子育て世代に向けた「働く・暮らす」をアップデートするWEBマガジン
子どものインフルエンザ予防接種はいつ・何回?受け方と家庭の備え
2026.10.13
朝晩が涼しくなり、そろそろ子どものインフルエンザ予防接種のことが気になり始める時期ではないでしょうか。「毎年なんとなく11月ごろに受けている」というご家庭も多いかもしれませんが、2026年は少し事情が違います。全国のインフルエンザの患者数が8月の時点で流行開始の目安を超え、統計を取り始めてから2番目に早い「流行入り」となりました。
9月には学校閉鎖のニュースも伝えられ、「うちの子も早めに受けたほうがいいの?」「何回受ければいいんだっけ?」と迷っている方もいらっしゃると思います。注射のほかに鼻から入れるタイプのワクチンもあり、選択肢が増えたぶん、わかりにくさを感じることもありますよね。
この記事では、今シーズンの流行状況と、子どもの予防接種の回数・間隔・受ける時期の目安、費用の考え方、そして家庭でできる備えまでを、厚生労働省などの公的な情報をもとにまとめました。予約を取る前の確認に、ぜひ役立ててください。
この記事はこんな方にオススメ
- 子どものインフルエンザ予防接種を、いつ・何回受ければいいか知りたい方
- 注射と鼻から入れるワクチンの違いがよくわからない方
- 流行が早い今シーズン、家庭でできる対策を確認しておきたい方
もくじ
1. 2026年はインフルエンザの流行入りが早い?今わかっていること
インフルエンザの流行状況は、全国の決められた医療機関(定点)から報告される患者数で見ていきます。1医療機関あたりの1週間の患者数が「1.00」を超えると、流行が始まった目安とされています。
8月に流行入り。統計開始以来2番目の早さ
国立健康危機管理研究機構(JIHS)によると、2026年は第34週(8月17日〜23日)に全国の定点当たり報告数が1.11となり、流行開始の目安を超えました。これは1999年に現在の感染症の法律が施行されてから、2009年に次いで2番目に早い流行入りです。第35週は1.76と増え、その後の速報値では第38週(9月14日〜20日)に8.48まで上がっています。
地域差も大きく、報道では沖縄県、東京都、愛知県などで報告数が多いと伝えられています。埼玉県では9月中旬に、県内の公立中学校で今シーズン初めての学校閉鎖が行われました。お住まいの地域の状況は、都道府県や市区町村の感染症情報のページで確認できます。
昨シーズンは子どもの入院が目立ちました
JIHSのまとめでは、2025/26シーズンのインフルエンザによる入院のうち、10歳未満が占める割合は36.8%で、前のシーズンの同じ時期(20.2%)より高くなっていました。毎年同じ傾向になるとは限りませんが、子どもにとって身近で、ときに重くなることもある感染症だと意識しておきたいところです。
2. 子どものインフルエンザ予防接種は何回?年齢別の回数と間隔
インフルエンザワクチンは、かかる可能性を下げることと、かかったときの重症化を防ぐことが期待されています。ただし、受ければ絶対にかからないというものではない点も知っておきましょう。
注射(不活化ワクチン)は13歳未満なら2回
注射で受けるワクチンは、生後6か月から受けられます。厚生労働省のQ&Aによると、回数と量の目安は次のとおりです。
| 年齢 | 1回の量 | 回数 |
|---|---|---|
| 生後6か月〜3歳未満 | 0.25mL | 2回 |
| 3歳〜13歳未満 | 0.5mL | 2回 |
| 13歳以上 | 0.5mL | 1回(医師の判断で2回のことも) |
2回受ける場合、間隔は通常2〜4週間あけるとされています(神戸市の案内などより)。1回目の予約をするときに、2回目の日程も一緒に押さえておくと安心ではないでしょうか。
生後6か月未満の赤ちゃんは対象外
生後6か月未満の赤ちゃんは、ワクチンの対象になっていません。下に小さなきょうだいがいるご家庭では、上の子や大人が予防を心がけて、家の中にウイルスを持ち込まない工夫が大切になります。
3. 注射と鼻から入れるワクチン、どう違う?
