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子育てしやすい家の間取りとは?暮らしやすい家づくりのポイントも解説

2022.08.05

暮らす

「将来のことを考えるにあたって、住居も含めて徐々に家族計画を固めていきたい」「子育てをするならどんな家が向いているのだろう」。このような考えや悩みを持っているパパやママはいないでしょうか。

この記事では、賃貸と持ち家の比較や間取り別のメリット・デメリット、子どもの年齢に応じた住宅の役割などを解説していきます。子育てに適している家についてもっと深く考えていきたい人はぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな方にオススメ

  • 子育ては賃貸と持ち家、どちらがよいかを知りたい
  • 子育てに適した家の広さや間取りを知りたい
  • どんな環境の家が子育てに適しているか知りたい

1 子育てをするなら賃貸?持ち家?

これから子育てを始めようとするパパやママの中には「子育てをするなら賃貸と持ち家、どちらがいいのかわからない」と悩んでいる人がいるかもしれません。

はじめに、賃貸と持ち家それぞれのメリット・デメリットを簡単に紹介します。双方の特徴をつかみ、どちらにするのかを決める参考としてください。

 

1.1 賃貸のメリット・デメリット

賃貸のメリットは、「いつでも引っ越しができる」点です。家族が増えて家が手狭になったときや、学校の近くに住みたいとなったときでも、賃貸なら簡単に引っ越しできます。学校や近所付き合いでトラブルに遭った際も、柔軟に住む場所を変えられるでしょう。

一方、デメリットは間取りや広さが自動的に決まってしまう点です。持ち家のように自由にリフォームできないため、暮らし方を住宅に合わせる必要が出てきます。

 

1.2 持ち家のメリット・デメリット

持ち家のメリットは、「家そのものが自分の資産になる」点です。お金が必要になったときに住宅を売却したり、融資の担保としたりもできるため、資産価値を重視する人には向いています。

また、賃貸物件では「家を傷つけてはいけない・汚してはいけない」といった意識が働きがちですが、持ち家であればその心配は多少軽減されます。特に、子どもが小さいうちには安心材料でしょう。

一方、デメリットは気軽に引っ越しができない点です。子どもの進学状況に合わせて、また人間関係で何かトラブルがあった際など、引っ越したいと思っても柔軟には対応できなくなります。

 

2 間取り別にみる家族の暮らし

間取り別にみる家族の暮らし

間取りを考える際には、家族の人数や部屋割など、多くの点を考慮しなければなりません。極端な例ですが、5人家族が1LDKの家に住むのは物理的に難しいでしょう。また、家族構成と間取りの組み合わせによっては、メリットやデメリットも異なってきます。

そこでここからは、間取り別にどのような暮らしが実現できるのかを紹介していきます。1LDKから3LDK以上までを解説しますので、間取り決めに悩んでいる人は要チェックです。

 

2.1 1LDKでの生活に向いている家族

1LDKは、リビングと居室の2部屋から成る間取りです。1LDKには、パパ・ママ・小学生に上がる前の子どもの3人家族などが向いています。

<1LDKのメリット>
1LDKはリビングと寝室とを分けられるため、「遊ぶ場所や食事をする場所」と「寝る場所」を明確に区別できます。過ごす時間や過ごし方によって生活場所を変えられるので、子どもだけではなくパパやママにとってもメリハリのある生活が送れるでしょう。

さらに1LDKには対面キッチンを採用している物件も多く、料理をしていても子どもの様子を見守れる環境が整っています。

<1LDKのデメリット>
1LDKのデメリットは、子どもが2人以上の生活には手狭になる点です。将来的に2人以上の子どもを考えるなら、1LDKは避けたほうが無難でしょう。またベビーカーや子どものおもちゃなど、収納に困る可能性も高くなります。

子どもが成長したときに「子ども部屋」を用意するのも難しい、夫婦間のプライベートも保ちにくくなるといったデメリットもあるため、期間を定めて一時的に住む場所と割り切るのもいいかもしれません。

 

2.2 2LDKでの生活に向いている家族

2LDKは、リビングと個室2部屋が備えられた間取りです。この間取りは1LDKと同じく、パパ・ママ・子ども1人の3人家族までが向いています。しかし1LDKとは異なり、子どもが成長しても長く住み続けられる点が大きな特徴です。

<2LDKのメリット>
2LDKのメリットは、夫婦や子どもが生活するために充分なスペースが確保できる点です。リビングの他に2つ部屋がある点を生かし、「寝室を分ける」「寝室+子ども部屋」「寝室+フリースペース」など、自由に用途を組めるでしょう。部屋が多ければそれだけ家族の生活の幅が広がっていきます。

