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芸術鑑賞で伸ばせる子どもの5つのチカラはこれ!おすすめアートスポット7選も紹介

2023.01.23

息抜き

子どもの創造力を伸ばすと言われている芸術鑑賞ですが、「具体的にどんな効果があるの?」「何を見せればいいのか分からない」と悩む方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、芸術鑑賞を通して伸ばせる子どものチカラと、効果的に芸術鑑賞をする方法についてご紹介します。親子で楽しめる全国のアートスポットもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな方にオススメ

  • 芸術鑑賞の効果を知りたい
  • おすすめの鑑賞方法を知りたい
  • 親子で行ける美術館を知りたい

1 子どもにも芸術鑑賞をさせたほうが良い?

子どもにも芸術鑑賞をさせたほうが良い?

そもそも子どもに芸術鑑賞をさせたほうがいいのか、その必要性をご紹介します。

 

1.1 海外では芸術鑑賞も教育のひとつ

日本ではまだまだですが、海外では子どもが小さいうちから芸術鑑賞をする習慣があります。幼いうちから芸術に触れる機会を増やすことで、創造力や思考力を育むためです。

美術館での校外学習や子ども向けのアート教室のほか、誕生日会が美術館で催されるケースもあるほど、芸術鑑賞は子どもにとって身近な存在なのです。

 

1.2 芸術分野を含めたSTEAM教育が始動

近年になり、ようやく日本でも子どもの芸術教育に注目が集まるようになりました。代表的な例として、2020年から新学習指導要領に追加された「STEAM教育」があります。技術革新が進む現代、芸術分野を含めてIT社会に幅広く順応できる人材を育てるための教育です。

ゼロからモノを作り出せる「創造性」を育むための芸術教育が、日本でもいよいよ始まっているのです。

【POINT】
STEAM教育とはScience(科学)、Techonology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathmatics(数学)の頭文字から名づけられました。AI時代を生き抜くためには、科学分野以外に芸術分野も必要という考えです。

 

2 芸術鑑賞で伸ばせる子どものチカラ5つ

芸術鑑賞で伸ばせる子どものチカラ5つ

子どもが芸術に触れることで身につく「5つのチカラ」についてご紹介します。

 

2.1 創造力

芸術鑑賞は子どもの自由な発想力や創造力を育てます。たくさんの名画や音楽、演劇などに触れているうちに、イメージを形にするチカラや、ひらめきのチカラが生まれてくるからです。

【POINT】
創造力とは0から1を作り出すチカラです。社会に出てからは、課題解決のためのひらめきやアイディアを出すチカラとして大いに役立ちます。

 

2.2 コミュニケーション力

読み書きができない子どもでも、アートや舞台を見て感じたことを身振りや手ぶり、言葉で伝えようとします。自分の中に生まれたイメージを、お絵描きを通して表現しようとする子もいるかもしれません。そういった「表現したい」という欲求が、コミュニケーション力を高める基礎になります。

 

2.3 好奇心

芸術の中でもアートに触れることで、子どもの心に「これはどうなっているんだろう?」という好奇心が生まれます。好奇心はアイディアや想像力のもとであり、成長に合わせて学ぶ意欲の基礎ともなる大切な力です。たくさんのアートに触れることで好奇心の芽が育っていきます。

 

2.4 観察眼・集中力

芸術鑑賞では「見る」「聞く」という行為を通じて、観察力と集中力を身につけられます。例えば1枚の絵画を見ているだけでも、使われている色や絵の具の塗り方など、実に様々な発見があります。じっくり鑑賞することで、観察力と集中力が育まれていくのです。

【POINT】
最初は細かいところまで見るのは難しいため、親が先導しながら「何が描かれているかな?」と問いかけてみましょう。会話を重ねることで、さらに観察力が身についていきます。

 

2.5 自己肯定感

芸術鑑賞をしていると、親子で感じ方が異なる場合があります。そんなときでも子どもの感じ方や感性を親が認めてあげると、子ども自身の自己肯定感が上がります。自分が「好き」「いい」と感じたものを認めてもらえることで、自信につながるからです。

 

3 子どもの芸術鑑賞、おすすめのテーマは?

子どもの芸術鑑賞、おすすめのテーマは?