近年は、鼻にスプレーする「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」も使えるようになりました。注射が苦手な子にとってはうれしい選択肢ですが、受けられる年齢や条件が注射とは違います。
鼻から入れるワクチンは2歳から19歳未満、1回でOK
経鼻ワクチンは、左右の鼻に0.1mLずつ噴霧し、2歳以上19歳未満が対象で1回の接種です。2歳未満は、入院やぜーぜーする症状(喘鳴)が増えるという報告があるため対象外とされています。
生きた弱いウイルスを使うワクチンのため、接種後に鼻水や発熱など、インフルエンザに似た軽い症状が出ることがあります。また、免疫を抑える治療を受けている方や副腎皮質ホルモン剤を使っている方などは受けられません。ぜんそくなど持病がある子は、かかりつけ医に相談してから選ぶと安心です。
迷ったら「回数」と「通いやすさ」で考えてみる
どちらがよいかは、お子さんの年齢や体質、通院のしやすさによって変わります。たとえば、2回通うのが難しい家庭なら経鼻ワクチンを相談してみる、2歳未満なら注射を選ぶ、といった考え方ができます。経鼻ワクチンは扱っていない医療機関もあるため、予約前に確認しておきましょう。
4. いつまでに受ける?12月中旬からの逆算スケジュール
ワクチンの効果が出るのは接種のおよそ2週間後からで、効果はおよそ5か月続くと考えられています。厚生労働省は、12月中旬までに接種を終えるのが望ましいとしています。
2回接種なら11月中旬までに1回目を
13歳未満で注射を2回受ける場合、12月中旬に2回目を終えるには、遅くとも11月中旬ごろまでに1回目を受けておきたい計算です。ただ、今シーズンはすでに流行が始まっているため、予約が取れるのであれば10月中に受けておくのもひとつの考え方です。文京区のように、例年より早く9月下旬から接種を始めた自治体もあります。
【POINT】予約の前にチェックしておきたいこと
- 2回接種の子は、1回目の予約時に2回目の日程も相談する
- 経鼻ワクチンを希望するなら、扱っている医療機関かを確認する
- 自治体の助成を使う場合は、対象年齢・期間・必要な書類を確認する
- 当日に熱があるときは無理をせず、日程を変える
5. 費用と助成は自治体によって違います
子どものインフルエンザ予防接種は、予防接種法に基づく定期接種ではなく、希望して受ける「任意接種」です。そのため費用は自己負担が基本で、金額は医療機関によって異なります。
助成の内容は自治体ごとにさまざま
一方で、独自に費用を助成している自治体もあります。たとえば東京都文京区では、令和8年度は不活化ワクチン1回3,000円、経鼻ワクチン1回6,000円を助成しています(対象は生後6か月〜高校3年生相当。経鼻は2歳以上)。神戸市では2025年度に、12歳までの子どもを対象に1回2,000円の補助を行っていました。
このように、助成があるかどうか、金額、対象年齢、期間、手続きの方法は自治体によって大きく異なります。年度ごとに内容が変わることもあるため、お住まいの市区町村のホームページや広報誌で最新の情報を確認してみてはいかがでしょうか。
6. ワクチンと一緒に。家庭でできる予防と、かかったときの注意
ワクチンに加えて、毎日の小さな習慣も感染予防に役立ちます。家族みんなで取り組めることから始めてみましょう。
手洗い・加湿・咳エチケット
- 手洗い:流水と石けんでの手洗いが基本です。アルコール製剤による手指の消毒も効果があるとされています。
- 加湿:空気が乾燥すると、のどの防御機能が落ちやすくなります。室内の湿度は50〜60%を目安に保ちましょう。
- 咳エチケット:咳やくしゃみが出るときはマスクを。ないときは袖や腕の内側で口と鼻を覆います。
発熱から少なくとも2日間は、子どもを一人にしない
インフルエンザにかかった子どもが、急に走り出す、部屋から飛び出そうとするといった異常な行動をとることが報告されています。これは薬を飲んだかどうかや薬の種類に関係なく起こり得るとされ、多くは発熱から2日以内です。窓や玄関の鍵をかける、ベランダのない部屋や1階で寝かせるなど、事故を防ぐ工夫をしておきましょう。
登園・登校のめやす
学校保健安全法では、インフルエンザの出席停止期間を「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」と定めています。保育園や幼稚園では、登園の際に書類が必要な場合もあるため、園の決まりも確認しておくとスムーズです。
7. まとめ:子どものインフルエンザ予防接種は早めの計画で
最後に、この記事のポイントをおさらいしておきましょう。
- 2026年は8月に流行入りし、統計開始以来2番目に早いシーズンになっている
- 注射のワクチンは13歳未満なら2回(2〜4週間あける)、13歳以上は原則1回
- 鼻から入れるワクチンは2歳以上19歳未満が対象で、1回で済む
- 12月中旬までに接種を終えるのが目安。今年は早めの予約がおすすめ
- 費用の助成は自治体によって異なるため、お住まいの地域の情報を確認する
- 手洗い・加湿・咳エチケットに加え、発熱から2日は子どもを一人にしない
流行が早いと聞くと不安になりますが、できることを一つずつ準備しておけば大丈夫です。まずはかかりつけの小児科に、予約の空き状況を問い合わせるところから始めてみてはいかがでしょうか。家族みんなで元気に冬を迎えられますように。
出典・参考:
・国立健康危機管理研究機構(JIHS)「IDWR 2026年第35号<注目すべき感染症>インフルエンザ」
・日本医事新報社「インフルエンザ流行拡大続く[感染症発生動向調査2026年第36週]」
・リセマム「インフルエンザ、埼玉県の公立中で学校閉鎖…今季初」(2026年9月18日)
・厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
・厚生労働省「インフルエンザQ&A」
・厚生労働省 厚生科学審議会 資料「小児に対するインフルエンザワクチンについて」(2024年5月)
・文京区「令和8年度こどもインフルエンザ予防接種」
・神戸市「小児インフルエンザ予防接種の補助対象を拡大します」(2025年度)
※2026年10月9日時点の情報です。接種の可否や回数は、お子さんの体調や持病によって異なる場合があります。必ず医師にご相談ください。











