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子どもにはいつまで抱っこをしてあげたらいい?正しいやり方やポイントも解説

2022.08.26

育てる

抱っこを求める我が子はかわいいもの。しかし「毎日せがまれて肩や腰が痛い」「いつまで抱っこしてあげたらいいのか」といった悩みを持つパパやママもいるでしょう。

この記事では、抱っこの大切さや正しいやり方などを解説します。子どもへの抱っこについて深く知りたい人はぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな方にオススメ

  • 子どもをどう抱っこしたらいいか知りたい人
  • いつまで抱っこしたらいいか知りたい人
  • 抱っこにどんな効果があるか知りたい人

1 子どもの成長に抱っこはとても大切

抱っこは子どもの成長にとって、欠かせないスキンシップです。触覚は生後すぐの子どもがもっとも敏感な部分なので、抱っこなど皮膚からの刺激は脳を活性化すると言われています。肌のあたたかさやぬくもりを感じられる抱っこは、脳の成長と密接に関係しているのです。

また、たくさん抱っこをされた子どもはまわりの大人への信頼感を覚え、いろんなことにチャレンジできるようになります。抱っこは子どもの自立をサポートする大切なスキンシップと言えるでしょう。

 

1.1 幸せホルモン「オキシトシン」が分泌される

抱っこをはじめとしたスキンシップは、脳に「オキシトシン」と呼ばれるホルモンを分泌させます。オキシトシンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、プラス効果を多くもたらします。

  • 安心感や幸福感を増大させる
  • ストレスを低減させる
  • 情緒を安定させる

また愛着形成にも深く関わるホルモンでもあり、「絆ホルモン」とも呼ばれます。オキシトシンの分泌量が多いほど「自分は愛されている」自覚や、「周りの人を愛したい」気持ちが増します。抱っこは親子双方にオキシトシンを分泌させるので、我が子との絆がグッと深まります。

 

1.2 愛情を感じた経験がその後の成長にいい影響をもたらす

親から愛情をたくさん受けた経験は、子どもの成長にいい影響をもたらします。幼少期にたくさん親からの愛情を感じると、オキシトシンが分泌されやすい脳へと成長するのです。

その結果、下記のような効果が得られます。

  • 情緒が安定しおだやかな性格になる
  • ストレス耐性が強くなる
  • 学習能力が高まる

子どもに愛情をたくさんかけることは、子どもの人生を左右するほどの大きな影響力があると言えるでしょう。

 

2 今と昔の抱っこに対する考え方の違い

ひと昔前までは抱っこをしすぎると「抱き癖がつく」「甘やかしている」といわれていました。しかし近年は「抱っこはたくさんすべき」という考え方に変わっています。

そもそも「抱き癖がつくのはよくない」という考えは、戦後、アメリカの育児法が参考にされたことがきっかけです。

1946年(昭和21年)に出版された『スポック博士の育児書』には「個人の自立を促すため、泣いても抱っこせず泣かせなさい」という記載がありました。この本は1966年(昭和41年)に日本でも翻訳出版され、当時の育児家庭に大きな影響を与えたのです。

ご年配の方に「抱っこは甘え」という考えが多いのは、この考えが染みついているからかもしれません。

しかし、スポック博士が提唱する“自立を促す育児”が広まった結果、1980年(昭和55年)ごろから日本では家庭内暴力や青少年の非行が多発してしまいます。そこから「泣いたら抱っこしてあげる」「抱っこはたくさんしてあげたほうがいい」という“ふれあい重視”の考えが広まっていきました。

 

3 抱っこは何歳までしてもOK

抱っこは何歳までしてもOK

「もう抱っこを卒業させないと…」と不安になっているママやパパも多いかもしれません。しかし、子どもが抱っこを求める間は何歳でも抱っこしていいのです。

子どもが「抱っこしてほしい」と甘えるのは、不安や寂しさを感じている証拠。その気持ちを無視してしまうと、子どもは親を信頼できなくなります。子どもの自立にもっとも必要なのは「自分には守ってくれる存在がいる」という安心感です。

子どもが甘えるうちは「困ったらいつでも私がいるよ、大丈夫だよ」という思いをこめて、存分に抱っこしてあげましょう。

 

3.1 子どもの気持ちに寄り添う姿勢が大切

「抱っこしてほしい」という子どもの気持ちに寄り添う姿勢は大切です。ただ、なかなか抱っこできないときもありますよね。

そんなときは「もう少しだけ待ってね」「ご飯作ったら抱っこしてあげるね」と状況を伝えてあげましょう。「今すぐは難しいけど、必ず抱っこしてあげるね」という気持ちが伝われば、子どもは安心します。

