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アンガーマネジメントのテクニック7選!子育て中のイライラにも効果的

2023.01.06

暮らす

仕事や育児で怒りっぽい自分に疲れてしまうことはありませんか。イライラする毎日が続くとストレスばかり溜まってしまいます。

本記事では、自分の怒りの特徴を知り上手に付き合っていくための「アンガーマネジメント」について紹介します。すぐに実践できる7つのテクニックも紹介しているので、怒りっぽい自分に疲れてしまうという方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな方にオススメ

  • アンガーマネジメントを覚えたい
  • 自分の怒りのタイプを知りたい
  • イライラの対処法を知りたい

もくじ

1 アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは

まずはアンガーマネジメントの基礎知識について紹介します。

 

1.1 アンガーマネジメントの意味

「アンガーマネジメント」とは、直訳すると「怒りの管理方法」という意味になります。自らの怒りと向き合いコントロールするための心理トレーニングとして、1970年代のアメリカで生まれました。現在はビジネスや人材マネジメントで幅広く活用されています。

 

1.2 怒りのメカニズム

人間には怒りが発生するメカニズムがあります。人が怒りを感じるポイントは「自分が大事にしてきた価値観や常識、理想が裏切られたとき」です。

例えば「打ち合わせ相手が遅刻。待たされてイライラした」という経験はありませんか。自分の中に「人を待たせてはいけない」という価値観がある場合、相手が自分の価値観から外れた「遅刻」という行動をとると怒りの感情が現れます。

「〇〇すべき」という考えが強いほど、イライラが出やすいと言えるでしょう。

 

1.3 アンガーマネジメントの必要性

人間にとって「怒り」は決して悪い感情ではありません。自らを守るために自然と湧き上がる感情です。

しかし、ビジネスや子育てで怒りに任せて感情を爆発させては、仕事も人間関係もスムーズに進められません。アンガーマネジメントを活用し怒りの感情とうまく付き合うことは、社会生活を送るうえで必要不可欠なのです。

【POINT】
「怒り」は人間の自然な感情です。しかし、感じた怒りをそのまま人間関係に持ち込むと、トラブルの元となります。
怒りを自覚し、マネジメントできるようになるアンガーマネジメントを身につけることは、“大人のたしなみ”と言っても良いでしょう。

 

2 アンガーマネジメントのメリット3つ

アンガーマネジメントのメリット3つ

自分の怒りとうまく付き合うことで得られる、代表的な3つのメリットをご紹介します。

 

2.1 仕事や子育てのストレスが減る

怒りに対処できるようになると、大幅なストレス減少が期待できます。怒りの感情は多くのエネルギーを消費するからです。アンガーマネジメントを知れば「正しく怒れる」ようになるため、心理的なストレスが減るでしょう。

 

2.2 自己嫌悪が減る

怒りをコントロールできるようになれば、すぐに怒ってしまう自分に対する自己嫌悪が少なくなるでしょう。特に子育てにおいて「いつも子どもにイライラをぶつけてしまう」と悩んでいる方にとって、アンガーマネジメントは有効です。

 

2.3 人間関係がよくなる

感情のままに怒りをぶつけることがなくなると、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。自分の怒りを理解して、思っていることを理性的に伝えられるようになるからです。コミュニケーションがスムーズになれば、仕事でも家庭でも人間関係がよくなるでしょう。

 

3 あなたはどのタイプ?怒りの6タイプを紹介

あなたはどのタイプ?怒りの6タイプを紹介

「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会」では、人間の怒りを6つのタイプに分類しています。自分の怒りに近いタイプを知っておきましょう。

参照元:無料アンガーマネジメント診断 | 【公式】日本アンガーマネジメント協会

 

3.1 公明正大【熱血柴犬タイプ】

公明正大は曲がったことが嫌いな正義感の強いタイプです。社会のルールや規範から外れることを嫌い、守れない相手に対して怒りを感じやすいのが特徴です。自分自身の正義をしっかり持っているため他者へのジャッジをしやすく、人間関係のトラブルも起こしやすいでしょう。

 

3.2 博学多才【白黒パンダタイプ】

博学多才は向上心がある完璧主義者です。物事に白黒をつけたがるため、はっきりしない相手や決断が遅い相手に対してイライラしやすいという特徴があります。完璧主義のため、自分にも他人にも厳しく接します。

 

3.3 威風堂々【俺様ライオンタイプ】

威風堂々は自尊心が高く、自分の価値観に対して誇りと自信を持つタイプです。プライドが高いために周囲からの評価を気にしやすく、自分の思い通りにならない場合にイライラが溜まりやすいのが特徴です。理想と現実のギャップにストレスを感じやすいでしょう。

