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出産時にできるパパのサポート3つ!立ち会うメリット・デメリットや事前の準備も解説
2023.05.09
立ち会い出産を控え、出産時に何をすべきか不安に思うパパは多いのではないでしょうか。
我が子を授かる感動の瞬間に付き添うだけでなく、お産の前後に少しでもママの支えになりたいと思っているパパは、出産時の自分の役割をきちんと理解しておく必要があります。
今回は、立ち会い出産当日にパパができる3つのサポート方法や、事前準備の流れなどを解説します。お産に立ち会うメリット・デメリットについても触れるので、ぜひこの機会に立ち会い出産への理解を深めておきましょう。
この記事はこんな方にオススメ
- 立ち会い出産への理解を深めたい
- 出産時のパパの役割を知りたい
- 産後のママを支える方法を知りたい
もくじ
1 立ち会い出産とは?
まずは、立ち会い出産の概要と2つのスタイルについて解説します。
1.1 近年注目される家族参加型の出産
立ち会い出産とは、パパや上の子が陣痛の始まりから赤ちゃんの誕生まで付き添う、家族参加型の出産。国内で普及し始めたのは、1960年代後半頃からです。
かつての日本では自宅出産が当然で、通常のお産との区別がされていませんでしたが、近年は設備が整った産院での出産が浸透。また、男性の育児参加率の高まりもあって、イマドキのお産のカタチとして注目を集めています。
厚生労働科学研究の全国調査(2013年実施)では、分娩室で立ち会いをした「夫」は57.4%という結果が出ています。国内の半数以上もの夫婦が、立ち会い出産を経験しているのです。
1.2 立ち会い出産の2つのスタイル
立ち会い出産には、下記2つのスタイルがあります。
- 陣痛室まで付き添う
- 分娩室まで付き添う
陣痛室とは、陣痛が始まってから子宮口が完全に開くまで過ごす部屋のこと。ここで陣痛に耐えた後、痛みがピークに達するタイミングで分娩室に移動するのが、お産の一般的な流れです。
2つのスタイルのうちどちらを選ぶかは、ママとパパの意志次第です。そもそも出産予定の産院が、立ち会い出産に対応しているかどうかを確認する必要もあります。
2 立ち会い出産のメリット・デメリット
従来のお産スタイルと異なり、夫婦で共に乗り越えるのが醍醐味とされる立ち会い出産。本項では、そんな立ち会い出産のメリット・デメリットを一挙ご紹介します。
2.1 立ち会い出産のメリット
立ち会い出産には、下記4つのメリットがあります。
- パパが、ママの精神的な支えになれる
- 一生の思い出を共有できる
- 出産の苦しみを分かち合える
- 緊急時にも迅速に対応できる
信頼できるパパがそばにいてくれるだけで、ママは安心できるのです。不安や緊張を解きほぐすことに繋がれば、精神面において大きなメリットといえるでしょう。大変なシーンを一緒に乗り越えることで、夫婦間の絆もより強くなります。
急な帝王切開が必要になったり、胎児や妊婦に異常が見つかったりした場合、早急に対応できる点も立ち会い出産ならではのメリット。出産中の空間に居合わせるため、緊急性の高さを理解しやすいです。
2.2 立ち会い出産のデメリット
立ち会い出産には多数のメリットがある一方で、下記3つのようなデメリットも存在します。
- 必死な姿を見る・見られる
- パパが気になって出産に集中できない
- 産後の夫婦関係を悪化させる恐れがある
立ち会い出産の成功には、夫婦双方の前向きな姿勢が欠かせません。ママとパパ、どちらか一方でも必死な姿を見る・見られることに抵抗がある場合は、立ち会わないのが賢明です。
特に、生理がなく血の臭いに不慣れな男性への無理強いは禁物。双方が望むカタチの出産スタイルを選ぶようにしてください。また、妊婦さんにとってパパの存在が気になってしまう場合もおすすめできません。
3 立ち会い出産に向けた3つの準備
立ち会い出産を迎えるにあたり、準備しておくべきことは主に3つあります。
- 産院のルールを確認しておく
- 夫婦間で意見交換をする
- パパに出産の知識を深めてもらう
お産当日にいい思い出が残せるよう、事前準備を怠らないようにしてください。
3.1 産院のルールを確認しておく
前提条件として、入院中の産院が立ち会い出産に対応しているかどうかのチェックは欠かせません。対応している場合は出産時のルール、注意点などについても話を聞き、当日の流れをイメージできるようにしておきましょう。
立ち会える人に制限があるか、どのタイミングまで立ち会えるのかなど、不安要素は事前に解消することが大切です。出産の様子を映像に残したい時は、ビデオカメラの持ち込み可否も確認する必要があります。
3.2 夫婦間で意見交換をする
立ち会い出産をするかしないか、あらかじめ夫婦で意見交換しておくことも大切です。
