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ガーデニングの始め方とは?超初心者でも育てられるテクニックとおすすめの花をご紹介!
2022.07.26
新型コロナウイルスの影響によって外出の機会が減り、外で身体を動かしたり旅行に行ったりすることが難しくなりました。その結果、今までアウトドアで気分転換やストレス解消をしていた家庭では、家周辺や室内で行える趣味を探さなければいけなくなりました。
このような背景から、近年はガーデニングが流行しています。ガーデニングは、庭が無くてもプランターなどで気軽に楽しめるため、多くの方から人気があります。
また、子どもの情操教育に効果があり、ストレス解消にも効果があることが科学的に証明されており、子育て世帯にも楽しまれている趣味です。
今回は初心者の方向けに、ガーデニングを始める方法や必要なアイテムを解説します。初心者でも実践できるコツをしっかりと抑え、パートナーや子どもと一緒にガーデニングを楽しみましょう。
この記事はこんな方にオススメ
- ガーデニングのメリットが知りたい
- ガーデニングを始めるにはどうすればいいか知りたい
- 初心者におすすめの花を知りたい
1 ガーデニングとは
ガーデニングは、庭やプランターで植物を育てるだけでなく、周辺の環境を整え装飾することを指します。その歴史は、芸術や権威性に密接に関係しており、古くは紀元前から行われていました。
最初は、外敵や野生生物が居住環境に侵入しないようにするための囲いとして始められました。その後、文明が発達すると富裕層の間でぜいたくな趣味として広まり、美観が重視されるようになり、鑑賞を目的としたガーデニングが流行りました。
中世になると、宗教をモチーフとしたガーデニングが広まり、広大で美しい庭は権威性が高いという考えから、貴族だけでなく国の権威をアピールする大規模な庭作りが行われました。
実は、日本は西洋のガーデニングが流入したものではなく、古くから日本独自の進化を遂げたガーデニングが行われていました。日本では、池泉(池がある庭)、枯山水(石や砂で水を表現する庭)、茶庭(目的地までの道中で楽しめる庭)などが独自の文化として発達しました。
近年では、西洋式のガーデニングが日本でも一般的に広まり、逆に日本の枯山水などが外国で人気になっています。
2 ガーデニングが流行している理由
ガーデニングは、娯楽として楽しめるだけでなく、副次的に様々なメリットがあります。
2.1 感受性を豊かにする
ガーデニングは、植物を植え育て、周囲の環境を整えるなど、様々な作業があります。そのため、視覚や触覚はもちろん、葉がこすれる音や味覚、匂いなどが五感を刺激し、記憶力の活性化や感受性が豊かになるというメリットがあります。
そのため、ガーデニングを子どもと一緒に楽しむことで感受性が育まれ、想像力やコミュニケーション能力など、子どもの将来にとても重要な能力も磨かれます。
また、忙しい日々を送る中でパパママの心はすり減り、ストレスがたまってしまいます。ストレスの影響で無感動になってしまった心の状態を、ガーデニングによって健康な状態に戻してあげましょう。
2.2 工夫する力を育てる
植物を上手く育てるためには、試行錯誤が欠かせません。雨や強い風から植物を守る工夫や、開花期をより長くする工夫、見栄えを良くする工夫など、様々なことを考えなければいけません。
さらに、植物によって適した環境や手入れ方法が異なるため、植物一つひとつの特徴を把握した上で工夫する必要があります。
こうした試行錯誤は、子どもの知育にとても効果があります。社会人になってからも重要とされる問題解決能力や想像力が養われるため、ガーデニングは子供の将来を豊かにしてくれます。
2.3 運動不足を解消する
ガーデニングは、肥料や土などを運ぶ、屈むなど身体を動かす作業が多いため、運動不足の方にとてもおすすめです。また、ガーデニングに熱中することで、植物中心の生活になり、自然と正しい生活リズムを身に付けられるようになります。
