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子育て中のパート時間の理想は?パートで働くメリット・デメリットを解説

2023.05.16

働 く

子育てしながら働きたいと考えるママは多くいます。フルタイム勤務は育児と仕事の両立をするにはハードルが高く、パート勤務なら可能なのでは? と考える人は多いです。しかし、勤務時間をどのくらいに設定すれば、余裕を持って子育てと仕事を両立できるのかがわからないとの声があります。

パート勤務を希望する人にとって、保育園に入所するために必要な月64時間を満たすかどうかは重要です。ひとつの基準として、週3日なら1日5.5時間程度働けば要件を満たせますが、どのくらいの負担になるのかは人によって違うのでイメージが難しいです。

そこで今回は、パートで働くメリットとデメリット、理想の働き方を解説します。ぜひ最後までチェックして、自分に合った働き方を見つけてください。

この記事はこんな方にオススメ

  • パートで働く条件を知りたい
  • パートで辛くない勤務日数を知りたい
  • 週3~5日で働き方がどう変わるのかを知りたい

パートで働くなら時間や条件をおさらいしておこう

パートで働く場合、まずは雇用条件を事前に確認することが大切です。正社員と違ってパートは非正規雇用です。しかし、労働条件によっては正社員と同じように有給休暇や雇用保険などの福利厚生を受けられます。

どのような条件で雇用されるかを知ることは、雇用契約を結ぶ際に不利益を被ることを防ぐことができます。最低でも以下の4つの条件は確認しておきましょう。

  • 有給休暇
  • 社会保険
  • フルタイムで働けるか否
  • 扶養の範囲内で働く条件

それぞれ詳しく解説していきます。

 

パートでも有給休暇は貰える

アルバイトやパート勤務でも有給休暇は発生します。

  1. 6ヵ月継続勤務をしている
  2. 全労働日の8割以上出勤している

基本的には上記の2点を満たす必要があります。また、週5日の出勤をしている人であれば、6ヵ月経過後の有給は10日間支給されます。その後は毎年1日ずつ増え、6年半以上になれば有給休暇は20日付与されます。有給休暇の上限は20日となっているため、6年半を超えた後は毎年の付与日数は20日です。基本的には有給休暇は2年間有効なので、使えなかった分は消えていく会社が多いです。

パートで働く人に知っていてほしいのが、週所定労働日数によって有給の付与日数が変わることです。

 

  • 週4日…6ヵ月雇用継続で7日
  • 週3日…6ヵ月雇用継続で5日
  • 週2日…6ヵ月雇用継続で3日
  • 週1日…6ヵ月雇用継続で1日

 

上記のように、週の勤務日数によって付与日数が変わります。パートで働くなら、有給付与の条件は知っておきましょう。有給休暇は正社員だけのものではなく、全ての労働者に与えられる制度です。

参考:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf

 

労働時間によっては社会保険に入れる

パートであっても労働条件を満たしていれば、社会保険に加入できます。2022年10月以降社会保険への加入条件が緩和されて、より多くのパート勤務の人が社会保険に入れるようになりました。

 

(従業員数が101人以上の企業で働く人の場合)

  • 週20時間以上働いている
  • 月の収入が8.8万円以上
  • 2ヵ月を超える雇用が見込まれている
  • 学生ではない

 

上記の条件を満たしていれば、社会保険へ加入できます。制度が拡大される前は、社会保険への加入義務は「年収130万円を超えたら」でした。しかし社会保険制度への加入条件が広がったことで、月8.8万円(年収106万円)を超えたら配偶者の扶養から外れて、社会保険に加入することになります。

手取り収入を月8.7万円以下に抑えていれば社会保険負担は0円です。ただし、月8.9万円を超えると健康保険と厚生年金で1.5万円弱が天引きされ、手取りは月7.4万円になります(東京都の場合)一見手取りが減るので損をした気分になるかもしれません。

しかし、将来的には受け取れる年金が増えるため、考え方によっては損とは言えないです。将来の保証と現在の手取り、どちらが自分にとってお得なのかを考えて両方を見て判断しましょう。

 

希望する場合は正社員と同じフルタイムが可能

従業員の法定労働時間は「1日8時間・週40時間」までと定められています。この時間を超えて働く場合は、残業扱いになります。労働時間の上限ルールは、正社員だけでなくアルバイトやパートも適用の対象です。

つまりパート従業員でも希望すれば、正社員と同じフルタイム勤務ができます。フルタイム(8時間、1時間休憩あり)の場合、残業になれば25%の割増賃金が発生します。1か所でフルタイム勤務ができない場合、2つ以上のパート先の掛け持ちでの勤務も可能です。

