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認定こども園と幼稚園・保育園はどう違う?特徴や入園までの手続き方法をわかりやすく解説

2023.01.27

育てる

「子どもを認定こども園に通わせたいと考えているが、どのような施設なのかがよくわかっていない」
「認定こども園と幼稚園・保育園の違いを知りたい」

こういった考えを持っているパパ・ママも多くいるでしょう。認定こども園にはいくつかの種類があり、家庭の状況に応じて適切な園を選ぶことが可能です。

この記事では、認定こども園の概要や利用手続きについてご紹介します。認定こども園を選ぶメリットやデメリットについてもご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。

この記事はこんな方にオススメ

  • 認定こども園がどんなものか知りたい人
  • 幼稚園・保育園との違いを知りたい人
  • どんな幼児教育があるのかなどをわかりやすく説明しているサイトを探している人

1 認定こども園とは

認定こども園とは

認定こども園とは、幼稚園と保育園の双方の特徴を持った施設のことです。幼稚園の特徴である「教育」、保育園の特徴である「保育」を包括的に行うことによって、家庭におけるさまざまなニーズを満たしています。

対象は0歳から就学前の子供であり、保護者が働いている・いないに関わらず利用可能。この点も大きなメリットと言えるでしょう。

認定こども園が実際に日本で登場したのは2006年のこと。幼稚園と保育園の機能を併せ持った認定こども園が生まれたことで、当時から問題となっていた「待機児童」について一定のアプローチができるようになりました。

具体的には、都道府県が条例で定める認定基準を満たしたうえで、下記の要件を満たした施設が「認定こども園」として認められます。

  • 教育基本法の学校の定義に基づき、幼児期の学校教育を行う
  • 児童福祉法等に従い、保育の必要な子供の保育を行う
  • 地域の事情や保護者の要請により、必要な子育て支援事業を行う

年々認定こども園の数は増えており、現在では8,000園以上が日本全国にあるとの調査がなされています。

 

2 認定こども園の種類

認定こども園の種類

認定こども園の種類は、下記の4つです。

  • 幼保連携型
  • 幼稚園型
  • 保育所型
  • 地方裁量型

ここからは、それぞれの特徴を確認していきましょう。

 

2.1 幼保連携型

幼保連携型は、幼稚園的機能と保育所的機能の双方を併せ持った認定こども園です。認定こども園の中で最も多い種類であり、その数は日本国内全体で5,000園以上であると言われています。

保育園としての特性も持っているため、0歳から通うことが可能です。

 

2.2 幼稚園型

幼稚園型は、どちらかというと幼稚園的な特性を持った認定こども園です。幼稚園としての認可を取得したうえで、保育園の機能を追加している点が大きな特徴と言えるでしょう。保育園の機能を取り入れたことによって、幼稚園でありながら3歳未満の子供を受け入れることが可能となりました。

 

2.3 保育所型

保育所型は、保育園の認可を持つ施設が幼稚園としての機能を追加した施設です。「幼稚園型」とは逆のタイプと捉えるとわかりやすいでしょう。

従来、保育園はその名の通り「保育」に特化しており、教育にはあまり力を入れてきませんでした。保育所型はその点をカバーしており、保育園でありながらも小学校入学を意識した「学び」に力を入れています。

 

2.4 地方裁量型

地方裁量型とは、幼稚園・保育園の認可を持たない施設が「認定こども園」として地方自治体の認定を受けた施設のことです。具体的な例としては、認可外保育園が待機児童解消を目的として認定こども園の機能を取り入れた施設が挙げられます。

 

3 認定こども園の認定基準

認定こども園の認定基準

認定こども園は、内閣総理大臣・文部科学大臣・厚生労働大臣が定める「国の指針」をベースとして各都道府県が条例によって認定基準を定めています。主な認定基準は下記のとおりです。

  • 職員配置
  • 職員資格

一つひとつの基準を簡単に確認していきましょう。

 

3.1 職員配置

職員配置の基準目安は下記のとおりです。

【保育に従事するもの】

  • 満1歳に満たない子供おおむね3人につき1人以上
  • 満1歳以上満3歳に満たない子供おおむね6人につき1人以上
  • 満3歳以上の子供のうち幼稚園と同様に1日に4時間程度利用するもの(短時間利用児)おおむね35人につき1人以上
    など

