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幼稚園の上手な選び方とは?後悔しないためにこだわるべきポイント8つ

2023.01.10

育てる

幼稚園を選ぶ際は、立地や教育方針などさまざまな要素を考慮する必要があります。
幼稚園での遊びや教育は、協調性や主体性に大きな影響を与え、子どもの将来を大きく左右します。そのため、幼稚園は慎重に選ばなければいけません。

また、幼稚園は、運営元によって運営方針や教育内容に特徴があるので、家庭状況に合わせて選ぶことが重要です。

今回は、幼稚園選びで着目すべき点を解説します。幼稚園選びで失敗しないための注意点についても理解できる内容になっているので、子育て世帯の方はぜひ最後までお読みください。

この記事はこんな方にオススメ

  • 幼稚園の種類が分からない
  • 幼稚園選びの比較点が分からない
  • 幼稚園選びの注意点が分からない

1 幼稚園は4種類!それぞれの特徴を解説

幼稚園は4種類!それぞれの特徴を解説

幼稚園は運営元によって、国立・公立・学校法人の幼稚園・102条園の4種類に分けられ、それぞれ教育方針・職員の種類・施設利用料などが異なります。まずは、それぞれの幼稚園にどのような特徴があるか確認しましょう。

 

1.1 国立幼稚園

国立幼稚園は、文科省が管轄する国立大学教育学部の付属幼稚園を指します。
そのため、地方の教育委員会の指導を受けず、大学研究を取り入れた新しい幼児教育を受けられます。また、大学の教育実習にも利用されるほか国が管轄するため、私立保育園よりも安い保育料で利用可能です。

ただし、国立幼稚園は先進的な幼児教育を受けられることから人気があり、入園のハードルは高いという特徴があります。そのため、入園試験を課している国立幼稚園も多く、受験のために幼児教室や過去問などで対策を練らなければいけません。

なお、国立幼稚園は、エスカレーター式(入園後は受験をせずに大学までいける方式)を採用している場所もあり、入園ハードルが特に高く設定されています。

 

1.2 公立幼稚園

公立幼稚園は、都道府県の教育委員会が認可し自治体が運営している施設です。
公立幼稚園の特徴としては、私立や国立に比べて定員が少なく、2年保育(4歳から入園し2年間通園する方式)を採用している施設が多いという点が挙げられます。なお、3年保育を採用している施設もあり、子育て世帯から人気を集めている一方で、入園ハードルは高めです。

また、公立幼稚園の教育方針は、自由遊びを基本としています。自由遊びとは、先生が介入したり強制したりせず、子どもの自由意志に任せて遊びを選んでもらう方針です。
そのため、公立幼稚園の教育方針であれば、子どもの主体性・コミュニケーション能力・創造性が養われます。

そのほか、公立幼稚園は国立幼稚園と同様に施設利用料が安いという特徴があります。

 

1.3 学校法人の幼稚園

学校法人の幼稚園は、国立幼稚園と同様に文部科学省の管轄下にあり、学校法人によって設立される施設です。また、学校法人は、私立学校法にもとづいて教育施設を設置運営する団体を指します。

学校法人の幼稚園で実施される幼児教育は特色が濃く、法人ごとにモンテッソーリ教育や芸術関係など特殊なカリキュラムを組んでいます。そのため、個性や情操を重視した教育を求めているパパママに、学校法人の幼稚園はおすすめです。

なお、学校法人の幼稚園は、国公立の施設に比べて利用料が2〜3倍かかります。

ただし、2019年10月から、幼児教育を無償化する補助金制度が整備され、住民税非課税世帯は、子どもの施設利用料が援助されています。
そのため、家計の関係で私立幼稚園を利用できなかった家庭でも、補助金を利用して学校法人の幼稚園に通えるようになりました。

 

