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育児や子育てに疲れたときの対処法とは?原因や解決策について紹介
2022.09.09
子育ては昼夜関係なく子供のために動き回る必要があり、とても重労働です。子育て以外に仕事や家事もあるため、子育て世帯のパパママは、疲労とストレスをため込みがちです。
どれだけ子どもを愛していても、疲れがたまりストレスが慢性化すると、気持ちに余裕を持てなくなります。子育てに影響が出る前に、疲れやストレスを解消し予防することが重要です。
今回は、子育て疲れの解決策と予防法を紹介します。誰でも簡単にできる方法なので、ぜひ実践して子育て疲れを解消しましょう。
この記事はこんな方にオススメ
- 子育て疲れの解消法が分からない
- 子育て疲れを予防する方法が分からない
- 子育て疲れの悩みを誰に相談すれば良いか分からない
1 子育てに疲れてしまう原因
子育て疲れを予防し、解消するためには、まず疲れの原因を知らなければいけません。子育て疲れの原因は、子どもの年齢によっても異なります。疲れの原因によって対処法を使い分けましょう。
1.1 乳児-夜間の授乳や夜泣きの対処
子どもは生まれてから1歳半ごろまで、よく夜泣き(夜中に目を覚まして泣くこと)をします。なかなか泣き止まない場合もあり、連日夜泣きが続くと、パパママは疲労がたまってしまいます。
夜泣きの原因は、睡眠環境のストレスと睡眠の未熟さの2つが考えられます。
<睡眠環境のストレス>
乳児は睡眠環境にストレスを感じると、泣き声でパパママにアピールします。睡眠環境のストレスとは「身体の不調」「空腹・のどの渇き」「オムツの違和感」「室温の不快さ」など、さまざま要因が考えられます。
<睡眠の未熟さ>
乳児は体内時計が未熟なため、すぐに目が覚めてしまい夜泣きをすると考えられます。
成人の睡眠は、ノンレム睡眠(深い眠り)8割、レム睡眠(浅い眠り)2割と言われています。
しかし、乳児は脳が未熟なため、起きている間に取り込んだ情報を整理するにはパパママよりも長くレム睡眠を取らなければいけません。結果、ノンレム睡眠とレム睡眠の割合は半々ほどになり、ささいな音や不快によって、目を覚ましやすくなります。
1.2 幼児-保護者付き合いや仕事復帰などで忙しくなる
幼児になると、保護者付き合いや仕事復帰、子どもの遊びに付き合うなど、すべきことが多く忙しくなります。なかなか休養を取ったりストレス解消したりできず、疲労がたまりやすくなります。
<子どもの遊びに付き合う>
乳児から幼児に成長するにつれて、子どもの体力と身体能力は飛躍的に向上し、活発に活動するようになります。パパママは、子どもが安全に遊べるように、常に子どもの動きに注意する必要があり、精神的にも肉体的にも疲れてしまいます。
<保護者付き合い>
子どもが幼稚園に通い始めると、保護者付き合いが始まります。保護者付き合いに慣れていない場合、子育て疲れの原因になってしまいます。
<仕事>
養育費のために仕事復帰や新しく仕事を始める場合は、子育てとの両立が難しく、精神的にも肉体的にも疲労がたまってしまいます。特に、園や学校への送迎が必要な場合は、業務時間に制限がかかるため、子育てと仕事の両立はさらに難しくなり、疲労につながります。
1.3 小学校低学年-子どもの活動範囲が広がる
小学生低学年になると、子どもの活動範囲は自宅内から屋外に広がります。自転車を使えるようになると、さらに活動範囲は広がります。
パパママも忙しく、常に子どもの外出に付き合えるわけではありません。公園や友人宅、塾や習い事、スーパーやコンビニなど、子どもだけで外出する機会も増えるでしょう。
子ども1人での外出は、事故や事件に巻き込まれたり、迷子になったりすることが考えられ、パパママは不安からストレスや気疲れを感じるようになります。
<子ども1人の外出に不安な点>
・交通事故や怪我
・不審者との遭遇や誘拐
・迷子
・挨拶など礼儀やマナー
1.4 小学校高学年以降-思春期に入る
小学校高学年から中学生は、思春期です。思春期になると、親子のコミュニケーションは難しくなり、パパママと子どもの両者がストレスフルになってしまいます。なぜなら、思春期は身体的にも精神的にも大きく変化するため、子どもは不安やストレスをため込みやすくなるためです。
不安やストレスは、子どもの精神状態を不安定にし、その反動から以下のような行動を取りがちになります。
<思春期の子どもがすること>
・親子の会話を絶つ
・無視する
・言動が乱暴になる
・不安やいらだちをため込む
・部屋に閉じこもる
パパママが子どもを心配して気遣ったり歩み寄ろうと努力したりしても、逆に子どもにとってストレスやプレッシャーになってしまいがちです。
高校生からは将来をより具体的に考えるようになります。普段から親子間で将来設計を話し合っていなければ、子どもとパパママの間で進路の希望にズレができ、子どもの将来へ不安が募るかもしれません。
小学校高学年以降の子育ては、肉体的疲労よりストレスがたまりやすく、気疲れしてしまいます。
