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妊娠中にお腹が冷えても大丈夫?ママも赤ちゃんも嬉しい冷え対策を紹介
2023.04.04
妊娠中に気になるのが、お腹が冷えること。
「お腹が冷えてつらい」「赤ちゃんへの影響が気になる」と悩んでいるママは多いのではないでしょうか。
本記事では、妊娠中にお腹が冷えやすい理由や、冷えがママと赤ちゃんに与える影響について解説しています。
妊娠中でも取り組める体温の上げ方など、具体的な冷え対策についても紹介しているので、妊娠中のお腹の冷えが気になっている方はぜひ参考にしてください。
この記事はこんな方にオススメ
- お腹の冷えが赤ちゃんに影響するのか気になる
- なぜお腹が冷えるのか知りたい
- 体温を上げたり、お腹を温めたりする方法を知りたい
もくじ
1 妊娠中の冷えが胎児に与える影響
妊娠中の冷えは、赤ちゃんにはどのような影響を与えるのでしょうか。
冷えには一時的な冷えと慢性的な冷えの2種類があります。順番に確認していきましょう。
1.1 ほとんどの場合は問題ない
妊娠中の一時的なお腹の冷えは、ほとんどの場合赤ちゃんに大きな影響を与えることはありません。
一時的な冷えとは、薄着や冷たいものの食べ過ぎなどで体が寒く感じられるなどの場合を指します。
もともとお腹は、平熱でも34度程度が一般的な部位です。ふだん私たちが体温を測るときに使う脇などの部位よりも3度程度は低いもの。
触ってみて冷たく感じられたとしても、そこまで心配する必要はないといえるでしょう。
冷えそのものには問題がなかったとしても、冷えてしまったかもと不安に思ったり、ストレスに思ったりするのは落ち着きませんよね。
不安であれば病院に連絡して、赤ちゃんの様子をみてもらうことも検討しましょう。
1.2 問題がある冷えは?
一時的な冷えでは問題がなかったとしても、慢性的な冷え性や低体温には注意が必要です。
冷え性は「室温が十分に暖かいのにもかかわらず、特に手足が冷えていてつらい状態」を指すことが多く、ママのストレスにつながりやすいのが特徴です。
さらに低体温は、妊娠初期のつわりの悪化や、切迫早産、早産、微弱陣痛などを引き起こすとも考えられているため、不安であれば医師に相談してみましょう。
低体温に明確な定義はありませんが、一般的には、平熱が35.5度未満の状態が続くと低体温とされます。
2 妊娠中の冷えがママに与える影響
赤ちゃんにはほとんど影響がないとされるお腹の冷え。一方、母体にはどのような影響を与えるのでしょうか。
2.1 免疫力の低下
大きな問題として挙げられるのが、免疫力の低下です。
体温が低くなることは、全身への血のめぐりが悪くなることを意味します。
血の中には、免疫機能をつかさどる白血球が存在します。白血球が体の隅々まで十分にいきわたらなくなることで、免疫力が低下してしまうのです。
結果的に病気にかかりやすくなり、胎児に影響が出てしまうことも考えられます。
2.2 脚のむくみ
冷えて体内の水分循環が悪くなった結果、脚などにむくみが起こることもあります。
体がむくむと、その分だけ皮膚が伸びるため、傷がつきやすくなるなどのトラブルが発生してしまいます。
また、皮膚が常に突っ張った状態になると酸素不足を起こしてしまうため、皮膚の免疫力が低下することもあります。
