、知力・道徳心・体力の3つ全てを偏りなく育てる必要があります。いずれかに偏った子育てでは、子どもの人格形成や能力育成に歪みが現れてしまいます。

ただし、子育てを意識するあまり、子どもに対して過干渉になり過ぎないことも重要です。子どもの自立心や主体性を育てるためには、ある程度干渉を控える必要があります。

子育てでは、愛情をもって、かつ子どもの人格を尊重してコミュニケーションを取りましょう。

 

2 子育てでやってはいけないこと

子育てでやってはいけないこと

子育てにおいてやってはいけないことは、子どもの成長を妨げる言動です。子育ての目的は子どもの能力を育てることであり、パパママはその成長を阻害してはいけません。

子どもの成長を妨げる言動を繰り返してしまうと、自立に必要な能力や自身で考えて行動する能力が身に付かない可能性があります。

加えて、些細なことで𠮟ってしまったり、きつい言動をしてしまう場合、幼少期の経験がトラウマになり、子どもがアダルトチルドレンになってしまう可能性もあります。

なお、子どもはパパママの言動に影響を受け、真似をします。そのため、子どもの成長を妨げる言動に気を付けるだけでなく、子どものお手本になる言動をすることが重要です。

 

3 子育てで身に付く子どもの能力とは

子育てで身に付く子どもの能力とは

子育てで身に付く子どもの能力は、複数あります。生きるための基礎的な能力や、将来を豊かにする能力など、どれも子どもに欠かせない能力です。

 

3.1 生きるための基本能力-基本的生活習慣や家事スキル

基本的生活習慣や家事スキルは、子どもが生きるために最低限必要な能力です。

基本的生活習慣とは、食事・入浴・更衣など、人間が日常生活を営むために必要な習慣を指します。加えて、挨拶や約束、他人に迷惑をかけないことなどの社会的ルールも基本的生活習慣に含まれます。

その他、基本的な家事スキルも生きるために必要な基本能力です。ただし、家事スキルは基本的生活習慣と異なり、家庭環境によっては身に付きにくい能力です。

パパママが、家事に子どもが積極的に参加するよう誘導することが重要とされています。

 

3.2 子どもの人生を豊かにする能力-非認知能力

非認知能力は、社会生活や仕事において必要とされ、日常生活の中で育つ能力です。主な非認知能力は以下の通りです。

非認知能力の例 非認知能力を構成する要素
問題解決能力 観察力、応用力、楽観性、失敗から学ぶ力
メタ認知(自己認識) 客観的思考力、判断力、行動力、自身を信じる力、自己肯定感
意欲 積極性、集中力
忍耐力 ねばり強く頑張る力、耐える力
自制心 激情や誘惑に耐える力、理性
コミュニケーション能力 他者を理解し共感する力、リーダーシップ、協調性
クリエイティビティ 創造力、工夫力
主体性 積極性、やり遂げる力

非認知能力は、その性質上数値に現れにくい能力であり、育成が難しい能力です。特に、子どもの非認知能力の育成は、パパママ側の能力も必要とされます。

 

3.3 身体を動かす能力-体力や運動能力

子育てで身に付く子どもの能力とは:身体を動かす能力-体力や運動能力

体力や運動能力は、子どもの健康に大きく影響する能力です。身体能力や運動神経は、子どもが大人になる過程で成熟します。

特に、幼少期の経験が大人の身体能力や運動神経に大きく影響し、バランス感覚や重心移動の得手不得手を決定づけているとされています。

なお、バランス感覚や重心移動は、高齢期の健康にも重要な能力です。高齢期の転倒による怪我のリスクを軽減します。

 

3.4 ものを考える能力-認知能力

認知能力は、進学や就職など子どもの将来に関わる重要な能力です。認知能力は数値に現れやすい能力で知識や計算力などを指します。

認知能力は、主に学校教育で身に付きます。ただし、子どもによって学習速度は異なるため、学校教育では不十分な部分を家庭内学習などで補うことが重要です。

特に、幼少期の学習習慣は、中学生や高校生になっても影響します。幼少期における家庭内のサポートが重要です。

 

4 子どもの能力育成を妨げる言動とは

子どもの能力育成を妨げる言動とは

パパママに悪意がなくても、無意識のうちに子育てでやってはいけないことをしている可能性があります。子どもの能力育成を妨げる言動の特徴を理解して生活することが重要です。

