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小学校選びで後悔しない!子育て世代のパパママが知っておくべきこと
2023.06.06
一昔前は義務教育である小学校は、住んでいる地域の一番近くの小学校に通うのが普通で、学校選択制度などもあまり知られていなかったと思います。
しかし、現在では小中高一貫校などの新しい学校も増え、小学校が単なる義務教育の場にとどまらず、教育の可能性を秘めた選択肢を提供しています。そのため、早めの準備と満足の行く選択ができるようにしたいものです。
小学校選びによって、子供の性格や得意とすることを見極め、学校や教育環境を考えるきっかけとなるよう、今回は小学校選びのポイントをまとめたいと思います。
この記事はこんな方にオススメ
- 小学校選びのポイントを知りたい
- どんな選択肢があるか知りたい
- 現在幼稚園または保育園に通っている子供がいる
もくじ
小学校の種類
小学校の種類は公立(市立、区立を含む)、私立、国立に大別されます。
文部科学省が発表した「令和2年度学校基本調査」によると、全国の小学校数は19,526校。
そのうち公立小学校が19,218校、私立小学校が240校、国立小学校が68校となっています。
公立小学校
都道府県・市区町村が運営しており、働く先生は地方公務員で、転勤移動があります。
住んでいる学区に応じた学校へ通うため入学するための試験がなく、学費は無料、給食費や制服代、諸経費以外の金銭的負担、送迎などの負担がありません。
教科書はその公立小学校が設置されている地域の教育委員会が選定しますが、教育内容に関する独自の工夫などは行いにくく、基本的には地域全体で同じ内容を学ぶことになります。
最近は、公立でも最近は小中一貫校がある地域もあり、小学校高学年から中学校の授業を体験できたり、体育祭に参加できたりと中学生との交流を早い段階から持つことができます。これにより、人間関係も築きやすいというメリットもあります。
私立小学校
学校法人が運営し、教職員は小学校教諭普通免許を持っていますが、採用は各学校が独自に行っています。
入学するためには各学校の入学試験を受ける必要があり、公立・国立と比べ学費は高い傾向です。平均すると年間で100万円前後かかる見込みで、その他の行事など臨時の出費は多々あるようです。
入学金も施設費等合わせると40〜50万円ほどかかる上、学校によっては寄付をお願いされることもあります。
文部科学省の「学習指導要領」に沿った学習を行いますが、学校の方針は自由度が高く、独自の工夫が加えられやすくなっています。
教科書などは学校長が選択可能なので、力を入れる学科も多岐にわたります。
施設、設備も充実しているのも特徴で、保護者の役員活動がない代わりに費用が高いところも多いようです。
私立小学校の場合、ほとんどが給食がなく弁当持参となっており、共働き家庭には大変ですが、アレルギーを持っている子供には安心ではないでしょう。
また、放課後、校内で部活や習い事のような取り組みがある学校もあり、
大学までエスカレーター式に進学できる小中高大一貫校や、大学附属だが大学受験対応の小中高一貫校など進学のタイプもさまざまです。
国立小学校
国が運営する国立小学校は、多くが国立大学付属で小中一貫校となっています。
授業料は公立と同じで基本無料です。
制服代や学用品や諸経費等、公立小学校よりはかかる見込みで、初年度40万前後かかりますが、私立のように入学金などはありません。
国の教育研究機関として高度な教育を受けられるため、高い競争率を誇ります。抽選があり、その後入学試験を受ける必要があります。
また、両親への面接試験もあり、教育方針の内容や学校行事やPTA活動への参加も評価のポイントとなっています。
その他の学校
インターナショナルスクールなど現在は両親が外国人でなくても受け入れてもらえます。
入学するには面接試験などがあり、学費は私立小学校よりも高額なところもあります。
高い英語力が身につき、グローバルな人材に育てることができますが、
日本の学校教育法で定められている教育施設ではないため「各種学校」に分類され、途中で日本の公立学校に転入しにくくなります。また、インターナショナルスクールから日本の高校に入学する際も「中学校卒業認定試験」に合格しなければなりません。
その他、フリースクールやオルタナティブスクール(モンテッソーリ教育など)の学校も存在します。
文部科学省 R2年度学校基本調査
https://www.mext.go.jp/content/20200825-mxt_chousa01-1419591_8.pdf
小学校選びの準備はいつから?
