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子どものお小遣いはいくらくらいが適当?相場やメリット、渡し方について解説

2022.09.23

暮らす

子どもへお小遣いを与えることで、金銭感覚や計画性を身に付けさせられます。ただし、お小遣いの金額や渡し方によっては、お金を大事にする考え方が身に付かなかったり浪費癖が付いてしまいます。そのため、考えて子どもにお小遣いを渡さなければいけません。

今回は、お小遣いの金額相場に加えて、お小遣いをはじめる時期や渡し方についても紹介します。

この記事はこんな方にオススメ

  • 子どものお小遣いの相場が分からない
  • 子どものお小遣いの渡し方が分からない
  • 子どもにお小遣いを渡すメリットが分からない

1 子どものお小遣い-相場はいくら?

お小遣いが多すぎると浪費やお金の軽視につながり、少なすぎると子どもが自身の裁量でお金を使えないため、計画性が身に付きません。お小遣いの金額相場を知り、過不足なく子どもにお小遣いを渡しましょう

 

1.1 小学生-月額1,000円

学年 渡し方 平均金額 割合
低学年 月額制 1,004円 不定期:57.3%
月額制:13.4%
週に1回:9.3%
不定期 1,004円
中学年 月額制 864円 不定期:47.8%
月額制:32.1%
週に1回:7.0%
不定期 923円
高学年 月額制 1,085円 不定期:38.3%
月額制:45.0%
週に1回:5.9%
不定期 1,246円

(参考:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査」2015年度調査、以下同)

小学生へのお小遣いの渡し方をみると、低学年では不定期に渡している世帯が多く、年齢が上がるにつれて、月額制を選ぶ家庭が増えていることが分かります。

不定期に渡している場合、渡す回数が増えると出費を抑えられません。そのため、出費を一定額に抑えられる月額制に切り替えたと考えられます。

また、お小遣いの金額を見ると、中学年の金額は月額制と不定期のどちらも金額が少なくなっていますが、小学生全体では1,000円前後に収まっていることが分かります。

 

1.2 中学生-月額2,500円

金額 割合 平均
~1,000円 6.6% 2,536円
1,000~2,000円 32.0%
2,000~3,000円 20.5%
3,000~4,000円 17.5%
4,000~5,000円 2.8%
5,000円~ 9.4%

中学生になると、お小遣いの渡し方はほぼ月額制になります。平均金額は、2,536円と小学生平均から大幅に上がっています。しかし、お小遣いの金額帯は1,000円以下から5,000円以上と幅広く、家庭による差が大きくなります。

また、最頻値は1,000円となっており、小学生平均と金額が変わらない家庭も多いと考えられます。

 

1.3 高校生-月額5,000円

金額 割合 平均
~3,000円 14.5% 5,114円
3,000~4,000円 19.1%
4,000~5,000円 5.6%
5,000~7,000円 38.8%
7,000~10,000円 3.3%
10,000~15,000円 7.0%
15,000円~ 2.1%

高校生のお小遣いは、平均、最頻値、中央値のすべてが約5,000円となっています。

また、月に7,000円以上お小遣いを与えている家庭もありますが、割合が少ないことから、多くの家庭で月7,000円以上は与え過ぎと判断していることが分かります。

 

2 お小遣いの使い道

お小遣いの使い道

こちらでは、子どもが何にお小遣いを使っているか紹介します。

 

2.1 小学生-お菓子やジュースの購入が多い

  低学年 中学年 高学年
1位 菓子類やジュース類の購入
2位 玩具の購入 玩具(ゲームソフトなど)の購入
3位 ゲームセンター代 漫画の購入
4位 家族へのプレゼント代 文房具の購入 本・雑誌の購入
5位 文房具の購入 漫画の購入 家族へのプレゼント代

小学生は、菓子類やジュース類、玩具や漫画・雑誌類の購入にお小遣いを使っており、文房具の購入にお小遣いを使う子どもは少ないことが分かります。このことから、お小遣いを娯楽の購入へ使う小学生が多いことが読み取れます。

 

2.2 中学生-友達付き合いで出費が多い

1位 友人との外出費用(外食や軽食の費用)
2位 菓子類やジュース類の購入
3位 友人へのプレゼント代
4位 文房具の購入
5位 家族へのプレゼント代

中学生になると、思春期を経て社交性を身に付けるため、お小遣いの使い道は個人の娯楽から交友関係へと変化します。交友関係を通じて、お小遣いを自身のためではなく、他者のために使うことを覚えます。

 

2.3 高校生-外出の交通費や飲食代が多い

1位 友人との外出費用(外食や軽食の費用)
2位 菓子類やジュース類の購入
3位 友人との外出費用(交通費)
4位 友人へのプレゼント代
5位 昼食代

高校生のお小遣いは中学生と同じく、交友関係への使い道が多いことが読み取れます。また、高校生になり中学生よりも行動範囲が広がるため、公共交通機関の利用などにお小遣いを使う子どもが多くなっています。

 