複数の仕事を掛け持ちする場合には、後から雇用される会社の人に必ず掛け持ちであることを伝えてください。1日8時間、週40時間の労働時間以内であれば問題ありませんが、超過する場合、後で雇用した雇用主が割増賃金を払わなければならなくなります。

労働時間に関する規定は、雇用形態ではなく全労働者に同じ法律が適用されます。パートでたくさん働きたいのであれば、雇用される際に事業者に相談しましょう。

 

【POINT】
思いっきり働きたい人はフルタイム勤務がおすすめです。1日8時間、週40時間以上働くかどうか決めておくことが重要です。
 
 

扶養の範囲内で働く場合の条件

扶養の範囲内でのパートを希望している場合は、扶養される条件をきちんと確認しておきましょう。

(夫がメインで働き妻が扶養されるものとする)

  1. 103万円の壁…妻の収入に所得税がかからない・配偶者控除を受けられる上限
  2. 106万円の壁…一定条件を満たしていれば社会保険への加入が発生
  3. 130万年の壁…夫の社会保険の扶養から外れる。社会保険以外なら国保に加入

上記の3つが主な壁と言われるものです。配偶者控除は年38万円ありますので、年収によっては壁を超えると損をする可能性があります。配偶者の扶養の範囲内で働くのか、あるいは扶養の範囲を超えるのかを迷っている場合は、3つの壁を元に計算しお得な方を選んでください。

パートで働くメリットとデメリット

パートで働くことにはメリットとデメリットがあります。育児中に仕事を始める場合、まずはパートを考える人は多いです。気軽に働けるメリットがある一方で、しっかり働きたい人にとっては物足りなさを感じてしまうデメリットがあります。

メリットとデメリットをチェックして、自分にあった働き方を見つけましょう。

 

パート勤務のメリット

パート勤務のメリットは下記の通りです。

  • 割り切って働ける
  • 正社員より楽に働ける
  • 自由な働き方ができる
  • 育児との両立がやりやすい

パート勤務はライフスタイルに合わせた働き方を叶えられるのが魅力です。週2日から週5日の中で勤務日数を自ら設定できるため、扶養の範囲内で働けます。パート勤務は非正規雇用なので、正社員と違って業務範囲が狭く残業の可能性も低いです。ライフスタイルを優先したい人にとっては、パート勤務が向いています。

 

パート勤務のデメリット

パート勤務のデメリットは下記の通りです。

  • 雇用が不安定
  • 収入が少なくなる
  • 疲れて家事ができない
  • 職場で居心地の悪さを感じる
  • もう少し働きたくてもシフトに入れない

パート勤務には、有期契約と無期契約があります。有期契約の場合、

契約期間が5年を超えると無期雇用への転換を求めることが可能です。無期雇用には契約満了がないので、契約更新してもらえないのでは? という不安から解放されます。

パートで短時間勤務をする最大のデメリットは、希望するシフトに入れない可能性や、雇用が終了する可能性があることです。

 

子育てパートってしんどい?ママたちの働き方を紹介

子育て中のパート勤務は自由に働ける反面、つらい思いをすることも多いです。パート勤務がつらい・しんどいと言われるのは、職場の人間関係だけでなく体力面での問題があります。保育園や幼稚園のスケジュール優先で、その合間に仕事をするのはキャパシティ次第ではつらくなる人もいます。

育児と仕事の両立を考えた時に理想だとされるのが、週3日の短時間パートです。扶養の範囲内を超えたくない人や、毎日仕事に行くのが苦手な人に適しています。理想の週3日から4日に増えたらどうなるのか? そして週5日働く場合の実情を解説します。

 

理想は週3日の短時間パート

週3日が理想とされるのは、時間的な余裕を持って育児と仕事の両立が叶うためです。週3日勤務だと、週4日がお休みになります。

週3勤務時のお休みのパターン

  1. 土日+平日2日
  2. 日曜日+平日3日
  3. 土曜日+平日3日

週3日の魅力は、時間的な余裕が持てるのはもちろん、子供の習い事への送迎や自分自身のリフレッシュが可能です。

週3日勤務の場合、平日の急なスケジュールに対応できなかったり、心の余裕がなくて家庭内がギクシャクしたりする可能性がなくなります。週3日勤務といっても、1日5時間なのか1日4時間なのかでも負担は変わるため、自分にあったベストな時間を見つけましょう。