出産時のママは、普段感じない痛みに耐えなければなりません。時には人が変わったように暴言を吐いたり、奇声を上げ続けたりするようなシーンもあることでしょう。
そういった姿を目の当たりにし、産後までショックを引きずってしまいそうなパパは、立ち会い出産に向いていない可能性が高いです。「八つ当たりされても受け止める」「生々しい血や臭いにも耐えられる」という覚悟があるパパのみ、本格的に立ち会うかどうかを検討するようにしてください。
立ち会う時のポジションやカメラの配置なども話し合い、当日のママの集中が途切れないようにしましょう。
3.3 パパに出産の知識を深めてもらう
お産に立ち会う覚悟を決めたパパは、出産関連の基礎的な知識をつけておくと安心です。立ち会い出産とは、本来夫婦共同で乗り越えるもの。いざ出産当日を迎え、傍観者になることだけは避けましょう。
出産の知識をつけるには、下記2つの方法があります。
- 両親や先輩ママ・パパの出産エピソードを聞く
- インターネットや書籍を参考にする
特に、出産経験者からリアルな体験談を聞いておくのはおすすめです。「もっとこうすればよかった」などの失敗談を参考にすれば、慣れない出産時もできる限り落ち着いた対処ができるかもしれません。
4 あると便利!立ち会い出産前に用意する5つの持ち物
立ち会い出産前は、心構え以外に5つの持ち物を用意する必要もあります。どれもママのサポートをするうえで役立つものばかりなので、必ず目を通しておくようにしてください。
4.1 飲み物(ストロー付き)
分娩中は、何度もいきむことから発汗量が多くなり、同時に喉も渇いてしまいます。いつでも水分補給ができるよう、手の届く範囲に飲み物を用意しておくといいでしょう。妊婦さんが寝たままの状態であれば、ストロー付きの飲み物かペットボトル飲料にストローを付けたものを渡してあげると飲みやすいです。
院内に自動販売機があったり、備え付けの飲み物を出してくれたりする産院もあるので、確認してみてください。
陣痛中に飲むのは、水かお茶がベストです。お茶は麦茶やハーブティーなど、ノンカフェインのものを選びましょう。お産が長丁場になる可能性を考え、余裕をもって多めに用意しておくと安心です。
4.2 おやつ・軽食
立ち会い出産には、陣痛が1日近く続くケースもあります。激痛に耐えている間、産院で出される食事が喉を通らないこともあるので、手軽に食べられそうなおやつや軽食があると大助かりです。
特におすすめしたいのが、おにぎりや果物のように片手で食べられて消化しやすいもの。固形物を受け付けないようであれば、ゼリー飲料などで栄養補給をさせてあげてください。出産時はかなりのエネルギーを使うので、分娩に影響を及ぼさないためにも無理のない範囲で食事をとることが重要です。
4.3 タオル
陣痛中の妊婦さんは沢山汗をかくので、汗拭き用のタオルの用意が欠かせません。使い勝手のいいフェイスタオルや、汗冷え予防のためのバスタオルをそれぞれ2〜3枚用意しておくといいでしょう。
激痛に耐える際、握りしめる用途でも重宝されています。慣れた自宅の香りがするため、「そばに置いているだけで安心できる」という声も多いです。
4.4 着替え
お産が長丁場になれば、泊まり込みで付き添う必要が生じるかもしれません。産院に泊まる時は、妊婦さんだけでなくパパ用の着替えの用意も必須です。いちいち帰宅する手間が省ければ、長時間ママのそばにいる時間を確保できます。
着替えの枚数は、数日分用意しておくと安心。近くにコインランドリーがある場合、洗濯して同じ服を着回すこともできるので、あらかじめ周辺の環境を確認しておきましょう。
4.5 テニスボール
テニスボールは、陣痛緩和に活用される代表的なアイテムです。いきみが出てきた時にボールを使い、お尻や腰を刺激すると痛みが多少楽になると言われています。手のひらサイズであれば、ゴルフボールなどでも代用可能です。
産院側で用意してくれることもありますが、ない場合は事前に購入しておきましょう。ただ見守るだけでなく、共に乗り越えるのが立ち会い出産の醍醐味です。
5 出産時にできるパパのサポート3つ
立ち会い出産中、パパができるサポートは主に3つあります。
- リラックスさせる
- 汗を拭いて水分補給をさせる
- 手を握って励ます
それぞれの具体的なサポートの仕方を見ていきましょう。
5.1 リラックスさせる
パパが出産に立ち会う際、最も重要な役割はママをリラックスさせること。不安や緊張で余計な力が入ってしまうと、陣痛の傷みをより感じやすくなってしまいます。
陣痛を和らげ、リラックスさせるには下記3つの方法が有効です。
- マッサージをする
- 腰を温める
- 呼吸法をリードする
テニスボールでお尻や腰を強めにマッサージしたり、カイロや温タオルで腰などを温めたりして血流を促進すれば、陣痛緩和に繋がります。やり方が分からなければ、助産師さんをお手本にしてみてください。
ママがパニックになった時、呼吸をリードできるようにしておくとさらに心強いです。呼吸法については、出産の基礎知識をつけるタイミングで確認しておきましょう。
