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子育てしやすいリビングとは?安全知識や家具の配置などを解説
2022.08.16
子どもは大人よりも感受性が高く、生活環境からも強く影響を受け自立心や想像力などが育ちます。日常生活の大部分を過ごす自宅環境、中でも大半を過ごすリビングは、特に重要な空間です。
また、子どもはリビング中を走り回ることもあります。転んだ時に身体をぶつけないよう、リビングは子どもたちが歩き回りやすく、安全に過ごせるように整備する必要があります。
一方、リビングはパパママも過ごす場所です。育児には適していても、普段使いに適したリビングでなければストレスがたまるでしょう。育児に適した環境作りと利便性の両立が、リビング作りのポイントです。
今回は、リビングについて、子どもが安全に過ごせるポイントや、利便性の高め方を解説します。ちょっとしたコツを押さえ、安全かつ利便性の高いリビングを作りましょう。
この記事はこんな方にオススメ
- リビングでどんな子育てをするか分からない
- 子どもが安全に過ごせるリビングが分からない
- 子育てに適したリビングの作り方が分からない
もくじ
1 子育てにおけるリビングの役割とポイント
リビングの役割は、寝食、遊び場、学習、くつろぎなどがあり、子どもの成長によって変化します。以下の表では、子どもの成長によるリビングの役割変化をまとめました。
年齢 | 役割 | 特徴 | リビングでの過ごし方 | ポイント |
~1歳 | 寝食スペース | 乳幼児 ハイハイができる |
床を動き回る 低い段差ならよじ登る |
家具の足や角に注意する ローテーブルを置かない |
~3歳 | 寝食スペース 遊び場 |
歩き回れるようになる 行動範囲が格段に広くなる |
おもちゃや絵本で遊ぶ まだ子ども自身で整理整頓は難しい |
おもちゃを踏んで怪我をしないようにする リビングから離れないように柵などをする |
~4歳 | 遊び場 学習の場 |
手先の器用さが増す 走り回るようになる |
粘土など指先を使った遊びも増える 大人用のテーブルと椅子は高すぎる |
床やローテーブルに遊べるスペースを確保す |
~5歳 | 自立心と冒険心が活発になる 幼児教育を始める家庭が増える |
大人と同じテーブルや椅子を使えるようになる 遊び、学習、くつろぎなど用途が増える |
箱や棚を設置して、子ども自身で整理整頓してもらう | |
6歳~ | 学習 くつろぎ |
小学校入学を機に、生活スタイルが大きく変わる 子ども部屋を使うようになることもある |
リビングはくつろぎや勉強の場となる | リビングで学習をする場合は、勉強しやすいスペースを作る |
12歳~ | くつろぎ | 中学入学、部活が始まる | 学校や部活にいる時間が増え、リビングで過ごす時間は徐々に減る | プライベートを尊重し、干渉しすぎない |
幼児期は、リビングに生活の大半を集約することで、子どもの様子を見ながら生活できます。小学校に通い始めると、子どもはプライベートを意識するようになり、リビングの役割は家族団らんや親子のコミュニケーションに変化します。
リビングは来客対応に利用される事も多く、半パブリックなスペースといえます。そのため、他者から見られることも前提とした作りが必要とされます。
テレワーカーであれば、くつろぎ、家事、子育て、来客対応に加えて、仕事場としての役割を持ちます。
2 子育てにちょうど良いリビングとは
子育てに適したリビングとは、子どもの安全性とパパママの利便性を両立したリビングのことです。安全性と利便性の両立に重要なポイントは子どもの年齢で変わりません。また、子どもの成長は早いため、早めに幼児や小学生向けのリビングを作っておきましょう。
散らかっていたり、家具が多く狭いリビングは、パパママと子どもの両者にストレスを与えてしまいます。一方で、極端に家具を減らして子どもの安全を確保しても、利便性が低くなってしまいます。
リビング作りには、「子どもの成長をサポートする」役割を持たせましょう。片付きすぎているリビングは、子どもの好奇心の妨げになり、高価な家具があれば子どもが自由に動き回れません。安全かつ自由に伸び伸びと過ごせ、感受性が刺激されるリビングを目指したいですね。
2.1 走り回ってもインテリアにぶつからない
子どもは1歳半頃から歩き始めます。歩けるようになると、狭い場所や足元が不安定な場所でも危険を顧みず動き回ります。インテリアの配置次第では転んでしまったり、頭をぶつけたりと怪我の危険がつきまといます。
子どもが走り回っても、転んで怪我をしないようにインテリアを配置することが重要です。子どもにとって危険なものも取り除いておきましょう。
<子どもにとって危険なもの>
子どもにとって危険なものは、次のような例が考えられます。
- 大きめの観葉植物、重心が高く不安定なインテリア
- ローテーブルや座椅子
- コタツの掛け布団