加えて、外作業の特性上、日光を浴びる時間が長いため、身体の成長に重要なビタミンDが増えます。ガーデニングは、リモートワークなど室内にこもりがちになり、骨や筋肉が衰えてしまっている方に効果的です。
2.4 うつ病や認知症を予防する
近年、主に西欧諸国を中心に、医療にガーデニングを取り入れた園芸療法が注目を集めています。園芸療法は、ガーデニングが心身に及ぼす良い影響を日々の健康に取り入れるもので、介護現場などで活発に取り入れられています。
具体的には、うつ病や統合失調症などのストレスからくる心身症のリハビリに活用されています。加えて、共同作業でガーデニングを行うことで、コミュニケーション障害や認知症の治療にも効果があると言われています。
3 ガーデニングの始め方
ガーデニングは、事前に確認すべきことや用意しなければいけないものがいくつかあります。
3.1 場所を決める
植えたい花を選ぶ前に、ガーデニングをどこで行うのかを決めましょう。
近年では、感染症リスクをさげるため、他人との接触をできるだけ避けたいという方が多くいます。そうしたニーズから、インドアガーデニングと呼ばれる鉢植えを室内で育てるガーデニングが人気を博しています。
しかし、インドアガーデニングは手軽な一方で、植え方や装飾などのカスタマイズが難しいという欠点があります。そのため、本格的にガーデニングを始めたい方や、自分好みにカスタマイズしたい方は、屋外でのガーデニングをおすすめします。
屋外でガーデニングをする場合、植えられる花の種類が多いことに加えて、花壇を使う地植えかプランターなどを使う鉢植えの2種類の植え方を選べます。一般的に、地植えは土作りや土壌管理の難易度が高いため、鉢植えの方が初心者の方におすすめです。
加えて、屋外でガーデニングする場合は植える環境を観察する必要があります。花の種類によって、耐陰性(日陰でも育つこと)や耐寒性(寒くても育つこと)を考慮しなければいけません。
3.2 植える花を決める
基本的に、自身の好みで購入する花を決めて問題ありません。ただし、初心者の方は1度に多数の花を管理することが難しいため、最初は5株前後からガーデニングを始めましょう。
また最初に育てる花は、できるだけ手入れが簡単で育てやすく、様々な環境で育てられる丈夫なものを選びましょう。最初にデリケートな花や、管理が大変な花を選んでしまうと上手く育てられないため、モチベーションを維持できず途中で飽きてしまいます。
3.3 ガーデニング用品をそろえる
初心者が最低限そろえなければいけないアイテムは、近くのホームセンターやネットで購入できます。これからガーデニングを始める場合、専門的なアイテムは必要なく、自作でも充分に用意できます。
それでも、今後長くガーデニングを続けたい場合は、実際に園芸専門店に足を運び、店員さんにアドバイスをもらうことをおすすめします。
最低限必要なアイテム
- 鉢やプランター、鉢底網
- 土(鉢の場合は培養土、地植えは腐葉土など)
- 肥料
- スコップ
- 手ぶくろ
- じょうろ
- 園芸用ハサミ
- 清掃用具
上記のほかに、バケツと新聞紙は様々な場面で使うため、必須アイテムではありませんが、あるととても便利です。
4 花選びのポイント
初心者の方におすすめな花のポイントは、手入れが簡単で病気や虫害に強いことと、咲かせやすく長期間花をつけることです。これらのポイントは、見るべき場所を知っていることで、簡単に判別できます。
4.1 環境に合わせる
花は、四季によって旬があります。旬の時期を知っておくことで、花が1番元気な時期に購入することができます。逆に、旬の時期から外れた花を購入してしまうと耐寒性や乾燥耐性の問題から、花が咲かない場合や枯れてしまう場合があります。
加えて、ベランダでガーデニングを行う場合は日当たりの良さを、ビニールハウスなどの場合は日中の室温を確認しておきましょう。
4.2 茎の長さが短い花
花には、自分に不足しているものを補うために自発的に葉の広がりを抑えたり、茎の長さを伸ばす働きがあります。中でも、茎の長さが通常よりも伸びている場合、ショップの日当たりの悪い位置で保管されていた可能性があります。