2 子育てに疲れた時の対処法
子育ては疲れの原因を解消することで、時間や気持ちに余裕が持てるようになります。また、時間や気持ちに余裕を持つことで、子育て疲れの予防にもつながります。
2.1 昼夜リズムをはっきりさせて夜泣きを防ぐ
睡眠環境と概日リズム(体内時計のこと)を整えることで、夜泣きを少なくできます。ただし、夜泣きの原因は個人差があるため、完全に対策することはできません。以下の対策をできる範囲で行いましょう。
原因 | 対策 | ポイント |
睡眠環境 | ・エアコンやストーブで室内の温度や湿度を調整 ・加湿器で湿度を調整 ・季節に合わせて寝具やパジャマを変える ・リラックス音楽をかける |
子どもが汗をかかないようにする。 室温の目安 ・夏:25℃〜27℃ ・春秋冬:20℃前後 湿度の目安 ・40~60% |
生活リズム | ・朝日を浴びる ・寝る時間になったら部屋を暗くする ・昼寝を減らす ・昼間に運動させる |
リズムを整えるためには日光を浴びることが大事。 |
その他 | ・おむつ交換 ・抱っこ ・水分補給 |
2.2 自然体を意識して保護者付き合いをする
保護者付き合いのポイントは、適度な距離感を保ち、自然体で付き合うことです。保護者付き合いで失敗しないように気を張っていると、すぐにストレスがたまってしまいます。
保護者付き合いのストレスがたまってしまうと、気疲れして心身に悪影響を及ぼすため、ストレスのかからない保護者付き合いをするのが大切です。ストレスフリーな保護者付き合いをするために、自然体で保護者に接しましょう。
もし自然体で接して、距離を置かれても気にしないことが大切。離れていく保護者関係に固執しても、ストレスの原因になるだけです。
また、保護者付き合いで友人関係ができなくても、焦る必要はありません。幼稚園時代の保護者付き合いは一時的なもので、小学校に上がる際に自然消滅する関係性が大半です。保護者付き合いが上手くいかなくても気にせず、小学校の保護者付き合いに活かしましょう。
2.3 子どもが1人で外出するならルールを決める
子どもが安全に1人で外出できるように、外出ルールを決めましょう。子どもが外出先で事件や事故に巻き込まれる可能性も踏まえたルールにすることが重要です。
ただし、あまり細かく外出ルールを設定すると、子どもが覚えられなかったり制限の多さに反発したりする場合があります。外出ルールはシンプルにしましょう。
<最低限の外出ルール>
・報連相を守らせる(行き先、帰宅時間、遊び相手など)
・門限を設ける
・防犯ルールを決める(いかのおすしなど)
・安全グッズを持たせる
2.4 家族会議を定期的に設けよう
家族会議を設けることで、家族間のルールやライフプランを共有できます。家族会議は、子どもが生まれる前からパートナーと定期的におこない、子どもが小学生になったら、子どもも含めて家族会議をおこないましょう。
家族会議では、学校の連絡事項、パパママのライフプラン、子どもの人生設計、家族間のルール(家事当番やコミュニケーションなど)などを決めます。
また、子どもが小学校高学年になる前に必ず、家族会議で思春期のコミュニケーションに関するルールを決めましょう。ルールを事前に決めておくことで、思春期に入っても最低限必要な親子のコミュニケーションを取れます。
ルールを決める際は、子どもにお願いしたいこと(学校の連絡や生活面など)だけでなく、子ども側のお願い(命令や否定をしない、話をきちんと聞くなど)も内容に盛り込むことが重要です。
3 子育て疲れを予防しよう
子育て疲れは、解消だけではなく予防も重要です。子育て疲れが深刻になると、上記の対策では解消できなくなります。心身に影響が出る前に、子育て疲れを予防しましょう。
3.1 1人の時間を作る
1人で過ごす時間を作ることで、子育てから離れてストレス解消のために時間を使えます。1人の時間を作るポイントは、子どもの睡眠時間を利用することと、ほかの方に子育てを代わってもらうことです。
子どもの睡眠時間はパパママが子育てを休めるため、好きに時間を使えます。就寝時間を決めて寝かしつける、お昼寝の時間を設ける、など工夫し自由時間を作りましょう。
ほかの方に子育てを代わってもらう場合は、パートナーや祖父母以外にも、自治体の預かりサービスの利用もおすすめです。
3.2 子育てに完璧を求めない
完璧に子育てをこなそうと神経質にならないようにしましょう。子どもによって性格や成長速度が異なるため、子育ては個人差が大きく、誰にでも当てはまる正解はありません。
加えて、子育ては失敗がつきものです。特に、第一子の場合は、子育ての経験がないため、失敗は多くなります。しかし、失敗しても自己嫌悪しないようにしましょう。子育てを通じて、子どもとパパママが一緒に成長することが重要です。
また、よその子と我が子の比較をやめましょう。礼儀作法や勉学の進み具合は、個人差があることを忘れてはいけません。パパママが奮起させる目的で「よその子は~だ。」と比較していても、子ども側はプレッシャーになってしまい、ストレスをためてしまいます。
