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幼稚園と保育園、通わせるならどっち?違いやメリット・デメリットを解説

2022.12.27

育てる

「子どもを幼稚園と保育園のどちらに通わせるかを迷っている」「共働きなので子どもを保育園に預けたいと考えているが、判断が間違っていないかを知りたい」

こういった悩みを持っているパパ・ママも多くいるでしょう。小学校入学までの間、子どもをどのような環境で育てていくのかについては、家族で真剣に考えていく必要があります。

この記事では、幼稚園と保育園の違いやそれぞれを選ぶメリット、具体的な選び方などを解説していきます。最後まで読むことで、幼稚園・保育園のどちらを選ぶべきかが明確になるでしょう。

この記事はこんな方にオススメ

  • 子どもを幼稚園・保育園に入れる際の選び方を知りたい人
  • 幼稚園と保育園の違いを知りたい人
  • 幼稚園・保育園それぞれのメリットやデメリットを知りたい人

1 幼稚園とは

幼稚園とは

幼稚園とは、小学校就学前の子どもに教育を施す施設を指しています。基本的に入園は3歳からであり、年少・年中・年長の3年制が採用されている点が特徴です。

幼稚園は公立だけではなく、私立幼稚園もあり、個人や社会福祉法人、宗教法人、学校法人などによって運営されています。運営元によって方針や教育手法は異なりますが、基本的な教育内容は「幼稚園教育要領」に下記のとおり記されています。

  • 健康
  • 人間関係
  • 環境
  • 言葉
  • 表現

小学校入学前に上記5点を子どもに学ばせるのが、幼稚園が持つ役割と言えるでしょう。

 

2 保育園とは

保育園とは

保育園は「保育所」が正式名称であり、仕事をしている保護者や病気の保護者、日中に子どもの面倒をみられない保護者のために子どもたちを一時的に預かる施設のことです。

生命の保持と情緒の安定を図りながら子どもと関わっていく「養護」と、子どもが必要な学びを深めていくための「教育」の双方を円滑に進めていくのが保育園の役割とされています。

保育園は「認可保育所」や「認可外保育施設」などに分けられ、それぞれ入所要件が定められている点には注意しましょう。「必ず入園できるわけではない」という点はあらかじめ知っておく必要があります。

 

3 幼稚園と保育園の違い

幼稚園と保育園の違い

幼稚園と保育園の違いは数多くありますが、代表的な違いは下記6点です。

  • 目的・役割
  • 対象年齢
  • 保育時間・保育日数
  • 保育料
  • 所管・根拠法令
  • 教諭・保育士の資格

ここからは、一つひとつの違いを簡単に確認しましょう。

 

3.1 目的・役割

幼稚園の目的は、学校教育法第22条に下記のとおり明記されています。

義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し 、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、心身の発達を助長すること。

小学校入学前にある程度学びの基礎を身につけつつ、元気に成長していく場所として幼稚園は位置づけられています。

一方、保育園の目的は、児童福祉法第39条にて表されています。

保育に欠ける子どもの保育を行い、健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。

教育面ももちろんですが、子どもが健全に過ごせる環境を十分に整えていくことが保育園の役割と言えるでしょう。

 

3.2 対象年齢

幼稚園・保育園ともに対象は「小学校に入学するまで(就学前)」です。しかし、幼稚園に比べて保育園は入園年齢が早い傾向です。

  • 幼稚園:満3歳~小学校就学前
  • 保育園:0歳児~小学校就学前

幼稚園は満3歳からの入園である点はあらかじめ押さえておきましょう。

 

3.3 保育時間・保育日数

幼稚園と保育園では、1日の保育時間と保育日数も異なります。それぞれの保育時間・保育日数は下記のとおりです。

【保育時間】
幼稚園:標準4時間以上
保育園:原則8時間以上

【保育日数】
幼稚園:39週以上
保育園:規定なし

 

3.4 保育料

2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」によって、幼稚園・認可保育所・認定こども園等では、3〜5歳児クラスの保育料が無償となりました。保育園の0〜2歳児クラスについては、住民税非課税世帯が無償の対象です。

保育料以外については自己負担となる点は覚えておきましょう。

【POINT】
保育園の保育料は、保護者の所得に応じて決まります。所得が多い世帯ほど、保育料も高くなります。自治体のホームページでは、所得と保育料の一覧表が公開されていますので、参考にしてみてください。

 

関連記事:認定こども園と幼稚園・保育園はどう違う?特徴や入園までの手続き方法をわかりやすく解説

 