こうした特徴を持っている場合、花全体に栄養が行き届いていないため、上手く開花しない場合が多いです。花を選ぶ際は、茎の長さが短く太いものを選びましょう。
4.3 葉の色が濃い花
葉の色は、花の健康を表すバロメーターです。葉の色が黄色く変色している場合、ショップのレイアウトの関係などで日当たりや湿度に問題があった可能性があります。
加えて、長い間売れ残っていた花は根詰まりを起こしており、栄養不足になっていることが多くあります。花を選ぶ際は、葉の色つやが良く、大きくずっしりとしているものを選びましょう。
4.4 花と芽のバランスが良い花
初心者の方が花を選ぶ際、すでに花が咲いていることに注目しがちですが、見た目の良さだけで選んでしまうと、花を楽しめる期間が短い場合があります。
花を選ぶ際は、花の根元にある小さな芽に注目しましょう。芽はこれから咲いてくるため、花と芽の両方がある株を選ぶことで、花を長期間楽しめます。
注意点としては、花がなく芽だけの株は避けましょう。初心者の方は花を咲かせることが難しいため、芽が花をつけずに旬を過ぎてしまうことがあります。
5 初心者向けの花を紹介
以下では、四季ごとにおすすめの花を紹介します。ガーデニングは準備に時間がかかるため、季節の中頃から準備し始めた場合は、その季節のおすすめではなく次の季節の花を参考にしましょう。
5.1 春におすすめの花
花 | 色 | 株の丈(cm) | 花が楽しめる時期 | 特徴 |
チューリップ | 赤、桃、オレンジ、白、黄、紫、黒 | 10~70 | 春 | 咲き方や花の色が多様 |
スーパーベナ | 赤、白、紫 | 20~30 | 春から秋の終わり | 耐寒性あり 多年草 |
マーガレット | 赤、桃、白、黄 | 20~30 | 春から夏初め、秋から冬始め | 多年草 花の色が変わる |
カレンデュラ | 黄、オレンジ | 10~60 | 春から夏初め | 一年草と多年草のものがある |
ヒアシンス | 赤、桃、白、黄紫、青 | 20 | 春 | 耐寒性あり 香りが独特 |
5.2 夏におすすめの花
花 | 色 | 株の丈(cm) | 花が楽しめる時期 | 特徴 |
サルビア | 赤、桃、オレンジ、白、紫、青 | 30~100 | 夏から冬始め | 耐暑性あり 宿根性の品種が多い |
スーパーランタナ | 赤、桃、白、黄 | 50 | 春から秋 | 多年草 |
ユーフォルビア | 赤、オレンジ、白、黄、紫 | 品種による | 夏 | 一年草、多年草、低木と品種が幅広い |
アンゲロニア | 桃、白、紫、青 | 30~100 | 夏から秋始め | 耐暑性あり |
ベゴニア | 赤、桃、オレンジ、白、黄 | 20~60 | 1年じゅう | 耐寒性と耐陰性がない 中級者向け |
5.3 秋におすすめの花
花 | 色 | 株の丈(cm) | 花が楽しめる時期 | 特徴 |
バーベナ | 赤、桃、白、紫 | 20~150 | 初夏から冬始め | 耐暑性あり |
ガザニア | 赤、桃、オレンジ、白、黄 | 15~40 | 春終わりから秋 | 日が当たると開花する |
コスモス | 赤、桃、オレンジ、白、黄 | 50~120 | 夏から冬始め | 土の質に関係なく開花する |
ゼラニウム(四季咲き) | 赤、桃、白 | 50~100 | 夏始め、秋 | 多年草 乾燥に強い |
ダリア | 赤、桃、オレンジ、白、黄、紫 | 品種による | 秋 | 品種によって、香りや大きさが異なる |
5.4 冬におすすめの花
花 | 色 | 株の丈(cm) | 花が楽しめる時期 | 特徴 |
クリスマスローズ | 桃、白、黄、紫、黒 | 30~60 | 冬から春終わり | 有茎種と無茎種がある |
シクラメン | 赤、桃、白、黄、紫 | 10~70 | 秋から春 | 花の大きさが様々 |
パンジー | 桃、オレンジ、白、黄、紫 | 15~20 | 秋から夏始め | 食用としても人気がある |
山茶花 | 赤、桃、白 | 100以上 | 秋から春 | ツバキに似ている 生垣作りに人気 |
ローズマリー | 桃、紫、青 | 30~200 | 1年じゅう | 食用や美容目的に利用される |