 

3.4 天真爛漫【自由ネコタイプ】

天真爛漫は自分の感情に素直に動くタイプです。自由気ままに行動し、感情をストレートに伝えるという特徴があります。自立心が強く行動を制限されることを嫌います。自信なさげな相手や意見を言えない相手を見ると、イライラやストレスが溜まりやすくなります。

 

3.5 外柔内剛【頑固ヒツジタイプ】

外柔内剛は、穏やかに見えて自分の意思は決して曲げないタイプです。自らの考えやルールを優先するため、意見は聞いても従わないタイプと言えるでしょう。我慢強い反面、自分のルールに反する出来事があるとイライラを感じやすくなります。

 

3.6 用心堅固【慎重ウサギタイプ】

用心堅固は人間関係に慎重なタイプで、パーソナルスペースを人一倍広くとるのが特徴です。気が利いて愛想がいいという一面とは逆に、人間関係でストレスを溜めやすいでしょう。人と距離をとって接する分、プライベートに踏み込まれるとイライラを感じやすくなります。

 

4 アンガーマネジメントで重要な2つのポイント

アンガーマネジメントで重要な2つのポイント

アンガーマネジメントには様々なテクニックがありますが、中でも重要なポイントを紹介します。

 

4.1 イライラが起きたら6秒待つ

1つ目のポイントは「イライラしたら6秒待つ」ということです。一般的に怒りのピークは6秒と言われています。6秒間をやりすごすことで、怒りのままの行動を防止できるのです。

とはいえ、突発的な怒りの中で6秒間を冷静に待つのは非常に難しいのも事実です。衝動的に動きやすい人は「イラっとしたらその場を離れる」など、普段と違う行動を心がけてみましょう。

 

4.2 「~すべき」という考えを見直す

人は自分の中で「こうあるべき」というルールを持っています。そのため、他人が自らのルールに合わない言動をとったときに怒りを感じます。

ルールを守ることは大切ですが、怒りのコントロールという視点では「~すべき」の範囲を広げることも重要です。十人いれば十人分のルールがあり、自分のルールが全てではないと考えるだけでもイライラが減るでしょう。

【POINT】
怒りをマネジメントするには、怒りと距離を置くことが大切です
・「6秒数える(時間的距離の確保)」
・「その場を離れる(物理的距離の確保)」
・「~すべきと考えない(心理的距離の確保)」
このうち、やりやすいものからチャレンジしてみてください。

 

5 すぐ実践できるアンガーマネジメントのテクニック7選

すぐ実践できるアンガーマネジメントのテクニック7選

日常生活の中ですぐに実践できるアンガーマネジメントのテクニックを紹介します。

 

5.1 深呼吸をする【呼吸リラクゼーション】

1つ目の方法は「呼吸リラクゼーション」です。イライラが溜まってるときは、まず大きく深呼吸してみましょう。怒りの感情が出ているときは交感神経が優位に立っていますが、深呼吸することで副交感神経が優位になるからです。

イライラやモヤモヤを吐き出す気持ちで深呼吸をすれば、怒りのピークも自然とおさまってくるでしょう。

 

5.2 思考を止める【ストップシンキング】

2つ目の方法は「ストップシンキング」です。怒りの瞬間は我を忘れがちですが、イライラが出たタイミングで「何も考えない瞬間」を作ることで冷静になれる、というテクニックです。

イライラが出てきたなというタイミングで「ストップ!」と心の中で唱えてみましょう。一瞬でも思考が止まれば、怒りのストッパーになります。

 

5.3 怒りを数値化する【スケールテクニック】

3つ目は怒りの度合いを数値化して考える「スケールテクニック」です。これまでの人生にあった最大の怒りを10として、今の怒りが何点になるかを考えます。

繰り返していると「10に比べれば6ぐらいかな」と冷静に観察できるようになり、自分のイライラの度合いを客観的に見られるようになります。

 

5.4 心を落ち着かせる言葉を唱える【コーピングマントラ】

4つ目は「コーピングマントラ」という方法で、イライラしたときに心を落ち着ける言葉を唱えるというものです。

  • どうってことない
  • 大丈夫、大丈夫
  • 小さいことは気にしない

上記のような心を落ち着かせる言葉を決めておき、怒りの感情が出たときに頭の中で唱えます。唱えることで怒りのピークが過ぎ、気持ちも落ち着いてくる効果があります。

 