 

4.1 手伝いをさせない-家事スキルが育たない

「自身で進めた方が効率が良い」「家事を頼むより勉強をしてほしい」などの理由から、料理や洗濯を子どもに手伝わせない家庭では、子どもの家事スキルが育ちません。

料理や洗濯は、子どもが自立する上でとても重要な家事スキルです。そのため、幼少期から少しずつ家事スキルを学ぶことが重要です。

最初は簡単な家事から子どもに手伝ってもらい、少しずつ複雑な作業をお願いしましょう。

 

4.2 子どもの着替えや入浴を手伝う-基本的生活習慣が身に付かない

「朝は忙しいため、つい手伝ってしまう」「親子の触れ合いとして、入浴や着替えの手伝いをしている」など着替えや入浴を日常的に手伝ってしまうと子どもに基本的生活習慣が身に付きません。

基本的生活習慣は、子どもが自立するために重要な能力です。子どもをパパママに依存させないためにも、着替えや入浴は手伝わず見守るようにしましょう。

 

4.3 理由を伝えずに物事を否定する-主体性や対応力が育たない

「説明する時間がもったいない」「理由を伝えても納得してもらえないと思う」など、理由を伝えずに物事を否定すると、子どもの主体性や対応力が育ちません。

否定された理由に納得できないため、子どもがパパママの見守りがない場所で、危険行為やマナー違反を行う可能性もあります。

説明を省かず、丁寧に子供とコミュニケーションを取ることが重要です。

 

4.4 選択肢を与えずに物事を強制する-問題解決力や創造性が育たない

子どもの能力育成を妨げる言動とは:選択肢を与えずに物事を強制する-問題解決力や創造性が育たない

子どもの意思を聞かずに物事を決めてしまうと、問題解決力や創造性が育ちません。加えて、選択肢を与えないため子どもの主体性や積極性が身に付かず、将来的にマニュアル的な行動しか取れない大人になりかねません。

子どもに物事を強制するのではなく、交換条件や報酬を設定して、積極的に物事に取り組んでもらうことが重要です。

 

4.5 上手くできないとやめさせる-忍耐力や対応力が育たない

「やめさせた方が子どものためになる」「時間の無駄なのでやめさせる」など、子どもが取り組んでいることに見切りをつけてやめさせてしまうと、忍耐力や対応力が育ちません。

また、次第に子どもは失敗に対して過剰に恐怖するようになり、向上心や主体性を失ってしまいます。

忍耐力や対応力は、ある程度失敗を繰り返しながら養われる能力です。子どもが上手く物事をできなくても、パパママは焦らずに見守ることが重要です。

 

4.6 子どものわがままを容認する-思いやりや協調性が育たない

子どものわがままを全て容認している場合、思いやりや協調性が育ちません。子どもに我慢を覚えさないとわがままがさらにエスカレートし、何に対しても満足感を覚えず、常に不満を抱くようになります。

わがままは子どもの人格形成にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。

そのため、子どものわがままは、その必要性や正当性をきちんと判断した上で受け入れましょう。また、わがままを受け入れてもらった場合、必ず感謝するよう子どもに教えることも重要です。

 

4.7 親子の会話が少ない-社交性やコミュニケーション能力が育たない

親子の会話が少ない場合、子どものコミュニケーション能力が育ちません。コミュニケーション能力は、社会生活を送る上で必要不可欠な能力であり、不足していると就職や進学にも影響します。

また、親子の会話は信頼関係に直結する重要なコミュニケーションです。そのため、親子の会話が少ないと、子どもが悩みや不安を抱えていた場合に、一人で抱え込み相談してもらえない可能性があります。

親子で会話する時間をきちんと確保し、些細なことでも親子間で共有することが重要です。

 

4.8 よその子と比較する-意欲や主体性が育たない

子どもの能力育成を妨げる言動とは:よその子と比較する-意欲や主体性が育たない

「よその子はできるのに、なぜできないの?」「よその子を見習ってほしい」など、学力や生活習慣をよその子と比較する言動は、子どもの意欲や主体性を奪ってしまいます。

また、兄弟姉妹同士の比較も同様に、子どもの意欲や主体性を奪ってしまうため注意が必要です。

パパママの比較癖が悪化すると、子どもは次第にネガティブ思考が日常的になってしまい、意欲や自己肯定感が失われてしまいます。パパママはよその家庭を気にせず焦らないことが重要です。