5.2 汗を拭いて水分補給をさせる
激痛に耐えているせいで普段よりも汗をかく陣痛中は、脱水症状への注意が必要です。用意したフェイスタオルで汗を拭き、定期的に水分補給させるようにしましょう。
ただ、多くの妊婦さんはベッドに寝たまま水分補給することになるので、ペットボトルを開けるのも一苦労。「喉が渇いた」と言われたらフタを開け、ストローをさした状態のペットボトルを口元まで持っていく配慮をしてあげてください。
5.3 手を握って励ます
大きな不安や緊張を抱える妊婦さんは、信頼のおける人に手を握ってもらうだけで安心できます。支える側のパパはできるだけ平常心を保ち、手を握るなどして共にお産を乗り越える覚悟を伝えましょう。
「一緒に頑張ろう」「大丈夫」など、励ましの言葉もママにとって大きな力になります。
陣痛と陣痛の合間は、余計な力を抜くためにも積極的に声かけをするのがおすすめです。不安を煽るような発言は、絶対に止めましょう。
6 ママの満足度アップ!産後にパパがやるべき5つのこと
出産時はもちろん、赤ちゃんが無事生まれた後もパパの活躍は続きます。産後にパパがやるべきことは、主に次の5つです。
- ママに祝福とねぎらいの言葉をかける
- 両親や親戚に出産報告をする
- 産後に必要な手続きを行う
- ママと赤ちゃんを迎える準備をする
- 家事や夜泣き対応をサポートする
6.1 ママに祝福とねぎらいの言葉をかける
まずは出産を終えたばかりのママを祝福し、ねぎらいの言葉をかけてあげてください。激痛に耐え、頑張ってくれたことへの感謝としてプレゼントを用意するのも喜ばれます。
プレゼントの内容は、ママへの祝福の気持ちが伝わるものがおすすめです。今後家族皆で使っていく育児関連のグッズなどでなく、「ママ本人が喜ぶもの」や「産後の疲れを癒すもの」を選びましょう。
6.2 両親や親戚に出産報告をする
双方の両親や親戚など、必要な人への出産報告もパパが済ませてくれると大変助かります。特に両親には、できるだけ早く報告しましょう。遅くとも当日中に知らせるのがマナーです。
産後3日以内を目安に、職場への報告も忘れず行いましょう。共働き世帯のパパは、ママの職場にも連絡する必要があります。
年賀状で報告する時は、受け取る側への配慮を徹底してください。相手に対する日頃の感謝、新年を祝うメッセージなどがメインで、出産報告に関する内容は軽く触れる程度で十分です。
6.3 産後に必要な手続きを行う
出生届や健康保険の加入など、産後に必要な手続きは山ほどあります。中には手続きの期限が短い書類もあるので、それぞれよく目を通したうえで必ず期日までに提出しましょう。
まだまだ体調が万全でないママからすれば、負担の大きい役所の手続きを済ませてくれるパパは、非常に頼もしい存在です。
確実に早めの手続きを要するのは、「出生届の届出」と「児童手当の申請」の2つです。出生届は産後14日以内、児童手当申請は産後15日以内に提出する必要があります。
6.4 ママと赤ちゃんを迎える準備をする
退院したママと赤ちゃんが、自宅で快適に過ごせるように生活環境を整えておくのもパパの重要な役目です。具体的な準備の一例には、下記のようなものがあります。
- ベビー用品や産後ケア用品の買い出し
- 自宅の片付け
退院したばかりのママは、体調面が安定するまで家で過ごす時間が長くなります。お出かけ関連のグッズはすべて揃えなくても問題ありませんが、赤ちゃん用の肌着や爪切り、おむつなどの必需品は必ず用意してください。併せて骨盤ベルトやマタニティウェアといった、ママの産後ケア用品の準備も必要です。
ママと赤ちゃんが生活する部屋の片付けをはじめ、ゴミ出しや洗濯も済ませておくといいでしょう。
6.5 家事や夜泣き対応をサポートする
産後のママの多くは、一日中赤ちゃんのお世話に徹しています。パパにできるのは、毎日早めに仕事から帰宅して家事の一部をサポートすること。お風呂の掃除や食器洗いといったできることから率先的に担当し、ママを支えてあげてください。
ほとんど外出せず、赤ちゃんをそばで見守り続けるのは想像以上に大変です。「日中家で困ったことはない?」「赤ちゃんは元気だった?」などの具体的で答えやすい会話を投げかけ、ママが孤独な気持ちにならないように努めましょう。余裕があれば、週末に夜泣き対応を交代する配慮も大切です。
7 まとめ
今回は、立ち会い出産当日にパパができる3つのサポート方法や事前準備の流れ、さらにはお産に立ち会うメリット・デメリットについても解説しました。
出産を控えたママを「できるだけ近くで支えたい」と考えるパパは、パートナーとして自分の役目をきちんと理解しておくことが重要です。立ち会い出産への心構えを高めたり、準備を進めたりする際、不安要素があれば是非本記事の内容をお役立てください。
この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。