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国民年金の育児免除とは?自営業・フリーランスの保険料が1歳まで免除に

2026.10.14

働 く

自営業やフリーランスで働きながら、赤ちゃんを迎える準備をしている方にうれしいニュースがあります。2026年10月から、国民年金の育児免除(育児期間の国民年金保険料免除制度)がスタートしました。子どもが1歳になるまでの間、国民年金の保険料を納めなくてもよくなる新しい制度です。

会社員や公務員には、以前から育児休業中の社会保険料が免除される仕組みがありました。一方で、自営業やフリーランスの方は「仕事を減らして収入が下がっても、保険料は毎月かかる」という状況だったのではないでしょうか。今回の制度は、そうした働き方の子育て世帯を支えるためのものです。

この記事では、育児免除の対象になる人、免除される期間、将来の年金への影響、手続きの方法を、日本年金機構や厚生労働省の情報をもとにわかりやすくまとめました。

この記事はこんな方にオススメ

  • 自営業・フリーランスで、出産や子育てを控えている方
  • 2026年10月から始まった新しい制度の中身を知りたい方
  • 保険料の免除で将来の年金が減らないか心配な方

1.国民年金の育児免除とは?2026年10月スタートの新制度

まずは、制度の全体像をつかんでおきましょう。

国民年金の育児免除のキホンを4枚のカードで説明した図。対象は第1号被保険者のパパ・ママ、期間は子が1歳になるまで、所得制限はなし、将来の年金額に反映される

子どもが1歳になるまで、保険料の納付が免除される

育児免除は、1歳になるまでの子どもを育てている国民年金の第1号被保険者が届け出ると、その期間の国民年金保険料の納付が免除される制度です。2026年(令和8年)10月1日から始まりました。

大きな特徴は、所得制限がないことです。これまでの国民年金の免除制度の多くは、収入が一定より少ない場合に使えるものでした。育児免除は収入に関係なく、条件に当てはまれば誰でも利用できます。

財源は「子ども・子育て支援金」

厚生労働省によると、この制度には、2026年度から医療保険料とあわせて集められている「子ども・子育て支援金」が充てられます。社会全体で子育て世帯を支える仕組みの一つといえるでしょう。

2.育児免除の対象になるのはどんな人?

国民年金の第1号被保険者であるパパ・ママ

対象になるのは、国民年金の第1号被保険者です。自営業の方、フリーランスの方、農業や漁業に携わる方、学生、無職の方などが当てはまります。そのうえで、次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 子どもと親子関係がある(実父母・養父母)
  • 子どもと同じ住所に住んでいる

パパとママが二人とも第1号被保険者であれば、二人とも対象になります。実子だけでなく、養子や、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子なども対象に含まれます。

会社員・公務員や、その扶養に入っている方は?

会社員・公務員(第2号被保険者)と、その扶養に入っている配偶者(第3号被保険者)は、育児免除の対象外です。会社員・公務員の方には、育児休業中の厚生年金保険料などを免除する別の仕組みがあります。

働き方による子育て中の保険料の違いを比べた表。第1号の自営業・フリーランスなどは育児免除、第2号の会社員・公務員は育休中の社会保険料免除、第3号の扶養される配偶者はもともと保険料の負担なし

夫婦で働き方が違う場合は、それぞれの立場で使える制度が変わります。たとえばパパが会社員、ママがフリーランスなら、ママは育児免除、パパは育休を取れば社会保険料の免除、という組み合わせになります。ご家庭の状況に当てはめて確認してみてはいかがでしょうか。

3.免除される期間はいつからいつまで?

免除される期間は、ママとパパで少し違います。12月に出産予定のケースで見てみましょう。

2026年12月に出産予定の場合の免除期間の例。ママは産前産後免除4か月のあとに育児免除9か月、パパは誕生月から1歳の誕生日の前月まで最大12か月

ママは「産前産後免除」に続く9か月

出産するママには、もともと「産前産後免除」という制度があります。出産予定月の前月から4か月間(双子などの多胎妊娠の場合は出産予定月の3か月前から6か月間)、国民年金保険料が免除されるものです。育児免除は、この産前産後免除の期間に続く9か月間が対象です。

パパは誕生月から最大12か月

パパや養父母は、子どもを育て始めた月から、1歳の誕生日の前月までの最大12か月間が対象です。

2026年10月より前に生まれた子どもは?