ただし、口約束だけで約束を破るのはご法度。子どもとの信頼関係に傷がつきます。忙しさが落ち着いたら、待たせた分しっかり抱っこをしてあげましょう。

 

3.2 「いつでも抱っこする」のは3~4歳ぐらいまで

常に抱っこをするのは、3〜4歳ぐらいまでと言われています。小学校入学を控えた5歳〜6歳前後になると求める頻度が少なくなるようです。

3歳~4歳の子どもの体は大きく、重くなります。「早く抱っこを卒業してほしい…!」と思い始めるママやパパも多いでしょう。ですが、世の中には何らかの理由で「抱っこを思う存分してあげられなかったのが後悔」というママやパパがいるのも事実。

抱っこができることを当たり前と思わず、「抱っこを求めてくれて嬉しいな」と喜びをかみしめながら抱っこしてあげてください。

 

3.3 大きくなってきたらハグも効果的

我が子が大きくなってきたら、ハグを取り入れるのも効果的です。体重が10キロを超えてくると、抱っこも一苦労です。抱っこは足腰に負担がかかるため、無理をするとママやパパが体を壊してしまうことも。

ハグは抱っこと同様の効果をもたらすスキンシップなので、子どもは安心感を得られます。しかもハグであれば、足腰に無理な体勢をとる必要もないので、ママやパパも負担少なくコミュニケーションがとれます。

 

4 覚えておこう!赤ちゃんを正しく抱っこするやり方

覚えておこう!赤ちゃんを正しく抱っこするやり方

初めての抱っこは誰にとっても緊張を感じてしまうもの。とくに抱っこをする回数が少なくなってしまいがちなパパは、ママよりもさらに不安に思ってしまうのではないでしょうか。ここではそんな抱っこに対して不安を覚える方のために、赤ちゃんの抱っこのやり方を紹介します。

 

4.1 縦抱き

縦抱きとは、赤ちゃんの体を縦にした状態で抱っこする抱き方です。縦抱きは赤ちゃんの体や首がぐらつきやすいので、首が座ってからするのが一般的と言われています。首が座る前の赤ちゃんに縦抱きをする場合は、首が後ろに倒れやすいので注意が必要です。しっかり頭と首を手で支えてあげましょう。

縦抱きは下記の手順で行います。

  1. 片方の手を脇の下から入れ、首・後頭部を支える
  2. 反対の手の親指で股を支え、残りの指でお尻を支える
  3. 両手で赤ちゃんをゆっくり抱き上げる
  4. 頭を上にしたまま、自分の胸や肩に赤ちゃんをもたれかからせる
  5. 股・お尻を支えていた手を持ちかえてお尻全体を支える

少し手順が複雑かもしれませんが、しっかり覚えて赤ちゃんを抱いてあげましょう。

 

4.2 横抱き

横抱きは、赤ちゃんの体を横にした状態で抱っこする抱き方です。赤ちゃんの体を腕全体で支えられるのでぐらつきが少なく、ママやパパの腕にも負担が少ないのがメリットです。首が座るまでは横抱きが基本の抱っこになります。

横抱きは下記の手順で行います。

  1. 縦抱きの1~3までと同じ
  2. 自分の胸に赤ちゃんを引き寄せ、お尻を支えていた手を背中までずらす
  3. 首・後頭部を支えていた手を背中にずらし、ひじの曲がった部分に頭をのせ固定する

こちらの抱き方も、縦抱きとあわせて覚えておきましょう。

 

5 赤ちゃんを抱っこする際のポイント

赤ちゃんを抱っこする際にはいくつか意識すべきポイントがあります。初めての抱っこは分からないことが多くとても不安なもの。ママやパパが不安だと、赤ちゃんにも不安が伝わってしまいます。お互いがリラックスして抱っこができるよう、ポイントを確認しておきましょう。

 

5.1 身体に負担をかけないよう意識する

まず一番大切なことは、赤ちゃんの身体に負担をかけないことです。赤ちゃんにとって無理な体勢で抱っこをしてしまうと、その後の成長に影響が出てしまいます。なるべくママのお腹の中にいた状態に近い体勢を維持してあげるといいでしょう。

赤ちゃんにとって負担のある体勢はママやパパにとっても負担が大きく、腕や腰を痛めてしまう可能性も。赤ちゃんとママパパの双方にとって負担がかからない抱っこがベストです。