2.3 足がつる
足のつりは、妊婦さんに起こりがちなマイナートラブルとしてよく挙げられます。冷えによって足のつりが頻繁になってしまうこともあるので、注意が必要です。
筋肉は、伸縮のバランスが大きく崩れ、戻らなかったときにつってしまいます。
冷えは血行不良や筋肉の異常な緊張を招くため、つりを引き起こしてしまうのです。
足がつる原因にはさまざまなものがあります。妊婦さんが冷え以外で注意したいのが、水分不足によるものです。
妊娠中の母体は、赤ちゃんに栄養を送るため、新陳代謝が活発になるものです。この結果、妊娠前よりも汗をかきやすいなど、水分不足になりやすい条件が整ってしまうため、水分不足には十分に注意しましょう。
2.4 腰痛
ある調査では、8割近くの妊婦は腰痛を経験することが分かっていますが、腰痛は冷えで悪化することもあります。
これは、冷えて血流が滞ることで、筋肉に血が巡りづらくなることが要因。筋肉が伸びづらい状態が続くので、痛みが発生するのです。
特に、お風呂やカイロの使用などで温めると楽になる腰痛の場合は、冷えが原因であることも大いに考えられます。
2.5 便秘や下痢
お腹が冷えることによって、便秘を引き起こしたり、逆に下痢になってしまったりすることもあります。
冷えによって便秘になるのは、腸の血流や動きが悪くなるため。
一方下痢は、冷えることで胃の動きが悪くなり、食べ物を消化吸収する力が弱まることによって引き起こされます。
3 妊娠中に冷えやすい理由
妊娠中は、妊娠していないときよりも冷えやすいといわれています。その理由について詳しく解説します。
3.1 ストレスがたまりやすい
妊娠中は睡眠不足や体調不良、ホルモンバランスの急激な変化によって、妊娠していないときよりもストレスがたまりやすい時期です。
ストレスがたまることで乱れてしまうのが、自律神経の働き。自律神経は、血圧や呼吸など、私たちが普段意識せずにコントロールしている行動をつかさどる神経です。
自律神経が乱れることによって血流のバランスが崩れ、冷えが促進されてしまうのです。
3.2 血行不良
子宮が大きくなることで、下半身にある大きな血管が常に圧迫された状態になることも、冷えを招く大きな原因です。
特に下大静脈と呼ばれる、下半身からの血液を集めて心臓に送る静脈が圧迫されることで、骨盤内の血液循環が悪化し、下半身の体温が低下しやすくなってしまうのです。
3.3 運動不足
運動不足で血液循環が悪くなることも、冷えを招く一つの要因です。
妊娠中は、つわりや体調不良、また運動制限などが重なり、妊娠前と同じように運動できる状態にはない方がほとんどではないでしょうか。
運動不足によって筋肉量が落ちると、体内で熱を生産できず、冷えにつながることも分かっています。
ある調査では、運動習慣を持つ妊婦は初産の場合68.2パーセント、経産婦の場合は38.5パーセント。経産婦の方は特に、運動習慣が少ないと分かります。
3.4 妊娠による貧血
貧血でも冷えは発生します。
妊娠中、ママの体は赤ちゃんに鉄分を優先的に与えてしまいます。この結果、ママの側は貧血になってしまうこともあります。
鉄分は、身体中に酸素を運ぶための成分です。体に酸素が十分に供給されないことで、体はエネルギー不足の状態に。
熱を十分に生み出せず、血液循環が悪くなってしまうことで、冷えが発生するのです。
4 冷えがつらいときの相談先は?