 

4.9 子どもと身体を動かして遊ばない-体力や運動能力が育たない

近年は、コロナ禍や情報化の影響から、外遊びをする子どもが減少しています。幼少期の運動経験は、大人になってからの体力や運動能力に影響します。

パパママは、「子どもの体力に追いつけない」「仕事や家事で時間を割けない」などを理由に外遊びに消極的にならないことが重要です。パパママが積極的に子どもを外遊びに誘い、運動習慣を身に付けさせましょう。

 

4.10 学校の成績に対して無関心-学力が身に付かない

子どもに自己管理能力や向上心がない場合、自己責任では学力が身に付きません。そのため、「家事や仕事で忙しい」「自己責任にした方が身になる」という考えから、学業成績に対して無関心や無干渉でいると、子どもに学習習慣が身に付かない可能性があります。

特に、小学生低学年頃の学習習慣は、中高生になってからも影響します。そのため、学業成績について、普段からこまめに子どもと話し合うことが重要です。

パパママから褒められたりアドバイスを受けたりする経験が、子どものモチベーションにつながり、学習習慣の形成に役立ちます。

 

5 子どもの能力育成を妨げないように気を付けるべき点

子どもの能力育成を妨げないように気を付けるべき点

子どもの成長を妨げないためには、子どもの意思を尊重し親子間のコミュニケーションを絶やさないことです。以下の注意点を確認し、子育てで失敗しないようにしましょう。

 

5.1 親子で家族内ルールを決める

子育てで失敗しないためには、親子で家族会議を行うことが重要です。家族会議では、家事分担・家庭内学習・運動や健康・パパママが子どもを𠮟る基準などについて話し合い、家族内ルールを決めましょう。

また、子ども側からパパママにお願いしたいことなども共有することで、親子がお互いを尊重した家族内ルールを決められます。

 

5.2 子どもに日々のスケジュールを決めさせる

子どもに、日々のスケジュールを自身で決め実行してもらいましょう。自身でスケジュールを管理することで、計画を実行する能力や主体性が育ちます。

最初はカレンダーやホワイトボードを使っての直近の予定管理からはじめ、年齢が上がったらスケジュール帳やモバイルアプリを活用しても良いでしょう。

スケジュール管理で失敗しても、子どもからアドバイスを求められない限り、口出しは避けましょう。パパママが口出しをしてしまうと、子どもに主体性や失敗から学ぶ力が身に付きません。

 

5.3 子どもの行動を見守る

子どもの能力育成を妨げないように気を付けるべき点:子どもの行動を見守る

すぐに口出ししたり、答えを教え手伝ったりせず、子どもの成長を見守ることが重要です。パパママが子どもの行動にすぐ介入すると、試行錯誤したり失敗から学んだりする機会が失われます。

ただし行動に危険がある場合は介入してください。介入したら、後できちんと理由を説明することも重要です。

 

5.4 子どもを尊重して『命令』せずに『お願い』する

子どもの意思を無視して命令しないようにしましょう。

命令は、子どもの主体性や対応力を奪います。加えて、子どもは自身の意思を無視されるため、ストレスが溜まります。

命令ではなく、きちんと理由を伝えたうえでお願いすることが重要です。

 

5.5 失敗したら振り返りをさせる

失敗は、次回以降に同じ間違いをしないことが重要です。そのため、子どもが失敗をした際は、𠮟って反省させてはいけません

子どもは𠮟られると思考停止してしまい、失敗した物事自体を回避する方向へ考えてしまいます。結果、失敗を次回以降に活かせず、同じことを繰り返すかもしれません。

子どもが失敗をした際は、𠮟るのではなく客観的に何が悪かったかを分析させましょう。子どもと共に、失敗を乗り越える方法を探すことが重要です。

 

6 まとめ

今回は、子育てでやってはいけない言動や、成長を阻害しない注意点などを紹介しました。

子どもの将来に大きな影響を与える子育てでは、子どもの成長を阻害する言動に注意する必要があります。また、子どもの意思を尊重し親子間のコミュニケーションを絶やさないことも重要です。

今回紹介した注意点と、してはいけない言動を確認し、子育てで失敗しないようにしましょう。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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