 

5.2 抱っこ紐を使う

抱っこ紐は忙しいママやパパにとって強い味方です。身体への負担を軽減させてくれるのはもちろん、両手がふさがらないので他の家事をしたり荷物を持ったりもできます。

また、赤ちゃんの身体が揺れることでバランス感覚が自然と養われるのもメリットのひとつ。

様々なタイプの抱っこ紐があるので、自分に合ったものを見つけてみるといいでしょう。おんぶ兼用のものは、家事をしながらでも「親の体温」を子どもに伝えられるので便利です。

 

5.3「Cカーブ」を意識する

抱っこをする際は赤ちゃんの背骨をまるい状態で保つ「Cカーブ」を意識します。Cカーブの姿勢は赤ちゃんがお腹のなかで過ごす体勢のため、一番体への負担が少ないのです。

また、赤ちゃんの背骨はCカーブ→S字カーブ状へと徐々に変化していきます。しっかりとしたS字状の背骨を形成するためには、筋肉や骨が柔らかい赤ちゃんのうちにCカーブを保つことが重要です。

 

5.4 M字開脚を保つ

赤ちゃんを抱っこする際は、M字開脚を保つ必要があります。M字開脚とは股関節を中心に脚がM字に開いている状態です。

赤ちゃんの股関節は脱臼しやすいので、M字開脚を保ち、無理に負荷をかけないことが大切。しかし脱臼したとしても赤ちゃんは自身は痛みを感じないため、健診で脱臼が見つかる場合も多いです。
日頃からM字開脚が保たれているかどうか、常に意識しておきましょう。

 

6 少しずつ抱っこを卒業していくためのポイント

少しずつ抱っこを卒業していくためのポイント

抱っこの卒業は無理やりさせるのではなく、子どものタイミングに合わせてあげるのがベスト。しかし子どもが大きくなってくると、「そろそろ抱っこを卒業してほしいな…」と思い始めるママやパパも多いのではないでしょうか。

そこでここからは、子どもに無理をさせることなく少しずつ抱っこを卒業していくためのポイントをご紹介します。

 

6.1 新しいスキンシップを試してみる

抱っこ卒業を目指し始めたら、抱っこ以外の新しいスキンシップに挑戦してみましょう。

  • ハグ
  • おんぶ
  • 肩車
  • 手をつなぐ
  • 頭をなでる
  • お風呂に一緒に入る
  • こちょこちょ遊び

など、方法はたくさんあります。「抱っこ以外にも安心できるスキンシップがある」と子どもが理解すれば、自然と抱っこをせがむ回数は減ってくるでしょう。

 

6.2 「歩くこと」の楽しさを伝えてあげる

「歩くこと」の楽しさを伝えてあげるのも、抱っこ卒業を目指すうえで大切です。まだ小さな子どもは、移動手段ではなく遊びのひとつとして捉えます。大人と同じ感覚で「歩いてほしい」と伝えても、子どもはなかなか歩いてくれないのが現実です。

そこで歩く楽しさが伝わるように、「お歌を歌い終わるまで歩いてみよう」「あの消防車、近くで見てみようか」など、楽しい声かけを意識することをおすすめします。「歩くことは楽しい」と子どもが認識できれば、抱っこ卒業もグッと近づくでしょう。

 

6.3 必要なときにはちゃんと抱っこしてあげる

それでも子どもが抱っこを求めてくるときは、ちゃんと抱っこをしてあげましょう。抱っこで成長してきた子どもにとって一番落ち着くのは、やはり抱っこしてもらうこと。

特に、入園・入学は、大きな環境の変化で子どもも不安を感じやすくなるものです。身体が大きくなって抱っこするのは一苦労かもしれませんが、必要なときはちゃんと受け入れてあげましょう。

 

7 まとめ

毎日の抱っこは身体的にも精神的にもつらいときがあるかもしれません。しかし、子どもの長い人生において抱っこできる時間はとても短く、かけがえのないもの。いつかは必ず抱っこを求めてくれなくなるのです。

抱っこは子どもの成長を実感させてくれるスキンシップでもあります。「あんなに小さかったのに、もうこんなに大きくなった」と成長をかみしめながら抱っこしてあげると、より一層我が子への愛おしさも増すのではないでしょうか。

今しかできない貴重な抱っこ時間を、ぜひ子どもと一緒に楽しんでみてください。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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