- 家電のコード類(通信ケーブルやコンセントなど)
- 裏に滑り止めのついてないマット類
インテリア配置では、子どもの動線を予測することがポイントです。乳幼児の場合は、ママパパが抱っこしながら歩くため、足元を見通せず転んでしまうと、パパママだけでなく子どもにも危険が及びます。
そのため、リビングの動線は、パパママも楽に通れる幅を確保しましょう。パパママの方が身体の幅が広いので、パパママ基準で動線を確保すれば、子どもの安全も確保できます。
2.2 どこからでも全体を見渡せる
子どもの動きは予想がつかず、目を離しているうちに重大な怪我をしてしまう可能性があります。特に幼児期の子育てでは、子どもから目を離さずに家事や仕事をこなせるように作ることが大切です。
リビングとダイニング、応接間をひとつの空間に設置すると、全体が見渡せ、見守りの安全性が高まります。できる限り間仕切りのないリビングを作ることで、子どもの様子を見ながら他の作業を進められます。
2.3 用途ごとにエリアが決まっている
子育てにおけるリビングの用途は多岐にわたります。用途に応じてエリア分けしていない場合、整理整頓が難しくなるため、すぐにリビング全体が散らかってしまいます。
物が散乱したリビングは、安全性も過ごしやすさも低いため、子育てに適した環境ではありません。最低限、以下の目的ごとに使うエリアを分けておきましょう。
- 子どもの遊び場
- ダイニング
- 事務(机やいすがある)
- 来客対応
- 家事(洗濯物をたたむなど)
また、エリア分けができたら、家族全員で情報を共有しましょう。柵やマットなどでエリアの境目を可視化するとわかりやすいですよ。視覚的に分かりにくいと、家族とリビングの使い方を統一できないため、エリア分けの効果が薄れてしまいます。
3 子育てに向いたリビングの作り方
レイアウトやインテリアを少し工夫することで、子育てに適したリビングを作れます。ポイントを押さえて、安全性と利便性を両立したリビングを作りましょう。
3.1 レイアウトを考える
リビングのレイアウトを決めるポイントは、インテリア同士を固めて配置しないことです。また、メインとなるエリアを広く取り過ぎないようにしましょう。インテリアを固めて置いたり、メインとなるエリア以外をコンパクトにまとめてしまうと、逆にリビングの利便性が下がってしまいます。
動線確保には、物を置きすぎないことも重要です。もし圧迫感を感じたら、子どもが生まれる前に使っていたソファーなどを処分してみてください。空間的余裕が生まれます。動線を広く取ることで、子どもの安全性が確保できるだけでなく、ストレスのたまりにくいリビングになります。
他にも、間仕切り、背の高いインテリア、観葉植物など、視界をさえぎる物を配置しないこともポイントです。リビングのどこからでも、全体が見渡せる作りでなければ、子どもの安全を確保できません。
背の高いインテリアや観葉植物を置きたい場合は、できる限りリビングの隅に置くことで、視界の確保と同時に、動線から不安定な物を離すことができます。ソファーはエリアを区切るような配置ではなく、窓や壁際への設置がおすすめです。
3.2 インテリアを選ぶ
子どもが生まれる前に購入したインテリアは、パパママの利便性を優先して決めたはずです。子どもが利用する前提では選ばれていません。インテリアも子育て世帯に合ったものに交換しましょう。
インテリアを選ぶ際は、パーツの角が丸められているか、汚れに強い素材が使われているかを確認します。
また、機能性に優れたインテリアを選ぶと、リビングを圧迫せず暮らしやすさがアップします。折り畳み式やキャスター付きのインテリアなどを用意すると、床を汚したときに掃除するのにも便利です。
ソファーベッドなど、1つで複数の活用方法があるインテリアを選ぶと、リビングに必要なインテリアの数を減らせます。
3.3 収納を考える
子育て中は、リビングにオムツや着替え、幼稚園や小学校の学習道具などを置くご家庭も多いでしょう。リビングには物があふれやすいため、散乱させないよう、効率の良い収納を考える必要があります。
ポイントは、容量が大きい収納を出し入れが簡単な場所へ設置することです。また、子どもが自身で物の出し入れができるように、パパママの収納スペースは上に、子どもの収納スペースは下に設置するのも効率の良い収納のコツです。
3.4 敷物は必ず使う
敷物は、床や子どもの保護とエリア分けに効果的です。
リビングに子どもの遊び場を設けている場合は、安全確保のために、クッション性に優れたジョイントマットや低反発マットを敷きましょう。
また、子どもが離乳食を食べ始めた時期は、スプーンやフォークに慣れていないため、食べ物や飲み物をよく床に落とします。その場合はダイニングの床に、防汚性や防水性に優れたカーペットを敷くことで、床を保護できます。
3.5 クッション性のある壁紙を使う
子どもが壁に物を投げたり、落書きをした場合に備えて、壁紙を貼っておくのもおすすめです。