1.4 102条園

102条園とは、旧学校教育法102条にもとづいて設立された幼稚園です。現在は学校教育法附則6条に対応しており、附則6条園と呼ばれる場合があります。

なお、102条園は、旧学校教育法時代の幼稚園が学校法人の基準を満たせない場合などに、設立されます。また、102条園の運営元は主に、宗教法人・社会法人・農協・個人の4つです。

そのほか、102条園は、旧学校教育法時代からの長い歴史がある施設です。そのため、102条園は、古くからの思想や理念にもとづいた伝統のある教育を行っています。

加えて、少人数保育による質の高い教育を提供している施設もあります。幼児教育にこだわりのある方には、102条園がおすすめです。

【POINT】
幼稚園の違いをシンプルにまとめると、以下になります。
・国立幼稚園:大学研究を活かした指導が受けられるが、入園は激戦!
・公立幼稚園:自由遊びを重視し、費用も抑えめ。
・学校法人幼稚園:園ごとに独自の教育方針がある。モンテッソーリがあるのはここ。
・102条園:歴史が長く、伝統ある教育が受けられる。

 

2 幼稚園を選ぶ際はかならず見学へ行く

幼稚園を選ぶ際はかならず見学へ行く

入園申し込み前に、かならず幼稚園に見学へ行きましょう。見学へ行かずに幼稚園を選んではいけません。

施設利用料や住所など、インターネットで調べられる内容だけで幼稚園を選んでしまうと、後悔する可能性があります。なぜなら、周囲の交通量や雰囲気など、幼稚園を実際に見に行かないとわからない点があるからです。

また、子どもを連れてもよい見学であれば、かならず親子で参加しましょう。実際に幼稚園へ通うのは、パパママではなく子どもです。そのため、子どもが幼稚園の雰囲気を気に入るかも重要な点です。

実際の通園をイメージできるので、ぜひ一度は見学へ行きましょう。

 

3 幼稚園選びでこだわるべき8つのポイント

幼稚園選びでこだわるべき8つのポイント

幼稚園は数多く設立されており、全国に約1万施設あります。そのため、複数の幼稚園を比較して、子どもや家族に見合った施設を見つけることが重要です。こちらでは、幼稚園選びでこだわるべきポイントを8つ紹介します。

 

3.1 幼稚園の立地

まずは、幼稚園の立地について確認しましょう。

共働き世帯であれば、毎日の通勤や勤務時間を考慮して、自宅から幼稚園の距離がどのくらいであれば無理なく通園できるか考えなければいけません。あるいは、勤務先から近い場所に立地する幼稚園についても考慮する必要があります。

また、幼稚園の周辺で交通事故が起きていないかどうかや、交通量についても確認しましょう。

幼稚園では、先生の引率で周辺を散歩する場合があります。そのため、交通量が多かったり見晴らしの悪い道があったりしないかどうか注意が必要です。

そのほか、園庭の広さや柵の有無も確認が必要です。園庭で遊んでいる際に、道路に飛び出す危険性についても考慮しましょう。

 

3.2 保護者の負担

通園料やイベント参加の有無など、保護者の負担について確認しましょう。

一般的に、私立(学校法人の施設や102条園)の幼稚園は、国公立に比べて利用料が高く設定されています。また、幼稚園によっては、制服代・教材費・遠足代などもかかる可能性があります。

場合によっては、補助金では私立幼稚園の利用料をまかなえない可能性があるため注意しましょう。

そのほか、行事参加・園内整備・役員会など、保護者が参加しなければならないイベントが多い幼稚園もあります。仕事と保護者負担の兼ね合いも考慮して、幼稚園を選びましょう。

なお、幼稚園は給食がある場合と弁当を持参しなければならない場合、あるいは弁当か給食を選択する場合があります。弁当を持参しなければならない場合は、頻度の確認が必要です。あるいは、給食制度のある幼稚園を選びましょう。

 