3.5 所管・根拠法令

幼稚園の根拠法令は、文部科学省が定める学校教育法です。そのため、幼稚園の所管は文部科学省であり、「文部科学省が管轄している学校教育施設」とされています。

一方、保育園の根拠法令は厚生労働省が定める児童福祉法にあります。位置づけは「厚生労働省が管轄している児童福祉施設」とされており、この点において幼稚園との違いがある点は覚えておきましょう。

 

3.6 教諭・保育士の資格

幼稚園と保育園では、働いている先生が必要とする資格もそれぞれ異なります。幼稚園で働いている先生は「幼稚園教諭2種免許・幼稚園教諭1種免許」を、保育園で働いている先生は「保育士資格」を持っています。

 

4 幼稚園を選ぶメリット

幼稚園を選ぶメリット

幼稚園を選ぶメリットは、下記の3点です。

  • 教育に力を入れている
  • 礼儀正しい子どもに育つ
  • 保護者間の交流が多い

それぞれの理由を解説していきましょう。

 

4.1 教育に力を入れている

幼児教育に力を入れている点は幼稚園を選ぶメリットです。幼稚園は「教育機関」との位置づけであるため、言葉や数字の読み書き・運動などに力を入れています。

「ただ子どもの面倒をみてもらうだけでなく、小学校入学の準備をさせておきたい」と考えているパパやママは幼稚園を選ぶといいかもしれません。

 

4.2 礼儀正しい子どもに育つ

幼稚園は子どもの教育だけでなく、集団としての生き方を伝える役割も果たしています。一つのクラスで同じ時間を多く過ごすことによって、礼儀作法なども徐々に身についていくのです。

この時期に集団生活を学ぶ経験は、小学校に入ったときにきっと役に立っていくでしょう。

 

4.3 保護者間の交流が多い

保護者間の交流が多い点も幼稚園を選ぶメリットです。幼稚園では保護者会や保育参観が定期的に行われるため、横のつながりが比較的強い傾向にあります。

もし子育てに悩むことなどがあれば、園のママ友・パパ友に相談することで具体的な解決手段が見つかるかもしれません。いざというときのため、保護者間で連携を図っておくといいでしょう。

 

5 幼稚園を選ぶデメリット

幼稚園を選ぶデメリット

幼稚園を選ぶデメリットとしては、下記4点が挙げられます。

  • 行事が多い
  • 保育時間が短い
  • 長期休暇がある
  • 給食がないことがある

こちらも内容を具体的に確認していきましょう。

 

5.1 行事が多い

幼稚園を選ぶデメリットは、運動会や遠足、発表会など行事が多いことです。行事が多ければそれだけ子どもとの思い出が増えていきますが、忙しいパパ・ママは参加のためにスケジュールを調整することが難しいこともあるでしょう。

もし仕事や家庭のことでやるべきことが多い場合には、行事の多さがかえって負担となるかもしれません。

 

5.2 保育時間が短い

保育時間が保育園に比べて短い点も幼稚園を選ぶデメリットです。幼稚園の保育時間は一般的に9時~14時ごろまで。仕事が終わった夕方以降にしか子どもを迎えに行けないパパ・ママにとっては、14時に保育時間が終わると多くの難しさが出てくるでしょう。

追加料金を支払えば14時以降も預けられますが、金銭的な負担も増すことになります。

 

5.3 長期休暇がある

幼稚園では小学校などと同じく、春休み・夏休み・冬休みといった長期休暇が設けられています。

この期間は子どもを預けられないため、在宅勤務にする、休みを取るなどの工夫が必要となってくるでしょう。

 

5.4 給食がないことがある

幼稚園によっては、毎日の給食が用意されない園もあります。完全給食制、給食とお弁当を交互にする、お弁当だけなど、各幼稚園はそれぞれ子どものお昼をどうするかルールを設けています。

お弁当を用意しなければいけない園では、朝からお弁当を用意する時間を確保しなければいけません。家庭の状況にもよりますが、お弁当の準備に時間をかけられない場合には幼稚園を候補から外すのも一つの方法でしょう。

【POINT】
「幼稚園が良いか、保育園が良いか」は、家庭の状況によって異なります。また、すべての希望を満たす100点満点の園はないかもしれません。
条件に優先順位をつけて、できるだけ希望に“近い”園を選ぶようにしましょう。
 

関連記事:幼稚園の上手な選び方とは?後悔しないためにこだわるべきポイント8つ

 

6 保育園を選ぶメリット

保育園を選ぶメリット

保育園を選ぶメリットは、下記の2点にあります。

  • 乳児から預けられる
  • 長期休暇がない

ここからは、保育園独自のメリットを解説していきます。

 