通常公立小学校へ入学する前年度の10〜11月頃には、入学を控えるすべての児童のもとへ就学時健康診断の通知が送られてきます。その後2月頃多くの学校が入学説明会を開催します。
私立小学校や国立小学校へ入学を希望する場合、入試が前年の11月、12月より始まるので、その一年前、年中の11月頃までに情報収集や準備を始めるといいと言われています。
行きたい小学校のために引っ越しを済ませるなら、学区の検討は早いうちから始めたほうがよいでしょう。選んだ学区内で物件を探すとなると賃貸だと1,2ヶ月、購入だと半年から一年以上はかかることもあります。
どうやって調べる?
口コミサイト
ネット上で学区を調べられるサイトもあるようですが、学区変更や統廃合など、どの程度反映されているかは不明です。
お住まいの自治体の公式サイトや直接自治体に問い合わせることをおすすめします。
近所の評判
小学校の情報はその学校に通っている子の親から聞くのが一番ですが、地域の人たちと交流がなかったり、引っ越しで初めて住む場所だったりすると、情報を手に入れるのが難しかったりします。
その場合は、不動産や子育て支援センターなど地域に根ざした施設等に聴いてみましょう。
学校公開参加
学校説明会の場合、通うことが決まってからや直前のことが多いですが、多くの小学校で保護者や地域の方が出入りできる「学校公開」が行われています。
校舎等の環境はもちろん、生徒や先生の普段の様子も見ることができる貴重な機会です。
運動会等のイベントを公開している学校もあるので、学校のホームページをチェックしておきましょう。
学校選択制度とは?
地域によっては通学する小学校を選べる「学校選択制」という制度があります。
同じ地区町村で2つ以上の学校がある場合市町村教育委員会が保護者の意見を聴いて小学校の指定を行う制度です。
学校選択制には以下のような形態があります。
- A)自由選択制
当該市町村内のすべての学校のうち、希望する学校に就学を認めるもの - B)ブロック選択制
当該市町村内をブロックに分け、そのブロック内の希望する学校に就学を認めるもの - C)隣接区域選択制
従来の通学区域は残したままで、隣接する区域内の希望する学校に就学を認めるもの - D)特認校制
従来の通学区域は残したままで、特定の学校について、通学区域に関係なく、当該市町村内のどこからでも就学を認めるもの - E)特定地域選択制
従来の通学区域は残したままで、特定の地域に居住する者について、学校選択を認めるもの - F)その他
メリット!デメリット
メリット①
通学の利便性を考え学校を選ぶ。
子供の数の減少で、学校が統廃合や廃校となり、遠方の学校に通わなければならないときなど、通学の利便性を考え学校を選ぶことができる。
メリット②
子供の個性を考えて学校を選べる。
子供の性格や得意とするスポーツなどを考慮して、小規模の小学校を選んだり、スポーツや芸術などに力を入れている学校を選ぶことができる。
デメリット
希望する学校が遠方になる可能性もあったり、希望する学校に募集人数が決まっていたりする場合が多いので、必ずしも希望する学校に入れるとは限らない。
導入状況
平成24年度で小学校について学校選択制を導入しているのは246自治体(全体の15.9%)で、平成18年度よりも導入の検討をしている自治体が減ってきています。
減少の理由には
- 「通学距離の問題」
- 「地域との連携が希薄になる」
- 「入学者が減る恐れ」
- 「学校間格差が生じる」
などが挙げられています。
導入例
大阪市北区の小学校学校選択制を見てみると
平成28年度より「ブロック選択制による学校選択制」が導入されています。
受け入れ可能人数が学校施設等の状況により定められているため、公平性を保つため公開抽選が行われています。
中高一貫校へ入学させたい場合などに多く希望者が学校選択制を利用しているようです。
必ずしもすべての地域に学校選択制度があるわけではないので、詳しくはお住まいの自治体へ問い合わせをしてみましょう。