3.3 通園方法

幼稚園の通園方法を確認しましょう。私服通園であれば、制服を購入する必要がありません。

ただし、式典行事でフォーマルな服を用意しなければならない場合は、各家庭で購入しなければならないためお金がかかります。

一方で、制服通園の場合は、式典行事や毎日の通園で子どもの服を用意する必要がありません。ただし、私服に比べて、数を用意できないため洗濯が大変であったり、入園時の家計への負担が大きかったりします。

また、バスか徒歩通園かの確認も必要です。バス通園があれば、パパママの送迎負担は少なく済みます。ただし、月々のバス代が請求される点や、天候によって利用できない日がある点に注意が必要です。

一方で、徒歩通園は親子のコミュニケーションを取りやすいという利点があります。ただし、パパママに時間的な余裕がないと、通園が負担になってしまいます。

 

3.4 幼稚園の雰囲気

先生や職員・園児・よそのパパママの雰囲気について確認しましょう。
幼稚園では、保護者や先生とも付き合いが生じます。特に、先生の雰囲気については細かい確認が必要です。

園児への接し方が乱暴でないかどうか、一緒に楽しんでいて子どもが楽しそうにしているか、暗い雰囲気ではなくいきいきと仕事をしているかなどを確認しましょう。

また、幼稚園では保護者同士の付き合いも生まれます。特定の保護者で派閥ができていたり、雰囲気の悪いパパママがいたりする幼稚園は避けましょう。

なお、一度の見学では、幼稚園の雰囲気がよくわからないパパママもいると思います。そうした方は、幼稚園のイベントや体験入園に積極的に参加し、雰囲気を確認しましょう。

 

3.5 教育方針

幼稚園は、国立・公立・私立によって、教育方針が大きく異なるため注意が必要です。そのため、パパママの教育方針と、幼稚園が重点をおいて教育している点をすり合わせる必要があります。

幼稚園の理念は何か、運動系や芸術系など力を入れている教育はあるかどうかなどを、確認しましょう。

加えて、1日の具体的な過ごし方はどうか、子どもは遊び時間と学ぶ時間をどのように過ごすのか、などの確認も重要です。

遊び時間か学ぶ時間のどちらかが極端に長いと、3育(知育・徳育・体育)はバランスよく育ちません。遊びと教育をバランスよく取り入れている幼稚園を選びましょう。

また、子どもの𠮟り方についても体験入園や見学会でよく確認する必要があります。高圧的に𠮟っていないかどうか、失敗を次に生かす𠮟り方をしているか確認しましょう。

 

3.6 対象年齢

幼稚園の対象年齢を確認しましょう。共働き世帯や片親世帯のパパママは、4年保育を提供している保育園がおすすめです。

多くの幼稚園では、2年保育(4歳から通う形式)を採用していますが、中には満3歳ですぐに通園する4年保育や、2歳から通える未就園児クラスを設けている施設もあります。

未就園児クラスは、早い段階から子どもを幼稚園に通わせられるため、子どもがその幼稚園に馴染めるかどうかの判断に役立ちます。

なお、未就園児クラスよりも早い段階で子どもを預けたいパパママは、認定こども園(保育園と幼稚園の中間のような施設)の利用もおすすめです。認定こども園であれば、0〜5歳まで預けられます。

 

3.7 早朝・夕方以降の保育対応

幼稚園が延長保育を提供しているかどうか確認しましょう。仕事が忙しい家庭や、共働き世帯のパパママは、延長保育を提供している幼稚園がおすすめです。

幼稚園の保育時間は一般的に7〜18時前後です。しかし、幼稚園によっては、通常時間にプラスして1時間前後の延長保育を提供している場合や、21時頃まで預かってくれる場合もあります。

ただし、延長保育は通常よりも高い利用料金が設定されているため注意が必要です。

また、夏休みや冬休みなど、長期休暇期間中の預かり保育についても対応しているか確認しましょう。なお、長期休暇期間中の預かり保育は人気が高いため、定員数や利用条件についても合わせて確認する必要があります。

 