3 お小遣いの渡し方

お小遣いの渡し方

子どもへお小遣いを渡す方法は、4つに大別できます。渡し方によっては、金銭管理能力や計画力、交渉力やプレゼン能力を伸ばせます。

ただし、上記のようなメリットがある反面、お金を得る努力や達成感、工夫力や忍耐力が身につかないなどのデメリットも存在するため、注意が必要です。渡し方それぞれのメリットデメリットを考慮し、渡し方を選びましょう。

 

3.1 月額制

メリット ・限られた金額で工夫する力が身に付く
・物欲をコントロールする力が身に付く
・家計管理が楽
デメリット ・お金を得る努力や達成感が薄い

月額制は、小学生から高校生まで幅広い家庭で取り入れられているお小遣いの渡し方です。子どもは、1ヶ月の予算を自身で決めて実行に移す必要があり、足りなければ来月まで貯金しなければいけません。そのため、工夫力や物欲のコントロールが身に付きます。

ただし、子どもに、お金を大事にする心構えや努力の重要さを教えたい場合は、注意が必要です。月額制は、子どもが何もしなくても毎月一定額を渡すため、「努力をしなくても、お小遣いをもらえることが当たり前。」という考え方をしてしまう可能性があります。

 

3.2 年額制

メリット ・金銭管理能力が身に付く
・計画性や計算能力が身に付く
・自主性が育つ
デメリット ・子どもが自力で計画を立てることが難しい
・失敗(浪費)するとやり直しができない

年額制は、1年分のお小遣いを一括で渡す方法です。子どもが、自身の裁量でまとまった金額を自由に使えるため、自主性が身に付きます。また、1年分のお小遣いを自身で管理する必要があり、計画性や計算能力が育ちます。

ただし、年額制は月額制に比べて、金銭管理の難易度が高いため、注意が必要です。一度浪費してしまうと、次の支給日まで待たなければいけないため、失敗した経験をもとにすぐに次の実践に活かせません。

失敗しないように、最初はパパママがお小遣いの使い方を教えてあげましょう。あるいは、最初から年額制でお小遣いを渡すのではなく、月額制に慣れてから次のステップとして切り替えることをおすすめします。

 

3.3 提案制

メリット ・交渉力やプレゼン能力が身につく
・論理的思考力が身に付く
・お小遣いの使い道について話し合いができる
デメリット ・金銭管理能力が身に付かない
・家計の把握が難しい

提案制は、子ども側からの催促に応じてお小遣いを渡す方法です。子どもは、パパママにお小遣いを何に使いたいかを説明する必要があるため、論理的思考力や、交渉力を身に付けられます。

ただし、提案制にはパパママ側の判断能力が重要です。提案に対する評価を甘くし過ぎてしまうと、子どもは何でも買ってもらえると考え、わがままになったり浪費癖がついてしまいます。一方で、提案に対する評価を厳しくし過ぎてしまうと、提案をあきらめてしまいチャレンジ精神が身に付きません。

ポイントは、評価基準を明確にして子どもに伝えることです。パパママの評価基準を明確に提示することで、評価の公平性を担保できるだけでなく、子ども側も提案の準備をしっかりとおこなえるようになります。

 

3.4 ごほうび制

メリット ・家事手伝いや勉強のモチベーションになる
・お金を得る努力の重要さや達成感を覚えられる
・自身の言動に対する責任感が身に付く
デメリット ・報酬がなければ行動を起こさなくなる
・即物的な考えが付いてしまう

ごほうび制は、家事手伝いや学業成績の条件に応じてお小遣いを渡す方法です。苦労してお小遣いを得ることで、お金を得る責任感や大切さを子どもに教えられます。

ただし、ごほうび制は、報酬がなければ行動しないという考え方につながりかねません。即物的な考え方は、奉仕や思いやりの精神が身に付かず、交友関係に悪影響を及ぼします。

お金を得る責任感や大切さだけでなく、損得勘定では測れないもの(奉仕精神や人間関係など)の重要性についても教えましょう。

 

4 お小遣いの始め時とやめ時

お小遣いは、渡しはじめとやめる時期を慎重に考えなければ、金融教育の効果が薄れてしまうため、注意が必要です。

 

4.1 お小遣いを始めるタイミング

お小遣いをはじめる際は、子どもがお金について理解しはじめる小学1年生を目安にしましょう。

ただし、硬貨や紙幣の概念を理解できている場合や、子どもが自身で何かを買いたいと催促してきた場合は、小学1年生を待たずにお小遣いをはじめて問題ありません。

 

4.2 お小遣いをやめるタイミング

お小遣いをやめる時期は、アルバイトを始められる高校1年生が目安です。アルバイトを通じ、お金を稼ぐ大変さや重要さを子どもに理解してもらえます。

ただし、学業に専念して欲しい場合は、大学進学時がおすすめ。高校生の本業は、勉強です。アルバイトと学業を両立できずに、成績が落ちてしまっては元も子もありません。

 