6 花の植え方
花の植え方は、種から育てる場合と苗から育てる場合で異なります。種から育てる方法は、難易度が少し高いため、初心者の方にはおすすめできません。こちらでは、苗から育てる場合の植え方を紹介します。
6.1 鉢植えの場合
- 鉢の底に鉢底網を設置する(害虫や根腐れの防止)
- 鉢底石を入れる(水はけの確保)
- 土を入れる(苗の高さを調整する)
- 苗をポットから取り出し、根をほぐしてから鉢に入れる
- 苗と鉢の間に土を入れる
- 水やりをして、根が表面に見える場合は、土を追加する
- 日陰で花を休ませる
花はとてもデリケートなため、ポットからプランターや鉢へ移動する時に疲れてしまいます。最後に花を日陰で休ませなければ、ストレスで徐々に元気をなくし、最悪の場合は枯れてしまいます。
6.2 地植えの場合
- 通常の土と腐葉土を、3:1の割合で混ぜる
- 苗を植える場所に穴を掘る(根の2倍の深さ)
- 1の土を少しとりわけ、肥料と混ぜて穴に入れる
- 1の土を入れる(苗の高さを調整する)
- 苗をポットから取り出し、根をほぐしてから穴に入れる
- 苗と穴の間に1の土を入れる
- 水やりをして、根が表面に見える場合は、1の土を追加する
地植えは鉢植えの場合と異なり、土の質を整える作業があります。土の質は様々な数値が重要になり、養分の種類や量に加えて、土が酸性かアルカリ性かなどを考えなければいけません。そのため、地植えは難易度が高くなっています。
7 花を育てるポイント
花を植えた後のケアによって、上手く開花するかどうかが決まります。上手く育てるポイントを抑えることで、花の病気を防ぎ寿命を伸ばすことが可能です。
7.1 風通しを良くする
花にとって風通しは、日当たりと同等以上に重要な環境条件です。風通しが悪いと、熱がこもり蒸れてしまいます。過度な湿気は、花にとって病気や原因となります。
基本的に、湿った土と距離が近い部分が蒸れやすいため、株の下側の葉を間引きましょう。下側の葉が黄色く変色している場合は、光合成が不十分で傷みやすい葉なので、優先的に切り取ることをおすすめします。
7.2 上手な水やり
花は根から水分と栄養以外にも、酸素を吸収しています。そのため、過度な水分は、花を窒息させ腐らせてしまいます。その一方で水分が不足すると枯れてしまいます。
鉢植えの場合、表面の土が乾かないようにこまめに水やりするのではなく、表面の土が乾いたタイミングで水やりをしましょう。ポイントは、日中ではなく朝か夕暮れに、鉢の底から水が出てくるまで、葉に水が当たらないように給水することです。
また、地植えの場合は、基本的に雨で十分に水分が補えるため、水やりは不要です。ただし雨が長期間降らない場合は、表面の土だけでなく、地中も乾いていることを確認して水やりをしましょう。
7.3 定期的なメンテナンス
定期的なメンテナンスとは、不要な枝や葉を取り除く剪定(せんてい)と、花に不足している栄養を補う追肥のことです。
剪定によって、密集している葉や病気になってしまった葉を切り取り、風通しを良くすると共に、栄養が必要な部分に届くようにしてあげましょう。
加えて、咲き終わった花がらを剪定することで、美観を保つだけでなく、次の開花を促すことができます。
また肥料は、植える際に与える元肥と、植えた後に定期的に与える追肥があります。追肥は開花期が終わった後に行います。その他にも、越冬する花は冬を超える際に栄養が多く必要なため、必ず追肥をしましょう。
8 まとめ
今回はガーデニングについて、メリット、準備するべきアイテム、初心者の方におすすめな花の選び方などを紹介しました。
ガーデニングは、
- ストレス解消ができる
- 子どもの想像力や試行錯誤する力を育てる
- テレワークによる運動不足が解消される
などのメリットがあります。
ガーデニングは、家族と一緒に身体を動かす趣味を探している方や、ストレス解消に効果的な趣味を探しているパパママにおすすめな趣味です。ぜひ、この機会に家族と一緒にガーデニングを始めてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。