文部科学省HP
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakko-sentaku/index.htm
小学校選びのポイント
クラスと生徒数
学校全体で1学年何クラスあるのか、1クラス何人いるのかはとても気になるところです。
評判の良い学校には人が集まりやすくなるので、大規模または小規模の学校を選ぶのか、子供の性格やPTA活動なども考慮したいポイントです。
設備や環境
学びたい環境や設備が整っているかどうかも重要なポイントになってきます。
「のびのびと運動させたい」「自然豊かで落ち着いた環境で学ばせたい」「充実した図書館がある」など。
また通学に無理のない距離かどうかも事前に調べる必要があります。
PTA活動について
PTAとはParent Teacher Associationの略で保護者と教職員による組織のことです。
主に運動会や学校行事の運営のサポート、子どもたちの安全や防犯のためのパトロール、
広報活動や年度ごとの決算報告や活動計画の立案などを行います。
地域や学校によってPTA活動は様々ですが、だいたい1クラスに2人から3人の保護者が選ばれ、学校全体で会長、副会長、会計などの役割があります。
一人の子供に対して6年間の内1回は回ってくると言われているPTA役員ですが、ほとんどの小学校の保護者の方は経験があるのではないでしょうか?
仕事を持つ親にとって、仕事を休んでまで役員会などに参加しなくてはいけない場合もあり、敬遠されがちです。しかし、役員になると学校の先生方や保護者の横の繋がりもでき、学校内事情にも詳しくなるので、子供にとっても参加するメリットがあると言えます。
学童保育について
学童保育とは、放課後の時間に小学生を受けいれている施設のことです。
学童クラブや放課後児童クラブと呼ばれているところもあります。
主に職員と宿題をしたり、遊んだりしながら夕方まで時間を過ごします。
共働き世帯なら学童保育の有無や場所、時間帯なども確認しておきたいところです。
公立や民間が運営など学童も様々で、選ぶ所によっては申込の時期や方法、金額も全く異なるようなので入学前にチェックをしておきたいポイントです。
利用料金は月5,000円〜10,000円程度で、おやつ代なども含まれているところが多くなっています。施設によっては低学年のみの受け入れや定員もあるため、保育園同様、待機児童が増加傾向にあるようです。
私立中学の受験率
私立中学の受験率も確認しておきたいポイントになります。
中高一貫校に行かせたい場合、中学受験は避けて通れない関門となります。
受験率が高い小学校は、受験に慣れているため対応もスムーズで、周りには必然的に塾通いの子が多いため、受験を考えていない場合でも、遊ぶ友達がなかなか見つからないという状況に陥ることがあります。一方、中学校の受験率は、入学時の学校説明会などで説明があるのが一般的です。
その他学級崩壊やいじめの問題が起きていないかどうかなど、気になる点もあります。
学年によって異なりますが、地域の学校に通わせる場合は、他の保護者の方や保育園幼稚園からの情報も参考にしましょう。
まとめ
小学校入学と同時に親からやっと離れ、自分で学校に通うことで、だんだんと子供も自立していきます。
新一年生の入学直後は初めての事だらけで心配ごとも多いので、安心できる環境を子供にも親にとっても準備したいところです。
生まれてまだ4、5年しか経ってなく、まだまだ先と思っているとあっという間に就学時期がやってきます。
早めに準備をしておくことで子供の将来のためにも、親としての心構えもできるのではないでしょうか?
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この記事を書いた人
hauska編集部
料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。