5.5 目の前の物を観察する【グラウンディング】

5つ目は「グラウディング」という方法です。イライラが始まったら、ペンでもノートでも構わないので、目の前にある物をじっくりと観察しましょう。怒っている最中は脳内が怒りに支配されていますが、目の前のものを観察することで思考が切り替わり、イライラする気持ちが落ち着きます。

 

5.6 数字を数える【カウントバック】

6つ目は数字を数えて怒りを鎮める「カウントバック」という方法です。ただ数字を数えるよりは「100から3ずつ引いてく」というように、頭を使う複雑な方法がおすすめです。計算に意識を集中することで、怒りの衝動が抑制されます。

 

5.7 一旦その場を離れる【タイムアウト】

7つ目は「タイムアウト」です。怒りの感情が爆発しそうになったり、相手を強く非難してしまいそうなら「少し席を外します」と言って、一旦その場を離れましょう。場所を変えることでお互いが冷静になり、怒りのピークも過ぎるメリットがあります。

 

6 子育て中に怒りを爆発させないためのコツ

子育て中に怒りを爆発させないためのコツ

アンガーマネジメントと合わせて、育児中の怒りとの付き合い方を知っておきましょう。

 

6.1 子どもに対しての許容範囲を広げる

子育てのイライラを減らすには、子どもに対する許容範囲を広げることが大切です。自分のルールを子どもに当てはめると、子どもがルール以外の行動をしたときに怒りの感情が出てくるからです。

まずは子どもと自分を切り離し、子どもの価値観を尊重しましょう。「子どもには子どもの考えやルールがある」というように許容範囲を広げることで、怒りのレベルも下がっていきます。

 

6.2 自分のイライラポイントを知る

子育て中の自分のイライラポイントを知ることも重要です。「忘れ物をしやすいからイライラする」「宿題をしないからイライラする」など、怒るポイントが分かれば「登校前に持ち物チェックをする」「一緒に勉強の計画を立てる」など対策がとれるようになり、解決へ導くことができます。

【POINT】
子育て中は思い通りにいかず、イライラの連続です。
自分が怒りを感じやすい場面を自覚し、意識的にアンガーマネジメントできるようにチャレンジしてみましょう。

 

7 アンガーマネジメントを使った子どもの𠮟り方

アンガーマネジメントを使った子どもの𠮟り方

子どもの叱り方で悩む方へ、アンガーマネジメントの活用方法を紹介します。

 

7.1 リクエスト形式で伝える

子どもに対しては感情のまま叱るのではなく、アンガーマネジメントで衝動を抑えた上で「こうしてほしい」というリクエスト形式で伝えましょう。ただ怒りを伝えるだけでは、子どもはどうすればいいのか分からないからです。

「今度はこうしようね」というように、理性的に伝えるためにもアンガーマネジメントは有効です。

 

7.2 解決思考で伝える

子どもの失敗に対しては「次回はどうすればいいか」という解決思考で伝える必要があります。怒るだけでは何も解決せず、イライラが延々と続いてしまうからです。

アンガーマネジメントは「自分は何に怒っているのか」を知るきっかけにもなるため、活用することで親子で解決思考で動けるようになります。いつも子どもを怒ってばかりという方ほど、アンガーマネジメントを日常生活に活用してみましょう。

 

8 子どもを叱って自己嫌悪になったら?

子どもを叱って自己嫌悪になったら?

イレギュラーが多い子育てでは、イライラのまま子どもを叱って自己嫌悪になる方も少なくないでしょう。辛いときには自分を責めず「私なりに子育てを頑張ってるんだな」と自分で自分を褒めることが大切です。イライラするのは、子どものためを思い子育てを頑張っている証拠なのです。

 

9 怒りは無理にコントロールしようとしないことも大切

怒りは無理にコントロールしようとしないことも大切

「怒りは悪いものだから抑えないといけない」と思う必要はありません。アンガーマネジメントは、怒りを無理矢理抑える方法ではなく、上手に付き合うためのテクニックです。

無理に怒りを抑え込み、結果的にストレスを溜めては本末転倒です。「イライラがたまったら一人カラオケに行って大声を出す」など、ときには抑え込むより発散する方法も活用しましょう。

 

10 アンガーマネジメントで怒りと上手に付き合おう

アンガーマネジメントで怒りと上手に付き合おう

アンガーマネジメントで大切なことは「自分の怒りのポイントを知り上手に付き合っていく」という意識です。喜怒哀楽というように、怒りは人間にとって必要な感情です。怒りを敵視するのではなく、共存していくためのアンガーマネジメントと思えば、肩の力を抜いて取り組めるようになるでしょう。

本記事で紹介したテクニックを参考に、まずは自分のイライラと向き合うことから始めてみましょう。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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