5 お小遣いのメリット

お小遣いのメリット

お小遣いは、金銭管理能力、計画性、物欲のコントロールなど、子どもの生涯にわたって役立つ能力を身に付けられます。ただしお小遣いの渡し方によっては、身に付く能力やメリットが異なるため、注意しましょう。

 

5.1 子どものモチベーション

お小遣いをごほうび制で渡す場合、学業や習い事の成績、生活習慣の改善などを条件に設定することで、苦手克服や生活習慣の改善のモチベーション維持に役立ちます。

ポイントは、中目標と大目標に分けて、ごほうびを設定することです。例えば、中目標として「学校の小テスト ~点以上で500円」、大目標として「期末テスト ~点以上で2000円」のように設定しましょう。
大目標の達成でしかごほうびがないと目標達成に時間がかかるため、モチベーション維持効果が薄れてしまいます。

 

5.2 金銭管理能力

金銭管理能力は、将来独り立ちした後も役に立つ生活能力の1つです。お小遣いの支出入を子ども自身が管理することで、お金を大事にする心構えや自己管理能力、計画的にお金を使う重要性など、金銭管理に重要な知識を身に付けられます。

また、子どもが金銭管理の重要さを理解することで、家計へ興味を持ってもらえます。家計への理解が深まると、パパママと子どもの間で、お金の価値観や節約意識を共有できます。

 

5.3 交渉力

お小遣いを提案制で渡す場合、プレゼン能力や交渉力の育成に役立ちます。子どもは、お小遣いをもらう、お小遣いの金額アップのために、パパママを納得させる必要があり、どのように説得すれば効果があるか試行錯誤するでしょう。

子どもは、感情的な提案や主観的な提案には説得力がないことを学び、論理的思考な企画力や交渉力を身に付けます。

 

5.4 計画性と自主性

子どもは、お小遣いを自身の裁量で使います。そのため、失敗(浪費)しても上手なお小遣いの使い方をしても、自己責任になります。

子どもは、現金を自己責任で使う体験を通して、自身の判断に責任を持つようになり、計画性、自主性、慎重さを身に付けます。

 

6 お小遣いを始めるなら親子でルールを決めよう

子どもの金融教育で失敗しないために、お小遣いを渡す前に、親子でルールを決めましょう。

また、ルールを決める際は、パパママと子どもで話し合いをする必要があります。話し合いをおこなうことで、子どもにルールを設ける目的を理解してもらえます。

 

6.1 計画を立てさせる

お小遣いを渡す前に、どのようにお金を使うか、子どもに計画を立てさせましょう。子どもが自身で計画を立てて実行に移すことで、目的のない買い物がなくなり浪費しないようになります。

計画を立てるポイントは、お小遣いを自身のために使う分・他人のために使う分・貯金や自分磨きのために使う分の3つに分けることです。お小遣いの用途を3つに分けさせることで、自身の物欲を満たすために現金を使うだけでなく、家族や友人、自身の将来のためにお金を使えるようになります。

 

6.2 管理簿を付けさせる

管理簿(お小遣い帳)で、子どもに金銭管理能力を身に付けさせられます。

金銭管理は、いつ(時間)何に(目的)どのくらい(金額)使ったか、現時点でどのくらい残っているか、将来的にどのような出費がある、など支出入の過去現在未来のすべてを把握しなければいけません。
そのため、金銭管理能力を磨くためには、幼いころから支出入の記録をつける習慣を身に付けさせる必要があります。

また、お小遣いの支出入を記録しパパママと共有することで、子どもは後から自身のお金の使い方を見直したり、パパママからお金の使い方についてアドバイスをもらったりできます。

 

6.3 報連相はしっかりと

子どもが、金銭関係でトラブルに巻き込まれた際、パパママが即座に状況を把握し対応できるように、報連相を習慣化しましょう。

また、子どもから報連相を受け取った際は、怒らないことが重要です。報連相に対して怒ってしまうと、子どもは怒られないように、トラブルを隠そうとしてしまいます。結果、トラブルへの対応が遅れ状況が深刻になることが多々あります。報連相を受け取ったら、まずは隠さなかったことを褒めましょう。

 

7 お小遣いを渡さない選択肢

家計に余裕がない場合、無理にお小遣いを渡す必要はありません。お小遣いによって身に付く金銭管理能力や自主性は、日常生活を送るなかでも身に付く能力です。

また、欲しいものがある場合、アルバイトができる年齢になるまでは、パパママが子どもの代わりに購入して現物支給しても問題ありません。現物支給では、お金に関するトラブルが発生しないため安心できます。

 

8 まとめ

今回は、子どものお小遣いについて、金額の相場、渡し方、メリットなどを紹介しました。お小遣いは、子どもの金融教育に効果があり、物欲のコントロールや金銭管理能力、自主性などを身に付けられます。

また、お小遣いの渡し方は、月額制や年額制、提案制、ごほうび制があり、それぞれにメリットデメリットがあります。

家族で話し合い、パパママと子どもの考えや希望をすり合わせて、お小遣いの渡し方や金額を決めましょう。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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