【学級担任】

  • 満3歳以上の子供について学級を編成する場合は、各学級ごとに少なくとも1人の学級担任を置く
    ※1学級の子供の数は35人以下が原則

 

3.2 職員資格

職員資格の基準目安は下記のとおりです。

  • 満3歳未満の子供の保育に従事する職員は、保育士であることが必要
  • 満3歳以上の子供の保育に従事する職員は、幼稚園の教員の免許状を有する者又は保育士であることが必要
  • 満3歳以上の子供の共通利用時間の保育に従事する職員は、原則、幼稚園の教員の免許状を有する者であることが必要
  • 満3歳児以上の子供の長時間利用間の保育に従事する職員は、原則、保育士であることが必要
【POINT】
職員配置や職員資格以外にも、教育・保育の内容や園舎の面積などに関する数値が認定基準には設けられています。

 

4 認定こども園の利用手続き

認定こども園の利用手続き

認定こども園の利用手続きは、子供が1号・2号・3号、どの認定を受けているかによって変わります。子供の認定基準は下記のとおりです。

【1号認定】

  • 3歳以上の教育を希望する子供

【2号認定】

  • 満3歳以上で保護者の就労や疾病などの理由により保育を必要とする子供

【3号認定】

  • 満3歳以上で共働き世帯や親族の介護などの事情で家庭で保育ができない保護者を持つ子供

利用可能な保育時間は認定区分によって変わります。1号は4時間、2号・3号は11時間または8時間です。地方自治体によって設定している条件は変わるため、あらかじめ各市町村のホームページを確認するようにしましょう。

ここからは、認定別に認定こども園利用手続きの流れを紹介していきます。

 

4.1 1号認定の場合

1号認定の場合は、下記の流れで利用手続きを進めていきます。

  1. 認定こども園に直接申し込み
  2. 園から入園の内定を受ける(定員超過の場合、選考実施の可能性あり)
  3. 園を通じて市町村に認定を申請
  4. 園を通じて市町村から認定証が交付
  5. 園と契約を結ぶ

 

4.2 2号・3号認定の場合

2号・3号認定の場合は、下記の流れで利用手続きを進めていきます。

  1. 市町村に認定を申請
  2. 市町村が「保育の必要性」を認めた場合、認定証が交付
  3. 市町村に認定こども園の利用申し込み
  4. 市町村が利用調整(申請者の希望、園の状況、保育の必要性を考慮)
  5. 利用先決定後、園と契約を結ぶ

 

5 認定こども園の保育料

認定こども園の保育料

認定こども園の保育料は、国が定める上限額の範囲内で地方自治体が設定します。国が定める上限金額(月額)は下記のとおりです。

  • 1号認定:~25,700円
  • 2号認定:~101,000円
  • 3号認定:~104,000円

具体的な保育料は、認定区分や子供の年齢、世帯収入などによって決定されます。補助金を設けている地方自治体もあるため、気になるパパ・ママは問い合わせしてみることをおすすめします。

 

6 認定こども園と幼稚園・保育園の違い

認定こども園と幼稚園・保育園の違い

認定こども園と幼稚園・保育園の違いを、下記の表にまとめました。

  認定こども園 幼稚園 保育園
根拠法令 就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 学校教育法 児童福祉法
入園条件 幼稚園型:幼児教育希望者
保育所型:保護者が仕事や病気などの理由により保育の必要がある場合
幼児教育希望者 保護者が仕事や病気などの理由により保育の必要がある場合
管轄省庁 内閣府 文部科学省 厚生労働省
施設の位置づけ 園によって異なる 教育施設 児童福祉施設
教育・保育内容の基準 保育所保育指針に基づく保育と幼稚園教育要領に基づく教育 幼稚園教育要領に基づく 保育所保育指針に基づく
対象年齢 0歳〜就学前 3歳〜就学前 0歳〜就学前
認定区分 1・2・3号認定 制限なし 2・3号認定
保育時間の目安 4~11時間 4時間 8~11時間
保育料 世帯収入などに応じて自治体が定めた金額 園によって異なる 世帯収入などに応じて自治体が定めた金額
保育者の資格 ・保育教諭
・保育士
・幼稚園教諭
幼稚園教諭 保育士
給食の有無 義務 義務 義務