子どもが小さいうちはリビングや寝室で一緒に過ごしつつ、小学校に上がったら子ども部屋を用意してあげるなど、成長に合わせて柔軟に環境を変えてあげられる点も魅力です。

<2LDKのデメリット>
2LDKのデメリットは、子どもが2人以上となると一気に手狭になる点です。子ども1人に1つの部屋を用意したいと考えたときに、子どもが2人以上だと部屋の数が足りなく感じる可能性があります。特に子どもの性別が異なる際には、子ども同士のプライバシーにも配慮が必要となるため、一層手狭感があるかもしれません。

 

2.3 3LDK~での生活に向いている家族

3LDKは、大きなリビングと個室3部屋が備えられた間取りです。2LDKよりさらに広い間取りであるため、パパ・ママ・子ども2~3人までの家族が向いています。将来的に「狭さ」や「部屋の足りなさ」が原因で引っ越す必要も少ない点が特徴です。

<3LDK~のメリット>
3LDL以上の間取りだと、3人だけでなく4人以上の家族であってもゆとりのある環境で暮らせます。子ども部屋を用意してあげられるだけでなく、夫婦のプライベートを保つための部屋や趣味用の部屋を用意することもできるでしょう。

<3LDK~のデメリット>
3LDK以上の間取りの場合は、有効活用しないと部屋を余らせてしまう可能性が出てきます。全員で何人家族となる予定なのか、何歳ごろから子ども部屋を用意するのかなど、周到に計画を立てて各部屋の活用方法を考えましょう。

また、地域差もありますが部屋が増えるに従って家賃が高額となりがちな点もネック。収入と相談をしながらどの間取りの部屋に住むのかを決めましょう。

 

3 子育てしやすい間取りのポイント

子育てしやすい間取りのポイント

子育てをしやすい家には、「収納スペースが多い」「対面型キッチンで子どもが見守れる」などさまざまな特徴があります。その一つひとつのポイントを押さえておくことで、子どもにとってもパパ・ママにとっても住みよい環境が手に入るでしょう。

ここからは、子育てしやすい間取りのポイントを9点解説します。

 

3.1 各所に設けられた収納スペース

子どもや配偶者など家族が増えることで、必然的に家具や小物などの数は増えていきます。特に子どもが小さいうちには、おもちゃや絵本、子育てグッズなど数多くのアイテムが必要になりがちです。

おもちゃや小物ができるだけ散らばらないよう、リビングやキッチン、ダイニングなど各所に収納スペースを設けましょう。どこに何をしまうのかを明確にし、片付ける場所をしっかりと教えることで、子どもも少しずつ片付けへの意識が強くなっていきます。

 

3.2 広いリビング・ダイニング

リビングやダイニングの設計を広くしておくと子育てがスムーズに進みます。子どもが小学校に上がり「自分の部屋」を持つまでは、多くの時間をパパやママと一緒に共有スペースで過ごすことになるでしょう。

多くの時間を一緒に過ごすリビング・ダイニングにゆとりを持たせておくことで、子どもと伸び伸びと遊べます。空間を広く確保しておけば、将来的に家族が増えても安心です。

 

3.3 子どもを見守れる対面型キッチン

キッチンのレイアウトを選べる場合は、「対面型キッチン」を検討しましょう。キッチンを対面型にしておけば、料理中も子どもが何をしているかが把握できます。また料理をしつつ子どもと会話できるため、コミュニケーション促進にも役立ちます。

特に小学校に上がるまでは、一人で遊ばせておくのは不安もつきまといます。「子どもがいつ何をするかわからないので不安」と考えているパパやママは、怪我やトラブルの防止のためにも対面型キッチンがおすすめです。

 

3.4 ベビーカーなどを置ける余裕を持った玄関

子どもがまだ赤ちゃんのときには、外出時にベビーカーの利用は必須です。ベビーカーは多くのスペースを取るアイテムであるため、余裕を持って置いておける環境を用意しておくと外出もスムーズとなるでしょう。

子どもが成長してベビーカーが必要なくなっても、収納に余裕があるに越したことはありません。徐々に増えていく靴や子どもの外遊び道具(砂遊びセット、ボール、ラケット、プール)など、家に持ち込みたくないものもまとめて玄関に収納可能です。

 

3.5 家族が増えても使える広々としたバスルームや洗面所

将来的に家族が増えても伸び伸びと使えるよう、バスルームや洗面所は広々とした空間を備えておくと安心です。

子どもが小さいうちはパパやママと一緒にお風呂に入ることも多いですよね。体を洗う際に窮屈にならない、親子でゆっくりとお湯に浸かれるようにするなど、設備を整えてておくと、一緒のお風呂も思い出深いものとなります。

 

3.6 家事がしやすい動線設計

子どもの面倒と家事のバランスを上手に取れると、スムーズに子育てが進みます。家の中の動線を綿密に設計し、家事がしやすい環境を整えると、より時間を有効に活用できるようになります。子育てに回す時間も多く確保できるという副産物もついてきます。

たとえば、「ランドリールーム」を作り、洗濯・干す・たたむ・しまう場所を1か所に集約させてしまうのも方法です。掃除や料理の動線も短くすると、一つひとつの作業を流れ作業で行えるようになり、家事の効率がいっそう上がります。