近年、クッション性や防汚性に優れた壁紙が発売されています。簡単に張り替えができるタイプもあるため、原状回復の必要がある賃貸住宅でも安心して壁紙を使えると人気を集めています。
カバーするための壁紙を「壁の下半分だけ」に貼るのもおすすめ。全面に貼るのは大変ですが、子どもの手が届く範囲だけでも貼っておくと、壁の保護に効果があります。壁面積の半分だけ用意すれば良いので、コスパ的にも優れています。
壁紙を数種類用意し、季節ごとに張り替えるなどの工夫も良いですね。子どもが飽きないリビングに仕上げましょう。
4 小学生からはリビングに「学習」の役割も加わる
子どもが小学校に通う年齢になったら、リビングで家庭学習や学校の課題に取り組む機会も増えてきます。
特に小学校低学年のうちは、子ども部屋で一人で学習するのに不安を覚え、集中できないことも多々あります。リビングは家族団らんの場であり、パパやママの気配も感じられるため、子どもはリラックスし、集中して学習できます。
リビング学習は、パパママが学習を見守りやすいので、子どもの得意不得意をすぐに把握でき、苦手解消を効率的に行えるというメリットもあります。親子のコミュニケーションも取りやすく、信頼関係も強まるでしょう。
ポイントは、子どもに子ども部屋とリビングの役割を分けさせることです。子ども部屋は完全にプライベートな空間、リビングは課題をこなしたり、家族とコミュニケーションをとる空間に分けます。
子どもが中学高校に上がってもリビング学習はできるため、早いうちに学習環境を整えましょう。
4.1 学習机ではなく食卓で
リビング学習は、ダイニングテーブルやローテーブルなど広い机で行いましょう。広い机でリビング学習を行うと、パパママが子どもの様子を見ながら教えられます。すでにある机を利用できるため、新たに学習机を買う必要もありません。
リビングに学習机を置くのは、あまりおすすめできません。学習机での学習は一人で集中して勉強に打ち込む際に便利ですが、「パパママが子どもの様子を見やすい」というリビング学習のメリットが薄らいでしまいます。またリビングを圧迫してしまうことにもつながります。
4.2 勉強専用のいすで意識の切り替えをする
リビング学習の際は、専用の椅子を設置するのがおすすめです。食事や家庭団らんなどで使っている机をリビング学習に利用する場合、そのままではリラックスモードになりやすいためです。勉強用の椅子を用意し、「椅子に座ったら勉強モードに切り替わる」習慣を身に付けさせましょう。
食卓が高くて子どもの足が床についていない場合、姿勢正しく勉強できなかったり、集中できなくなったりしてしまいます。高さを調整できるタイプの椅子がない場合は、足を置ける踏み台などを準備してあげましょう。
4.3 明るさを確保する
リビング学習では、勉強できる明るさを確保することも大切です。手元が暗いと視力の悪化や、猫背、骨盤のゆがみにもつながってしまいます。子どもが姿勢正しく健康的に勉強できるように、リビングの明るさをきちんと確保しましょう。
リビング学習には、デスクライトがおすすめです。シーリングライトやつり下げ型のライトは、子どもの身体で机に影ができてしまいます。しかし、デスクライトは手元を直接照らすため、影ができません。
4.4 壁周辺に物を置きすぎない
リビングの壁に学習用のポスターやホワイトボードを設置すれば、子どもの苦手教科(特に暗記科目)克服に役立ちます。壁面も学習に活用できるよう、壁周辺にはなるべく物を置かないようにしましょう。
壁に設置する際は、子どもの目線に合わせて貼ることがポイントです。首や目線を上下に動かす必要がないため、ストレスなく覚えられます。
5 リビングを改修するなら話し合おう
リビングは仕事、家事、育児、くつろぎなど、さまざまなシーンで家族みんなが利用する空間です。リビング作りは、家族全員の意見を取り入れながら進めるようにしましょう。子どもの成長に合わせて改修する場合も、子どもを含めて家族みんなの意見を聞きます。
子育てに適したリビング作りのポイントは、大人側の考える利便性や安全性だけでなく、子どもの目線から見て、過ごしやすいリビングか判断することです。自身が理想とするリビングのイメージと、家族にとっての理想像をすり合わせましょう。
また、パートナーや子どものほか、先輩ママや知人などに相談してアドバイスをもらえれば、リビング作りのアイデアを得られる可能性があります。
6 まとめ
今回は、子育てに適したリビングについて、年齢別の過ごし方、ポイント、作り方、学習方法を紹介しました。子育てに適したリビング作りのポイントは、子どもの安全性とパパママの利便性を両立することです。
また、子どもは年齢によってリビングの使い方が変化するため、成長の節目でリビングを改修しましょう。リビングは家族全員が使うため、改修の際は話し合いによって、意見交換をすることが重要です。
この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。