6.1 乳児から預けられる

保育園を選ぶメリットとして大きい点は、乳児から子どもを預けられることです。

子どもがまだ赤ちゃんであっても、さまざまな事情によってパパ・ママの双方が働かなければいけないケースは多々あるでしょう。そんなとき乳児を預けられる保育園に入園させることができれば、育児の手間が大幅に削減されます。

また保育園は、幼稚園に比べて保育時間が長い園でもあります。夕方遅くまで預かってくれる保育園もあるため、共働きの場合には積極的に利用してみてはいかがでしょうか。

 

6.2 長期休暇がない

保育園は幼稚園と異なり、春休み・夏休み・冬休みといった長期休暇が設けられていません

長期休暇がもしあれば、1日中家にいなければいけない、食事を3食用意しなければいけない、常に子どもから目が離せないなどの点に気をつけなければいけません。働いている場合には職場との調整が必要にもなってくるため、始めから長期休暇がない保育園を選べばその負担もなくなるでしょう。

 

7 保育園を選ぶデメリット

保育園を選ぶデメリット

保育園を選ぶデメリットは、下記2点です。

  • 持ち物が多くなる
  • 保護者間の交流が少ない

ここからは、それぞれのデメリットをわかりやすく解説します。

 

7.1 持ち物が多くなる

保育園は預かってくれる時間が多いため、持ち物が多くなりがちです。特にお昼寝で使うタオルやシーツを、定期的に持ち帰り・洗濯しなければいけない点はパパ・ママの負担となるでしょう。

保育園で日常的に必要な持ち物は下記のとおりです。

  • 着替え
  • タオル
  • 帽子
  • 着替え入れやコップ入れ
  • お昼寝に使う寝具
  • 連絡帳ノート
  • 食事用エプロン
  • バッグ

着替えを毎日用意しなければいけないため、朝には入念な準備が必要となります。

 

7.2 保護者間の交流が少ない

保育園は幼稚園に比べて、保護者間の交流が少ない傾向にあります。

行事が幼稚園に対して少ないだけでなく、家庭の事情によって送り迎えの時間もばらばら。そのため、自然と保護者間の交流も少なくなりがちです。

育児で困ったことや相談したいことが出てきたときに、ついつい頼りたくなるのは同じ世代の子どもを持ったママ友・パパ友でしょう。しかし、日常的な交流が少なければ相談をする相手も見つけにくいかもしれません。

【POINT】
「ママ友との交流が面倒」というタイプには、保育園が向いています。ただし、保育園によっては幼稚園並みに行事や保護者同士のかかわりがある園もあります。
見学に行った際、それとなく保育士さんに尋ねると、様子を教えてくれますよ。

 

8 幼稚園か保育園かの選び方

子どもを預けるにあたって、幼稚園・保育園のどちらを選ぶかに迷うパパ・ママは多いでしょう。幼稚園と保育園を上手に選ぶ方法は、下記3点です。

  • 見学に行ってみる
  • 通っている子の保護者から話を聞いてみる
  • インターネットで情報を集める

ここからは、幼稚園か保育園かの選び方を解説していきましょう。

 

8.1 見学に行ってみる

幼稚園か保育園かを選ぶ際には、まず気になる園を見つけて見学に行ってみましょう。

園側の準備もあるため、見学の際には必ず事前にアポイントを取ることが重要です。幼稚園では勉強の時間、保育園ではお昼寝の時間などずらせない時間があるため、いつでも見学に行けるわけではありません。あらかじめ園長など責任者と時間をすり合わせておき、迷惑がかからない時間を選定しましょう。

実際に見学に行った後には、家族間での情報共有も欠かさないようにするのも大切な取り組みです。雰囲気はどうだったか、無理なく通えそうかなどを話し合ったうえで結論を出しましょう。

 

8.2 通っている子の保護者から話を聞いてみる

実際に幼稚園・保育園に通っている子どもの保護者から話を聞ければ、園を選ぶうえで大きな参考となるでしょう。

実際に見学に行ったとしても、園の雰囲気や先生たちのようすなどを深く知ることは難しいでしょう。実際に通っている子どもの保護者であれば、いい面・悪い面双方を含めて「リアルな話」を聞けるため、園を選ぶための判断材料を十分に手に入れられます。

 

8.3 インターネットで情報を集める

幼稚園・保育園のなかには公式ホームページを開設している園もあります。ホームページをみることで「園のコンセプト」「どのような思いをもって運営しているか」「写真や動画による園のようす」などを確認できるでしょう。