芸術鑑賞では具体的にどのようなものを見ればいいのか、親子で楽しめるテーマやジャンルをご紹介します。

 

3.1 絵画・版画

絵画や版画は、親子で初めて芸術鑑賞をする際におすすめのジャンルです。遠方に行かなくても、地域の美術館や展覧会などで気軽に見られるからです。

様々なジャンルがありますが、子どもと一緒に見るなら自然の風景や動物、人物などが描かれた分かりやすい作品がおすすめです。

【POINT】
美術館の公式ホームページで収蔵作品を公開している場合があります。子どもが見て分かりやすい作品があるかどうか、事前にチェックしたいときに活用しましょう。

 

3.2 彫刻

公演や駅前広場など、公共の場所で見ることができる彫刻も、子どもと一緒に見られる芸術作品です。いつもは気にも留めない方も多いかもしれませんが、気軽に鑑賞できるという点で、芸術鑑賞の第一歩には最適と言えます。もちろん美術館で本格的に見るのもおすすめですよ。

 

3.3 演劇・ミュージカル

芸術鑑賞はアート作品以外に舞台芸術もあります。特に演劇やミュージカルは、ストーリーを通して様々な感情を体験できるため、子どもの感情表現が豊かになっていきます。子ども向けのミュージカルなど、分かりやすいストーリーの作品がおすすめです。

 

3.4 バレエ

敷居が高いと感じてしまうバレエですが、実は子どもの芸術鑑賞におすすめです。華やかな舞台を見て感じるワクワクやドキドキという感情が、子どもの好奇心を刺激するからです。子どもによっては美しいダンサーの姿に感動し、バレエを習いたいという夢を見つけるきっかけになるかもしれません。

【POINT】
子どもを飽きさせないために、初めのうちは有名作品のハイライトだけを集めた公演や、親子向けプログラムの鑑賞がおすすめです。

 

3.5 子ども向けコンサート

目で楽しむ芸術以外に、耳で楽しめるコンサート鑑賞もおすすめです。特に子ども向けコンサートなら「短い曲が多い・解説が入る・未就学児でも入場可能」など、親子で聞きやすい構成になっています。音楽は集中力や創造力のアップに効果があるため、子どもの芸術鑑賞に最適です。

 

3.6 歌舞伎

日本特有の芸術を学ぶきっかけとして、歌舞伎鑑賞もおすすめです。大人になると触れる機会が少なくなってしまうからこそ、子どものうちに見ておくと日本人らしい美意識が育まれます。親子向けの歌舞伎教室が開催されている場合もあるので、ぜひチェックしてみましょう。

 

4 親子で楽しむ芸術鑑賞の方法

親子で楽しむ芸術鑑賞の方法

親子で芸術鑑賞を楽しみたいとき、どんな方法で楽しめばいいのか、おすすめの方法をご紹介します。

 

4.1 美術館や劇場に行ってみる

最も手軽に芸術に親しむ方法は、近くの美術館や劇場に行ってみることです。展示室以外にエントランスやロビーに展示されている美術作品を見るだけでも、十分な鑑賞効果があります。著名な絵画であれば子どもでも見やすい場合があるので、有名画家の企画展があればぜひ出かけてみましょう。

 

4.2 ワークショップに参加する

美術館で開催される、子ども向けワークショップへの参加もおすすめです。親子で館内の特別展をまわる、一緒にアート作品作りにチャレンジするなど、子どもの好奇心を満たすプログラムが充実しています。未就学児から参加できるものもあるので、小さい子どものママでも参加しやすいでしょう。

 

4.3 パズルや絵本で楽しむ

ゆっくり芸術鑑賞したい方は、名画が題材の絵本やパズルを使ってみましょう。自宅で楽しむ絵本やパズルなら、周囲を気にすることなく子どものペースで鑑賞できます。パズルはピースの組み合わせを考えるときに、じっくりと絵を鑑賞することも可能です。

 

5 芸術の「対話型鑑賞」が子どものチカラを伸ばす

芸術の「対話型鑑賞」が子どものチカラを伸ばす

親子で芸術鑑賞するなら「対話型鑑賞」がおすすめです。具体的な内容についてご紹介します。

 

5.1 対話型鑑賞とは

対話型鑑賞とは、作品の感想を言葉で共有し、お互いに対話しながら作品を見る鑑賞方法です。見たままの感想を伝えることがポイントになるため、専門知識を必要としません。作品を見て感じたことを相手に伝えることで、思考力や表現力が磨かれます。

【POINT】
対話型鑑賞を通して、子どもは「他の人の意見に耳を傾ける」「作品を見ての感じ方は人それぞれ」ということを学べます。子どもの価値観を大いに広げられる鑑賞方法と言えます。

 

5.2 対話型鑑賞の方法

対話型鑑賞を行う場合、まずは作品をひとつ決めて鑑賞しましょう。その後、親が進行役となり子どもに「この絵には何が描かれてる?」「それを見てどう思った?」というように、質問を投げかけていきます。「なぜ」という質問を繰り返しながら対話を重ねていくことで、子どもの思考力や想像力が育っていきます。