ちなみに、保育園に入るために必要な月64時間をクリアするには、週3日勤務の場合1日5.5時間必要です。仮に時給を1000円だとすると、週3日勤務なら扶養の範囲内で働けます。家事と育児の両立が叶えられる理想の働き方だとされているのが、週3日のパート勤務です。

 

週3日と週4日での働き方の変化

出勤日を週3日から週4日に増やすと、たった1日なのに負担が大きくなるとの声が多いです。仕事内容次第ですが、出勤日が1日増えるだけで自由時間が一気に少なくなります。そのほかにも週4日勤務がきついと感じるのは下記のような理由があります。

  • 自由時間が減る
  • 仕事が合わない
  • 体力が削られてしまう
  • 気持ちに余裕がなくなる
  • 仕事のストレスが溜まってしまう

気力や体力面でのキャパシティーは、個人によって違うのでキツイ・つらいと感じたら無理しないのが1番です。出勤日が1日増えるだけで、気持ちや体力の余裕がなくなるとの声は非常に多いです。同じ週4日勤務でも、1日3時間なのか5時間なのかで負担は変わります。もちろん出勤日を1日増やすと給与面で余裕が出るので、家計と気持ちの余裕のバランスを見極めて勤務日数を決めましょう。

 

週5日のパートはしんどい?実情を紹介

週5日勤務のパートがしんどいかどうかは、職場によってかなり変わります。

  • 人間関係が良好
  • 職場が家から近い
  • 仕事内容が自分にあっている
  • 1日5時間のような短時間勤務

上記のような働きやすい環境なら、週5日勤務はしんどくないといえます。しかし、仕事を始める前が専業主婦だった場合には、仕事自体がつらいと感じる可能性があります。

週5日のパート勤務をしていると、よく言われるのが「正社員にならないの?」という意見です。週5日勤務のパートで多いのは、1日5時間の短時間労働です。正社員なら1日8時間が基本ですし、本来の業務以外のイレギュラーな業務を断れないこともあります。

単純に自分の業務だけをしていたい人や、社員のようにさまざまな負担をしたくない人にとっては、ボーナスなしでもパートの方がメリットが大きいです。週5日勤務のパートがしんどいかどうかは、職場の人間関係がかなり重要です。

ただ、1日何時間働くのかにもよりますが、フルタイムなら周囲の協力は必須です。週5日勤務のパートであれば、5〜6時間の短時間がおすすめです。

【POINT】
まずはお試しで短い時間働いてみるのがおすすめです。フルタイムにするかどうかは実際の労働環境や状況を踏まえて考えるといいでしょう。
 
 

幼稚園ママでパートは疲れる・しんどいと言われるのはなぜ

幼稚園ママがパート勤務をすると疲れる・しんどいと感じるのは、幼稚園の預かり時間が短いためです。保育園とは違い、幼稚園では長時間の預かりは基本的にはなく、保護者が参加しなければならない行事がたくさんあります。

平日の親子遠足や授業参観など、園によって詳細は異なるもののパート勤務をスムーズにこなす時間的な余裕がないと感じる人が多いです。幼稚園の基本的な預かり時間は9時から14時で、週に1日午前保育がある園もあります。

お迎えの時間が早いと、残業ができなくなります。職場によっては、定時で帰りにくい雰囲気があるところもあるため、幼稚園ママで時間的な余裕がないことが辛く感じてしまうのです。

幼稚園ママがパート勤務をするなら、定時で帰れることや、時間の融通があまり効かないことを最初に話し合っておきましょう。最初に条件をすり合わせておけば、後でつらい思いをする可能性が低くなります。

 

パートで働く5つの理由

パートで働くのにはさまざまな理由があります。家計の足しにしたいのが最も多い理由ではありますが、専業主婦で育児1本というのがつらいからとの声もあります。正社員で働くよりは時間的な余裕があるのは事実です。まずはパートで仕事復帰をしておいて、時機を見て正社員を目指す人もいます。ここでは主な理由を5つ紹介します。

 

1. 家計の足しにしたいから

多くの人がパート勤務を選ぶ理由は、家計の足しにしたいからです。配偶者の給与だけで暮らせないことはないが、子供の習い事や保育園代、そして将来の学費のための貯蓄など、お金は多くて困ることはありません。自分自身がパートで働いて、少しでも家計にプラスになればという思いを持っています。