また、インターネット上に園の口コミが掲載されているケースもあります。すべての口コミを鵜呑みにしてはいけませんが、園の情報を集める手段としては有効です。

 

9 幼稚園か保育園かを選ぶ基準

幼稚園か保育園かを選ぶ基準

幼稚園か保育園かを選ぶ基準としては、下記5点が挙げられます。

  • 教育方針
  • 雰囲気
  • 家からの近さ
  • 見学時の印象
  • 先生たちのようす

ここからは、それぞれの基準を解説していきましょう。

 

9.1 教育方針

幼稚園か保育園かを選ぶ際には、まず園の教育方針を確認しましょう。それぞれの園ごとに、「どのように子どもを育てていくのか」といった方針やコンセプトは異なります。

「元気で活発な子どもを育成する」「小学校受験に備えてしっかりと教育していく」などその内容はさまざま。まずは夫婦で「子どもをどう成長させていきたいか」を話し合ったうえで、その内容に沿った園を選ぶよう心がけましょう。

 

9.2 雰囲気

実際に園に通ううえで「雰囲気」はとても重要です。幼稚園や保育園で子どもが何を学ぶかはもちろん大切ですが、何よりも「楽しく通うこと」が子どものためでもあります。

もし園の雰囲気が子どもの性格や特性と合いそうになければ、違う園を選ぶのがおすすめです。雰囲気は園の方針とも関わりが深いため、どちらも事前にしっかり確認しておきましょう。

 

9.3 家からの近さ

家から近いかどうかも幼稚園・保育園を選ぶ際には重要なポイントとなるでしょう。教育方針や雰囲気が理想に近かったとしても、あまりに遠いようでは送り迎えが大変になります。

家庭によっては、朝に子どもを送った後に職場に向かうパパ・ママもいるでしょう。家と園、職場の位置関係、通いやすさを考慮しながら園を選べば、朝夕のバタバタが少し避けられるかもしれません。

【POINT】
家からの距離や交通路は、実はとても大切です。長い園生活では「荷物が多く、雨が降っている朝に急いで送って行かないといけない」パターンもよくあるからです。
実際の移動経路も想定し、無理なく通える範囲で選びましょう。

 

9.4 見学時の印象

事前に幼稚園・保育園に見学に行く場合には、見学時に得た印象を大切にしましょう。

ホームページや人づてに情報を集めるのも重要な取り組みですが、実際に見学して雰囲気を掴むのが大切です。情報だけではなく、自分たちの直感も重要視してみましょう。

入ってから後悔しないよう、最終的な入園可否は夫婦で十分に話し合って決めることをおすすめします。

 

9.5 先生たちのようす

子どもを幼稚園・保育園に入園させた後、最も深く関わる大人は園の先生たちです。先生をどれだけ信頼できるかも園を決める重要な要素となるでしょう。

見学に行く際には、「先生が真剣に子どもと接しているか」「トラブル時にも安心して任せられそうか」「子どもたちが楽しそうにしているか」などの観点から先生たちのようすを確認してみるといいかもしれません。

 

10 幼稚園か保育園かを選ぶタイミング

幼稚園か保育園かを選ぶタイミング

幼稚園か保育園かを選ぶタイミングは、子どもが3歳になる前となるでしょう。幼稚園の対象年齢が満3歳からであるためです。

子どもが3歳に満たない年齢のうちに預ける必要がある際には、保育園に通わせておくことをおすすめします。一般的な幼稚園入園のタイミングが近づいてきたら、そのまま保育園に通わせるのか、あらためて幼稚園に入園させるのかを検討しましょう。

しかし、時期的な問題以外にも「近くにある園の種類」「パパ・ママの状況」「入園できる園があるかどうか」などさまざまな要素によって園は選ばれます。子どもが1~2歳のうちに将来のことをあらかじめ話し合っておきましょう。

 

11 まとめ

幼稚園と保育園、通わせるならどっち?違いやメリット・デメリットを解説まとめ

この記事では、子どもを幼稚園・保育園のどちらに通わせるかを迷っているパパ・ママ向けに、幼稚園と保育園の違いやそれぞれを選ぶメリット、具体的な選び方などを解説してきました。

幼稚園と保育園双方の違いを理解したうえで、家庭内の方針を明確に定め、子どもをどこに通わせるかを選びましょう。小学校入学までの大切な時期を意義あるものにするためにも、パパやママがしっかり相談しておくことが重要です。

ぜひこの記事を、家族にぴったりの園を選ぶ参考としてください。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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