認定こども園・幼稚園・保育園は、管轄する省庁から対象としている子供にいたるまで、あらゆる点が異なります。それぞれの施設の違いを十分に理解し、家庭の経済状況などを鑑みたうえでどの施設に子供を入れるのかを決めていきましょう。

 

7 認定こども園を選ぶメリット

認定こども園を選ぶメリット

ここからは、認定こども園を選ぶメリットを5点解説していきます。

 

7.1 幅広い層の子供と交流できる

認定こども園を選ぶメリットは、幅広い層の子供と交流できる点にあります。各認定こども園で方針が異なりますが、その多くは「縦割り保育」を採用しています。これにより、さまざまな子供が入園してくるため、交流の幅が変わってくるのです。

より多くの友だちと関わることによって、子供は多様な価値観に触れていくことになります。そのことから得る経験や刺激は、きっと子供の成長にいい影響をもたらすでしょう。また、4歳や5歳になれば、兄弟姉妹がいなくても「年齢が下の子供の面倒をみる」といった経験も積めます。

 

7.2 教育と保育を同時に受けられる

認定こども園は、幼稚園の特徴である「教育」と保育園の特徴である「保育」をどちらも大事にしている施設です。教育と保育を同時に受けられる点は、認定こども園ならではのメリットと言えるでしょう。

近年は教育に積極的な保育園も増えてきていますが、認定こども園ではさらに専門的な学びを受けられます。小学校入学前に勉強の習慣を子供に身につけさせたいと考えているパパ・ママは認定こども園への入園を検討してみてはいかがでしょうか。

 

7.3 子育ての支援をしてくれる

パパ・ママに対して子育て支援を行ってくれる点は、認定こども園が持つメリットの一つです。認定こども園が行う支援としては、下記が挙げられます。

  • 地域の子供及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設
    →当該の場所において保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他必要な援助を行う
  • 地域の家庭において、保護者からの相談に応じる
    →必要な情報の提供及び助言その他必要な援助を行う
  • 一時預かり事業を展開
    →保護者の病気などが理由で家庭での保育が一時的に困難となった地域の子供の保護

何か困ったときに頼れる場所として、認定こども園は地域において大きな役割を果たしているのです。

 

7.4 転園の必要がない

認定こども園のメリットとしては、転園の必要がない点も挙げられるでしょう。幼稚園と保育園は、パパやママがどう働いているかによってどの園を選ぶか決めなくてはいけません。

さらに、仕事を辞めた場合には、その段階で2号・3号認定を取得していても状況によっては1号認定を取得し直す必要があります。これにより、保育園から幼稚園に転園せざるを得ない可能性も出てくるのです。

しかし、認定こども園に通っていれば、パパ・ママの仕事の状況によって園を変える必要がありません。子供の負担を避ける意味合いからも、この点は大きなメリットです。

 

7.5 給食が用意されている

園によって方針は異なりますが、認定こども園は給食が用意されているケースが多くみられます。家庭によってはお弁当を用意するのが難しい状況がありますが、給食を用意している認定こども園であれば、その心配をする必要はありません。

【POINT】
給食が用意されているかは、認定こども園によって変わってきます。あらかじめ確認をしておきましょう。

 

8 認定こども園を選ぶデメリット

認定こども園を選ぶデメリット

ここからは、認定こども園を選ぶデメリットを4点解説していきます。

 

8.1 入園に優先順位がある

入園に優先順位が設けられている点は、認定こども園を選ぶデメリットです。

認定こども園の申し込み方法は、認定区分によって変わってきます。2号・3号認定の場合には、保育園への入園と同様に地方自治体に入園希望を出さなければいけません。これはあくまでも「希望」であるため、パパやママの期待に必ず沿う結果が得られない可能性があるのです。