また家計の足しにはしなくても、自分のお小遣いを稼ぎたいという人もいます。配偶者からお小遣いを貰うよりは、自分で稼いで自由に使いたいとの思いがあるようです。少しでも世帯収入を高くして、生活を楽にしたい思いからパートを始める人はたくさんいます。

 

2. 社会と繋がっていたいから

育児に専念している専業主婦の場合、大人と話す機会はほぼなくなります。毎日同じルーティンで過ごしていると、社会との接触が薄れ、孤立感を感じる人は少なくないです。このような状況をなくすためにパート勤務を選ぶなら、良好な人間関係を築ける職場を選びましょう。

職場で人と関わることで、ストレスが軽くなったり「誰かと話したい」という欲求が消えたりします。人との交流がストレス解消につながるタイプの人は、パート勤務が向いている傾向にあります。

 

3. 育児から離れる時間が欲しいから

育児中は本当に心の余裕がなくなります。育児から離れる時間がないと、うつ状態になってしまう人も珍しくありません。心の余裕がなくなってくると、子供にきつく当たってしまったり家庭内で喧嘩(けんか)が増えたりと、子育てにいい環境を作れません。

育児だけの時間がつらいと感じる人は、パートに出ることでリフレッシュできます。社会との関わりもそうですし、子供と離れることで子供と一緒にいる時間をより楽しめるようになったとの声もあります。子供とずっと一緒にいるのがつらいなら、育児から離れる時間をぜひ作ってください。

 

4. 育児との両立ができるから

育児との両立を考えると、パートで週3〜5日で働くのがベストとの声は多いです。正社員なら働く時間を選べませんが、パート勤務ならある程度自由に働く時間を選べます。同じ週3日でも1日3時間の人もいれば、1日5時間の人もいます。自分が辛くならない範囲で働くと、育児との両立がやりやすいです。

パート勤務のメリットは、気持ちに余裕を持って働けることです。仕事だけでなく家庭やプライベートの時間も大切という人にパート勤務は人気です。

 

5. 正社員で働く時間や気持ちの余裕がないから

正社員で働くのは、パートフルタイムとは全く違う大変さがあります。育児中は勤務時間を短くする時短勤務が使えますが、正社員の場合は「子育て中だから」と業務を軽くしたり、イレギュラーな業務を断ったりすると職場の雰囲気が悪くなってしまうところもあります。

正社員はパートにはない責任感や、重要な業務が求められます。だからこそ、正社員で働くには周囲のサポートや時間、心の余裕が必要になります。追い詰められずに仕事と育児をしたい人にパート勤務が選ばれています。

 

保育園に入園するためのパートでの働き方

パート勤務をするなら、子供を預けるために保育園への入所が必要です。保育園への入所条件は、住んでいる地域の待機児童数によって異なります。保育園に入所をするための基本的な条件を紹介します。

 

保育園に預けられるのは月64時間以上

全国共通の保育園の入所条件は「2号認定・3号認定」を取ることです。この認定を受けるには、、両親ともに働いていて、保育の必要性があると認められる必要があります。

  • 2号認定…子供の年齢が満3歳以上で通園する人
  • 3号認定…子供の年齢が0~満3歳未満で通園する人

2号と3号の違いは、子供の年齢です。専業主婦であれば1号認定になるため、保育園には通えません。そして保育園に通うための認定を得るのに必要な勤務時間が最低月64時間必要です。月64時間の勤務時間は週3日勤務であれば、1日5.5時間が目安になります。

パートで働くのであれば、まずは認定が取れる月64時間以上を目指しましょう。64時間を下回ると、専業主婦と同じ1号認定となり、保育園には預けられません。

保育標準時間は月120時間以上必要

保育標準時間で子供を預けたい場合は、月120時間以上の勤務を目指しましょう。保育園の利用時間は、下記の通りです。

  • 保育標準時間…原則11時間以内
  • 保育短時間…原則8時間以内

働く時間によって利用できる時間が異なります。保育短時間の場合は、1分でも過ぎると延長料金がかかります。保育標準時間に必要な月120時間は、週5日勤務で1日6時間勤務で達成できます。この時間には休憩時間を含みます。希望する保育園の利用時間に合わせた勤務時間を検討しましょう。

 

まとめ

子育て中の多くの人は、正社員よりもパート勤務を選択しています。パート勤務は自由な勤務時間や勤務日を選べることが魅力です。自分のライフスタイルに合ったパート勤務を選ぶことで、心に余裕をもって働けます。さまざまな勤務スケジュールから、自分が働きやすいシフトを見つけて、無理のないパート勤務をやってみてください。

 

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hauska編集部

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料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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