 

6 親子で楽しめるアートスポット5選

国内に450か所以上ある美術館の中から、親子で一緒に楽しめるアートスポットを厳選してご紹介します。

 

6.1 東京国立近代美術館(東京都)

 
 
 
 
 
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東京国立近代美術館|The National Museum of Modern Art, Tokyo(@momat_museum)がシェアした投稿

日本画から洋画まで、約13,000点の収蔵作品がある「東京国立近代美術館」は、子どもに名画や著名な作品を見せたいときに最適な場所です。未就学児の美術館デビュー用に「親子でトーク」というイベントも開催しているので、小さな子ども連れの方でも安心です。

 

6.2 金沢21世紀美術館(石川県)

 
 
 
 
 
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「こどもたちとともに、成長する美術館」というコンセプトで作られた「金沢21世紀美術館」は、親子で楽しめる工夫が随所に施されています。まるで水中に入ったかのような気分になれることで有名な「スイミング・プール」は、子どもも興味津々で見てくれますよ。

 

6.3 SUWAガラスの里(長野県)

 
 
 
 
 
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長野県にある「SUWAガラスの里」は、県下最大級のガラス作品のミュージアムです。館内には美しく繊細なガラス作品が展示されており、キラキラ輝く様子が子どもたちの好奇心を刺激します。体験工房では実際にガラス作品が作れるため、親子で一緒にガラスアートに挑戦できますよ。

 

6.4 ビュフェこども美術館(静岡県)

 
 
 
 
 
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静岡県にある「ビュフェこども美術館」は、五感でアートに親しめる場所です。子どもの好奇心を刺激する工夫が随所にあり、木のボールプールでは実際に入って感触を楽しむことができます。作品の登場人物になりきる変身コーナーもあるので、親子で思い切り楽しめますよ。

 

6.5 香美市立やなせたかし記念館(高知県)

 
 
 
 
 
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やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム(@anpanman_museum)がシェアした投稿

アンパンマンの生みの親・やなせたかしの記念館です。敷地内にあるアンパンマンミュージアムでは、館内を自由に歩き回りながらアンパンマンの世界を体験できます。難しい絵は一切ないため、小さな子どもでも十分に楽しめますよ。

 

7 親子で芸術を楽しむコツ

親子で芸術を楽しむコツ

親子で芸術鑑賞を楽しむためには、いくつかコツがあります。効果的な鑑賞にできるように、事前にコツを知っておきましょう。

 

7.1 子どもの感性を受け入れる

様々な作品を見ていると、子どもと親で「好き」と感じるものが違ってくる場合があります。違ったとしても子どもの意見は否定せず、「そうなんだね」とそのまま受け入れてあげてください。子どものそのままの感性を受け入れてあげることが、芸術鑑賞をより楽しめるきっかけになります。

 

7.2 親自身も一緒に楽しむ

子どもだけでなく親も一緒に楽しむことが、芸術鑑賞を成功させるポイントです。義務感からの鑑賞や嫌々やっている雰囲気があると、子どもも興味をなくしてしまいます。まずは親自身が無理なく楽しめる範囲で、芸術鑑賞をスタートさせてみましょう。

 

8 自宅で手軽に芸術鑑賞する方法

自宅で手軽に芸術鑑賞する方法

自宅で芸術鑑賞をしたい方のために、手軽に鑑賞できる方法をご紹介します。

 

8.1 アート雑誌や図録を使う

美術館の図録や作品集を自宅で見るだけでも、十分な鑑賞効果があります。購入すると数千円する場合があるので、図書館の利用もおすすめです。アートや美術、芸術というコーナーに様々な作品集が並んでいます。美しい絵は子どもの創造力を刺激するので、ぜひ活用してみてください。

 

8.2 オンライン鑑賞を利用する

最近では各美術館でオンライン鑑賞できる場合があります。収蔵作品をオンラインで自由に見ることができ、学芸員による解説動画も配信されています。オンライン専門の美術館もあり、世界各国の名画をスマホやタブレットで見ることも可能です。

 

9 芸術は子どもと一緒に素直な気持ちで鑑賞しよう

芸術は子どもと一緒に素直な気持ちで鑑賞しよう

芸術鑑賞と聞くと難しく考えてしまいがちですが、一番のポイントは「親子で一緒に楽しむ」という姿勢です。芸術鑑賞の中で「何を感じたか」を大切にすることが、子どもの創造力を伸ばします。芸術作品の数だけ感じ方があり、子どもの数だけ感性があります。ぜひ、子どもの感性を大切にしながら、親子で楽しく芸術鑑賞をしてみてくださいね。

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

hauska編集部

料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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