申し込みが多い場合には、必要性が高い家庭の入園が優先されます。優先順位は自治体によって規定が異なるため、あらかじめどのような家庭が優先されるのかの情報を集めておきましょう。

 

8.2 平日にイベントが開催される可能性がある

認定こども園を選ぶデメリットとしては、平日にイベントが開催される可能性がある点が挙げられます。幼稚園型の認定こども園の場合には、運動会などの大切なイベントが平日に行われることがあります。

日々の仕事などで忙しいパパ・ママは、有給を取りにくいケースなども出てくるでしょう。子供との思い出を残すためにイベントは非常に重要ですが、参加のためのスケジュール調整が負担となるかもしれません。

 

8.3 保護者間の交流が少ない

もし育児で困ったことなどが出てきたときに、仲がいい保護者の友だちがいれば話すことで気持ちが楽になることもあるでしょう。しかし保育所型の認定こども園の場合、保護者間の交流が少ない可能性があります。

送り迎えの時間がバラバラである場合は、保護者が顔を合わせる機会も必然的に少なくなるため、情報交換などもしにくくなるでしょう。

 

8.4 保育料以外の費用がかかる場合がある

認定こども園の種類によっては、保育料以外の費用が発生するケースもあります。幼稚園型で教育に力を入れている場合には、教材費などが上乗せでかかることもあるでしょう。

そのほか、施設維持費やイベント費などが発生することもあります。具体的な費用は、認定こども園によって変わってきます。保育料以外にどのお金がかかるのかについても、あらかじめ認定こども園に確認をしておきましょう。

 

9 認定こども園が向いている家庭の特徴

認定こども園が向いている家庭の特徴

ここからは、認定こども園が向いている家庭の特徴を3つ解説します。

 

9.1 預け先が決まってから仕事を探したい

子供を預ける施設を決め、安心してから仕事を探したいと考えているパパ・ママに認定こども園は向いています。

認定こども園は、家庭の事情などに応じてどの種類の園に通うかを認定基準によって選べます。そのため、園の種類によっては預け先を決めてからゆっくりと仕事を探すこともできるでしょう。

さらに、園が家から近いかどうかも重要な選定基準です。忙しい朝に子供を園に送っていく際には、なるべく通いやすい園を選びたくなるでしょう。家庭の状況を鑑みながら預け先を選びたい方に認定こども園はおすすめです。

 

9.2 子供にしっかりと教育を受けさせたい

幼稚園までとはいかずとも、ある程度子供にしっかりとした教育を受けさせたいと考えている家庭に認定こども園は向いています。幼保連携型や幼稚園型の場合、それぞれの園ごとに教育に関わる方針や学びの体系は異なる傾向です。どのような教育を行っているかで認定こども園を選ぶのも一つの方法でしょう。

未就学児のときに勉強する習慣を身につけておけば、小学校に入学してからの勉強が比較的スムーズに進んでいきます。小学校との連携を図り、小学生との交流機会を持っている認定こども園もあるため、詳しく方針を調べてみてもいいかもしれません。

 

9.3 専門家からの支援を受けながら子育てを進めたい

認定こども園は単に子供を預かるだけではなく、子育ての支援を包括的に行っている施設でもあります。そのため、専門家からの支援を受けつつ子育てを進めていきたいと考えているパパ・ママに認定こども園はおすすめです。

地域によって展開している支援は異なりますが、子育てに関わる相談受付や情報提供の場の創出、各種イベント開催などを行っている自治体は数多くあります。利用料金は無料であることも多いため、ぜひ積極的に利用してみてはいかがでしょうか。

 

10 まとめ

認定こども園と幼稚園・保育園はどう違う?特徴や入園までの手続き方法をわかりやすく解説まとめ

この記事では、認定こども園の概要や利用手続き、認定こども園を選ぶメリット・デメリットなどについてご紹介しました。

家庭の状況によって、子供をどこに通わせるかは非常に重要な選択となります。認定こども園と幼稚園・保育園の違いや通うメリットなどを十分に理解したうえで、家族でどこに子供を通わせるのかを話し合っていきましょう。

ぜひこの記事を参考にして、家庭にとって最もふさわしい園を選んでみてください。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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