 

3.7 将来の使い方も考慮した子ども部屋

子ども部屋を用意する際には「将来的にどのように活用していくか」までをあらかじめ考えておくといいでしょう。子どもの将来や進む道によっても変わってきますが、だいたいは大学入学時や就職時、あるいは結婚などのタイミングで家を離れることになります。

子どもが家を離れると「子ども部屋」として使っていた部屋は、多くの場合「物置」となる傾向にあります。書斎として使う、寝室をもう一つ設ける、客間とするなどいくつかの選択肢を事前に考えておくと、物置化が防げます。

 

3.8 子育てにも団らんにも便利な和室

賃貸でも注文住宅でも、「和室」を間取りに組み込むよう検討しても良いでしょう。

和室は子どもが転んでもケガをしにくく、乳児を床に直置きしてもあたたかみを感じられるといったメリットが得られます。また、ときには洋室ではなく和室でまた違った雰囲気の団らんを楽しんでもいいでしょう。

畳はカーペットやラグと異なり、掃除機やほうきで埃を簡単に取れるため、掃除が比較的簡単な点もメリットです。

 

3.9 家庭菜園ができる庭やテラス

子どもをより自然に親しみながら育てていきたい際には、庭やテラスの有無にもこだわりましょう。庭やテラスで家庭菜園ができる環境であれば、好きな植物や野菜などを自由に育てられます。「自分で野菜を育てて収穫し、それを食べた」といった経験や思い出は、何にも代えがたいものでしょう。

子どもに「いのちを育てる大切さ」や「食育」の観点からも、家庭菜園ができる環境を整えることはおすすめの取り組みです。

 

4 子どもの年齢に応じた住宅の役割

子どもの年齢に応じた住宅の役割

一口に「子ども」といっても、その範囲は乳児から幼児、小学生、中学生以上にいたるまで広く分けられます。そして、子どもの年齢によっても住宅が果たす役割は多少変化するのです。

ここからは、子どもの年齢に応じて住宅がどのような役割を持っているのかを紹介していきます。

 

4.1 0~6歳まで

0歳から6歳までの子どもを育てるにあたっての住宅の役割は、「子どもがパパやママのそばで安心して過ごせる場所であること」です。小さい子どもは、ときには保護者が考えつかないような行動をとることもあるでしょう。どんな状況にあっても、安心して子どもを見守り続けられる環境づくりが大切です。

見守り続けられる環境があれば、おのずとコミュニケーションの機会も増えていくもの。すくすくと育っていく我が子の成長を楽しみましょう。声をかけられることで、子ども自身も安心し、伸び伸びと成長していけます。

 

4.2 7~12歳まで

子どもが小学校に入ると、子どもにとっての住宅の役割も「見守られる場所」から「主体性を持って成長する場所」へと変わっていきます。

子どもを見守るという基本スタンスはそのままに、子ども部屋を用意するなど子どもが自由に過ごせる空間を備えてあげましょう。子どもが自発的に行動をすることで、心と体の双方が成長していきます。
もちろん入学前と同じく、楽しかったこと・学校で大変だったこと・悲しかったことなどを共有するコミュニケーションの場所であることにも変わりはありません。

 

4.3 13歳~

13歳を超え、中学生や高校生ともなると、部活や習い事、遊びなどによって幼少時や小学生のときよりも家にいる時間はぐっと少なくなります。住宅の役割は「子どもが帰ってくる場所・くつろぎ、休息する場所」へと変化するでしょう。

多くの面で成長するこの時期は、体力的・精神的にも時には負担が大きくなる時期でもあります。子どもが安心して帰ってこれる、そして再びさまざまな場所へ飛び出していくための憩いの場として家を整えましょう。

 

5 将来も見据えバリアフリー設計もおすすめ

子育て中のパパ・ママは「子育て」ばかりに注目しがちです。ただ、家は長い人生のパートナーとなるもの。今、目先のニーズだけではなく、将来のことも視野に入れ、バリアフリー設計も考えておくと安心です。

車いすでも移動できるようにする、廊下や階段に手すりを設置するなどバリアフリー環境を整えた住宅にしておけば、将来的なリフォームも少なくて済みます。

子育てに目が向きがちな時期ではありますが、ご自身がシニアになってからのこと、また年老いた両親と同居する可能性なども考慮し、バリアフリー設計を検討してみてください。

 

6 まとめ

この記事では、子育てしやすい間取りや家づくりについて知識を深めたいパパやママ向けに、賃貸と持ち家の比較や間取り別にどのような暮らしができるのかなどを紹介してきました。

子どもが健やかに成長する上で「家」という存在は非常に重要なものです。少しでも子どもに住みよい環境を用意してあげられるよう、考えられることはすべて考えていきましょう。子どもにとっても、そしてパパやママにとっても思い出深い家をつくっていくために、ぜひこの記事を参考にしてください。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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