3.8 子どもが気に入るかどうか

幼稚園は子どもが主体となって通う施設です。そのため、子どもが通園を苦痛に感じる幼稚園を選んではいけません。

また、幼稚園は、パパママが仕事や家事をするために預けるのではなく、子どもが成長するために利用する施設です。どれだけパパママにとって、立地や利用料が好条件であっても、子どもが安心かつ楽しんで通園できなければ意味がありません。

体験入園や見学会には、できる限り親子で参加して、子どもが幼稚園を気に入るかどうか確認しましょう。

【POINT】
実際は、「入園してみないとわからない」面が多いのも事実です。入園前にできるだけ実態を知りたい方は、その園に子どもを通わせる知人から情報を集めましょう。

 

4 幼稚園を選ぶ際の注意点3つ

幼稚園を選ぶ際の注意点3つ

幼稚園選びでは、子どもの持病やパパママの就業状況を考慮して幼稚園を選ぶことが重要です。こちらでは、幼稚園を選ぶ際の注意点を3つ紹介します。

 

4.1 アレルギーや持病への対応

子どもがアレルギーや持病を持っている場合、幼稚園でどのような対応をしてもらえるか確認する必要があります。

もし、子どもが食物アレルギーを持っている場合は、アレルゲン除去食を作ってもらえるかどうか、あるいは給食制度がある施設でも弁当持参が許可されるかなどを確認しましょう。

また、子どもが内部機能疾患や喘息を患っている場合は、そもそも幼稚園側が受け入れてくれるか職員に疾病への理解があるかどうかなどの確認が必要です。

なお、幼稚園でアレルゲン除去食を作ってもらいたい場合は、医師による診断書が必要です。事前に医師の診断を受けて、診断書を作成してもらうとともに、アレルゲン除去食についてアドバイスを貰っておきましょう。

 

4.2 募集人数やスケジュール

幼稚園に子どもを通わせる場合は、入園(年度初めは4月)の1年前から募集人数やスケジュールなどの情報収集を進めましょう。

なぜなら、幼稚園によっては人気があり、独自に面接・試験・抽選などを実施する場合があるからです。加えて、入園のためのスケジュールも確認しなければ、申し込みできない可能性もあります。

しかし、1年前から準備を進めることで、余裕を持って入園試験への対策や手続きを進められます。

なお、幼稚園よっては、定員になり次第募集を締め切る場合もあるため注意が必要です。幼稚園の申し込みは大体10〜11月上旬頃まで受け付けています。幼稚園選びが終わったら忘れずに申し込みましょう。

 

4.3 共働きなら保育園も候補に入れる

もし共働き世帯で、早い時期から子どもを預けたいのであれば、幼稚園だけでなく保育園も候補に入れましょう。保育園は幼稚園に比べて対象年齢が広く、0歳から小学校入学前までの子どもを受け入れます。

ただし、保育園は入園に審査や面接があり、利用のハードルが高いという特徴があります。なお、審査には、確定申告書や勤務証明書、母子手帳などが必要です。必要書類が多いので、書類不備や記入ミスなどに気を付けましょう。

関連記事:幼稚園と保育園、通わせるならどっち?違いやメリット・デメリットを解説

【POINT】
保育園は年度途中の入所も可能です。ただし4月から預け始めたい場合は、前年度の申し込み手続が必要となります。申し込み手続きの締め切りは自治体ごとに決まっています。
お住まいの地域の子育て支援課にお問い合わせください。

 

5 まとめ

幼稚園の上手な選び方とは?後悔しないためにこだわるべきポイント8つまとめ

幼稚園は、運営元で4種類に分けられ、それぞれ教育方針や雰囲気に特色があります。そのため、幼稚園は、子どもへの教育方針やパパママの就業状況を考慮して、選ばなければいけません。

また、入園申し込み前にかならず幼稚園に見学へ行き、周囲の交通量や雰囲気など幼稚園を実際に見に行かないとわからない点を確認しましょう。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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