制度が始まった時点ですでに子どもが生まれていても、2026年10月1日の時点で1歳未満であれば対象になります。ただし、免除されるのは2026年10月分以降だけです。たとえば2026年5月生まれの子どもなら、2026年10月分から2027年4月分までが目安になります。さかのぼって9月分以前が免除されるわけではない点に注意しましょう。

4.育児免除で将来の年金は減らない?家計への影響は

免除期間は「納付したもの」として扱われる

「保険料を払わないと、将来もらえる年金が減ってしまうのでは」と心配になる方もいるかもしれません。育児免除で免除された期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の額に反映されます。通常の免除制度(全額免除など)では将来の年金額が一部しか反映されませんが、育児免除はその点が大きく違います。

負担が軽くなる金額の目安

2026年度(令和8年度)の国民年金保険料は、月額17,920円です。この金額で単純計算すると、12か月分で215,040円の支払いがなくなることになります。パパとママの両方が対象なら、家計全体ではさらに大きな違いになるでしょう。

たとえば、夫婦ともにフリーランスで2026年12月に出産予定の場合、ママは産前産後免除の4か月と育児免除の9か月で合計13か月、パパは育児免除の最大12か月が対象になります。夫婦あわせて25か月分を2026年度の保険料額で計算すると、448,000円になります。赤ちゃんを迎える1年間の家計にとって、決して小さくない金額ではないでしょうか。

なお、保険料の額は年度ごとに見直されます。2027年4月以降の月の保険料は金額が変わる可能性があるため、上の数字はあくまで目安として考えてください。

【POINT】すでに払った保険料もムダになりません

  • すでに納めた月の分も、届け出れば育児免除期間として扱われ、納付済みの保険料は充当または還付されます。
  • ほかの免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けている期間も、届け出れば育児免除期間になります。
  • 育児免除の期間中も、付加保険料(月額400円)は納めることができます。

5.育児免除の手続きと、あわせて知っておきたいこと

育児免除の手続きの3ステップを示した図。1.届書とマイナンバーカードなどを用意、2.市区町村の国民年金担当窓口・郵送またはマイナポータルで届け出る、3.免除スタート

届け出の流れ

  1. 「国民年金産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届」を用意する(年金事務所や市区町村の窓口にあり、日本年金機構のサイトからも入手できます)
  2. 住民登録をしている市区町村の国民年金担当窓口に提出するか、郵送する。マイナポータルからの電子申請もできます
  3. マイナンバーカードなど、番号と本人を確認できる書類を用意する(電子申請の場合は不要)

親子関係や住所の確認書類は原則として不要ですが、急ぐ場合は戸籍謄本や住民票を添えると手続きがスムーズです。外国籍の方や、特別養子縁組・里親委託の場合などは別の書類が必要になります。

ママの産前産後免除は、出産予定日の6か月前から届け出ることができ、育児免除とあわせて届け出ることもできます。出産が近づくと何かと慌ただしくなるので、体調が落ち着いている時期に窓口やマイナポータルで手続きを済ませておくと安心です。

届け出が不要になるケースもある

産前産後免除の期間が2026年9月以降に終わるママのうち、マイナンバーによる情報連携で親子関係と同じ世帯であることが確認できた方には、日本年金機構から「国民年金保険料育児免除該当通知書」が届き、届け出は不要です。確認できなかった場合は「産前産後免除期間終了のお知らせ」が届くので、その場合は自分で届け出ましょう。パパは届け出が必要なので、忘れずに手続きしてください。

注意したいポイント

  • 子どもが1歳になって期間が終わるときは、届け出は不要です。
  • 子どもと別に暮らすことになったなど、条件に当てはまらなくなったときは、終了の届け出が必要です。
  • 口座振替やクレジットカードで前納している方は、免除期間が終わったあとに納付方法が変わる場合があります。年金事務所に確認しておくと安心です。

国民健康保険にも産前産後の軽減がある

自営業やフリーランスの方の多くが加入している国民健康保険にも、2024年1月から、出産予定月の前月から4か月分の保険料の所得割と均等割を減額する仕組みがあります。保険料の額や届け出の窓口はお住まいの自治体によって異なるため、国民年金の手続きとあわせて市区町村に確認してみてはいかがでしょうか。

6.まとめ

最後に、国民年金の育児免除のポイントをおさらいしておきましょう。

  • 2026年10月1日から始まった、国民年金第1号被保険者のための制度
  • 子どもが1歳になるまで保険料の納付が免除され、所得制限はない
  • ママは産前産後免除に続く9か月、パパは最大12か月。夫婦とも対象になれる
  • 免除期間は保険料を納付したものとして、将来の年金額に反映される
  • 届け出は市区町村の窓口・郵送・マイナポータルで。2026年10月より前の月はさかのぼらない

自分で働き方を選んでいるからこそ、出産や子育ての時期の収入や手続きに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。新しい制度を上手に使えば、赤ちゃんとの最初の1年を少し安心して過ごせるはずです。まずは、ご自身とパートナーが対象になるかを確かめるところから始めてみてくださいね。

出典・参考:日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」/日本年金機構「【1歳までの子を養育する皆さまへ】国民年金保険料の育児免除制度をご利用ください」/厚生労働省「育児期間の国民年金保険料免除制度」/日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」/日本年金機構「国民年金保険料」/千葉市「国民健康保険料の産前産後期間相当分の減額について」

ペン先イラストこの記事を書いた人

hauska編集部

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