いくら赤ちゃんに影響が少ないとはいえ、冷えはママの体や心にさまざまなトラブルを引き起こすつらい症状です。我慢を重ねず、気軽に専門家に相談してみましょう。
ここでは、冷えがつらいときの相談先について解説します。
4.1 まずは担当の産婦人科医に相談
まずは、お産を担当する産婦人科医に相談してみましょう。
貧血やストレスなどが原因で冷えが起こっている場合、薬を処方してもらえるケースもあります。
また、甲状腺機能低下症や感染、貧血、パニック発作などの病気でも、体温の低下は起こります。この場合、早めに対策を打つためにもすぐに相談する必要があります。
冷えに限らず、妊娠中の体調不良には、思わぬ症状が隠れている可能性もあります。気になったタイミングで積極的に、専門家へ相談することをおすすめします。
4.2 漢方を処方してもらえる場合も
病院によっては、冷えに効果のある漢方薬を処方してもらえることもあります。
妊娠中に使える漢方薬は、薬と違い、妊娠経過や胎児へ影響を及ぼすことがほとんどないという特徴があります。
体質に合えば大きな効果が期待できるため、ぜひ活用しましょう。
妊娠中は、不安やストレスを減らすことが重要です。
相談できることは専門家に相談し、リラックスしたマタニティライフを送りましょう。
5 妊娠中の冷え対策5選
ここからは、妊娠中に冷えを防ぐための対策方法について、5つ紹介します。気軽に実践できるものばかりなので、ぜひチャレンジしてください。
5.1 服装を変える
まずは、服装を変えることを検討してみましょう。
ワンピースやスウェットなどのゆったりした服を着ると、体を締めつけて血流を悪くすることを防げます。
靴下やスリッパ、カイロや腹巻きなどの体を外側から温めるアイテムを利用することも検討しましょう。
5.2 室温をチェックする
冬場はエアコンやヒーターなどを活用し、寒すぎない環境を作ることを意識しましょう。
逆に夏場は、エアコンが効いた室内で長時間過ごすことで予想以上に体が冷えてしまうケースもあります。
夏場のエアコンの設定温度は25度前後を目安に、暑すぎず寒すぎない室温を維持しましょう。
5.3 軽い運動をする
運動不足は、冷えを引き起こす大きな要因の一つです。
安定期以降で医師の許可がある場合は日常的に運動を心がけ、血行不良を防ぎましょう。
ただし過度な運動は母体の筋肉への酸素供給が優先され、赤ちゃんの酸素が足りなくなってしまうリスクがあります。また、お腹の張りが強くなりすぎてしまうことも問題です。
このため、妊娠中の運動は心拍数150bpm以下をキープできる「ややきつい」程度の有酸素運動をおすすめします。
マタニティヨガやスイミング、ウォーキング、ストレッチなどがよいでしょう。
負荷の少ない運動であっても、運動後に胎動が減少している場合は赤ちゃんに負荷がかかっていることが予想されます。妊娠中期以降は、運動終了後の30分間で、1~2回以上胎動を感じられるかどうかをセルフチェックしましょう。
5.4 体を冷やさない食事を心がける
食べもので体を冷やさないことも重要です。飲み物は常温かあたたかいものにし、急激な体の冷えを防ぎましょう。
中国の伝統医学である薬膳では「熱性・温性」の食べ物をとると体が温まる、という考え方があります。
熱性・温性の食べ物には、根菜や発酵食品などが該当します。ショウガやシナモン、納豆、クルミ、カボチャ、レンコンなどの食材を積極的に摂取しましょう。
5.5 お風呂に入る
お風呂に入ると、一時的な体の冷えが解消されます。ある調査では、特に妊娠後期はお風呂に入ることでむしろ妊娠中のトラブルが発生しづらくなるという結果も出ているほど。
38度~41度くらいのお湯に10分程度つかり、リラックスできる時間を作りましょう。脱水症状を防ぐため水分補給は忘れずに。
つわりや体調不良、転倒が不安なときは、シャワー浴でも構いません。
6 まとめ
妊娠中は、妊娠していないときよりもお腹が冷えやすい傾向があります。
冷えたことで赤ちゃんに影響が出るケースはほとんどありませんが、ママの体には免疫力の低下や腰痛などのつらい症状を引き起こしてしまいます。
冷えを防ぐためには、服装や食事を変えたり、お風呂に入ったりするなどの対策を取ることがおすすめです。
ただし、体調によってはこれらの対策が取れない場合もあります。また、我慢できないほどつらい冷えもあることでしょう。無理をせずに病院の担当医に相談し、不安やストレスの少ないマタニティライフを送りましょう。
この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。