子育てにおいて、焦りはストレスにつながるため禁物です。常に気持ちに余裕を持って、子育てしましょう。
3.3 相談できる人を見つける
子育てで孤独を感じたり悩みができたら、1人で悩まないようにしましょう。
相談相手は、祖父母やパートナーなど身近な相手より、直接顔を合わせる事が少なく遠慮せずに話せる相手がおすすめです。また、自治体や法人の相談窓口もあるため、相談できる相手が見つからない場合は利用しましょう。
4 育児ノイローゼに注意-無自覚のうちに症状が進行する
子育て疲れが深刻化すると、育児ノイローゼを発症する可能性があります。育児ノイローゼになってしまうと、情緒不安定になり常にイライラしたり、摂食障害を引き起こします。
最悪、子どもを愛せなくなり、家庭内暴力に発展する場合もあるため、注意が必要です。育児ノイローゼを予防するために、初期症状を自覚して早めに改善しましょう。
4.1 育児ノイローゼのチェックリスト
以下は育児ノイローゼの初期症状を確認するためのチェックリストです。チェック項目にいくつ当てはまるか確認し、自身が育児ノイローゼになっていないか診断しましょう。
チェック項目(初期症状) | チェックの個数 | 診断 |
・自分は完璧主義やネガティブ思考だと思う ・子育てに悩んでも誰かに相談しようと思わない ・ささいなことでイライラする ・食欲がない、吐き気がする ・頭痛やめまいがする ・体重の増減が激しい ・睡眠不足ぎみ ・趣味を楽しく感じない ・何に対しても無気力ぎみ ・子どもと話をするときに緊張する ・子どもを愛せていないと感じる ・ひんぱんに子どもを𠮟ってしまう ・子どもへの接し方が分からない ・夫婦の会話が少ないと感じる ・パートナーとのけんかが増えた ・子育てに孤独を感じる |
~3 | 育児ノイローゼの可能性なし |
4~6 | 少し育児ノイローゼの可能性あり | |
7~9 | 育児ノイローゼの可能性あり | |
10~12 | 高確率で育児ノイローゼ | |
13~ | 育児ノイローゼが深刻化している可能性あり |
4.2 育児ノイローゼの症状
上記のチェック項目は、育児ノイローゼの初期症状です。育児ノイローゼを発症すると初期症状が悪化し、以下のような症状をしめします。
<育児ノイローゼの症状>
・感情を抑えられず暴力を振るってしまう
・重度のうつ病
・無気力
・睡眠障害
・摂食障害
育児ノイローゼは、発症者の心身に影響するだけでなく、家族にも悪影響を及ぼします。加えて、1度発症すると完治に時間がかかるため、初期の治療と予防が重要です。
4.3 育児ノイローゼの予防と改善方法
育児ノイローゼは、子育てから離れなければ改善されません。そのため、育児ノイローゼの治療には、子育てから離れる時間を設けることが重要です。
子育てから離れるために、子育てをパートナーや祖父母に代わってもらいましょう。あるいは、一時預かりサービスの利用もおすすめです。
また、1人になれる時間をまとめてとれる場合は、自宅から離れましょう。おすすめは、旅行です。子育てと全く関係ない環境で過ごすことで、リフレッシュ効果が高まります。
5 1人で子育て疲れに悩まない-悩みの相談先
子育て疲れを感じたら、1人で抱え込まずに第三者に相談しましょう。まずは、保健師や小児科医など専門家への直接相談がおすすめです。また、医療機関などに通えない事情がある場合は、手軽に相談できる電話相談窓口を利用しましょう。
以下は、相談できる内容や、対応してくれる専門家について、相談先ごとにまとめた表です。
相談先 | 相談できること | 特徴 |
児童相談所 | ・ひとり親世帯に関する悩み ・家庭内暴力や虐待など ・いじめ問題 ・知的障害や虚弱 ・家出や盗みなどの非行 |
・匿名で相談できる ・専門機関や専門家を紹介してくれる ・ほか公的機関と連携して相談に乗ってくれる |
地方自治体の相談窓口 (保健福祉センター) |
・授乳や夜泣き ・乳児の発育 ・離乳食や歯みがき |
・保健師に相談できる ・乳児期や幼児期の子育てを相談できる |
日本助産師会の相談窓口 (子育て・女性健康支援センター) |
・妊娠や出産について ・パートナーとの関係 ・思春期の子育て |
・助産師に相談できる ・ママ向けの相談に特化している |
日本保育協会の相談窓口 (ママさん110番) |
・乳児や幼児の健康 ・知的障害 ・思春期の子育て |
・保健士や保育士に相談できる ・小児科医に専門的な内容を相談できる |
6 まとめ
今回は、子育て疲れについて、原因と対処法や予防法を紹介しました。子育て疲れを解消せずに放置していると、育児ノイローゼを発症する可能性があるため、初期症状の自覚と、解消や予防が重要です。
また、子育て疲れをどうしても解消できない場合は、第三者に相談しましょう。相談先は、電話相談窓口がおすすめです。小児科医や保健士などの専門家が相談に乗ってくれる相談先を選びましょう。
この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。