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授乳はどうして疲れるの?原因と4つの対処方法と2つのアイデアをご紹介

2023.06.13

育てる

ママが持つ免疫や栄養を赤ちゃんに与え、スキンシップにもなる授乳タイムは育児の中でも大切な時間ですね。ですが、「何度も授乳することで疲れを感じる」という悩みを抱えるママもいるかもしれません

授乳に疲れを感じるママはたくさんいます。特に完母を目指しているママの疲労感は大きくなります。授乳に疲れを感じるのは当たり前のことなので安心してください。

今回はどうして授乳が疲れてしまうのかの原因を解説し、疲れにくくするための対策を紹介します。ママがリラックスして授乳できるよう、応援しています。

この記事はこんな方にオススメ

  • どうして授乳が疲れるのか原因が知りたい
  • 授乳疲れを緩和させる対策を知りたい
  • 疲れないためのアイデアを知りたい

授乳が疲れてしまう原因

授乳が疲れてしまう原因はいくつかあります。原因を知ることで解決策が見えてくる可能性もありますよね。まずは授乳疲れがどうして起こるのかを把握していきましょう。今回は代表的な4つの原因とその理由をまとめました。

 

ママも赤ちゃんも不慣れだから

赤ちゃんは生まれてからすぐにはスムーズに授乳ができないことがあります。赤ちゃんが上手に乳首をくわえて吸えるようになるためには、ママのサポートも必要です。また安定的に母乳が出るようになるまでには、1カ月くらいかかるため、母乳が十分な量分泌されないことも授乳がスムーズにできない原因となります。

つまり、赤ちゃんが生まれてから1カ月くらいは、ママも赤ちゃんも手探りの状態で授乳スタイルを確立していかなければなりません。

赤ちゃんは十分な量の母乳が得られないためどうしても欲求が満たされず泣いてしまいます。ママは授乳しているのに赤ちゃんが泣いてしまうため、イライラしたり焦ったりする気持ちも出てくるでしょう。

まだ産後まもなく体力も十分に回復していない状態で、精神的なイライラや焦りも加われば、どうしても疲労感が増すのは仕方ないことですよね。これはどんなママでも感じることなので安心してくださいね。

赤ちゃんが生まれて1カ月くらいたてば母乳の分泌量も安定し、赤ちゃんも上手にまとまった量の母乳が飲めるようになってきます。ママもそれまでは「仕方がない」「そのうち慣れる」といった気持ちでいるとよいですね。

 

授乳は消費エネルギーが多い

授乳がスムーズになっても、授乳後にすごく疲れを感じることが増えてきます。母乳の分泌にはたくさんのエネルギーを使うためです。授乳量がピークを迎える生後2~3カ月ごろの赤ちゃんは、1日で1,000ml程度の母乳を飲むといわれています。

母乳100mlを分泌するためには60~70キロカロリーくらいエネルギーを消費します。つまり授乳のピーク時には、1日600~700キロカロリーくらい授乳だけでエネルギーを消費してしまいます。

700キロカロリー消費するには、3時間半のウォーキングや10kmのマラソン、2時間のスイミングくらいの運動が必要です。つまり授乳中のママは毎日これだけの運動をしているのと同じくらいのエネルギーを授乳だけで使っているのです。

ママはこれ以外にも赤ちゃんのお世話や日常的な家事もこなしていることでしょう。成人女性の1日の消費カロリーはもともと1,650キロカロリーほどあるといわれていますので、授乳中ママの1日の消費カロリーは2,300キロカロリーを超えていることになりますよね。

体重50kgの人がフルマラソンを走っても消費カロリーは2,100キロカロリーほどといわれています。ママは毎日フルマラソン以上の運動をしているのと同じだけのエネルギーを消費しているのですね。疲れて当然だと思いませんか。

 

頻繁な授乳で身体が休まらない

生まれてすぐの赤ちゃんはまだ体力がなく、おっぱいを飲むことですぐ疲れて寝てしまいます。1回の授乳で得られる母乳の量も少ないので、すぐにお腹が空いて起きてしまいます。ママの方もまだ母乳の分泌量が少ないので、赤ちゃんが満足できる量の母乳を与えられていないことも授乳回数を増やす原因になっているのです。

産後1カ月ほど経っても1日に10~12回ほど、2~3時間おきの授乳が一般的です。また一回の授乳には20~30分程度の時間がかかりますよね。授乳を終え、家事をすこし済ませてからちょっと眠ろうと思ったタイミングで赤ちゃんが泣きだしてしまう。という日々が続いているママもいると思います。

この頻繁な授乳が出産直後から繰り返され、ママの身体を休められない状態が続くのです。しかも、富士山登頂と同じくらいの体力を使うといわれている出産直後からこの生活が続くのです。体力的にも精神的にもかなり過酷な状態といえますよね。しかも毎日10kmのマラソンをしているのと同じくらいのエネルギーを消費しながら授乳しているのですから。

 

授乳姿勢に問題がある

一般的に猫背や反り腰といった姿勢は見た目が悪いだけではなく、身体に負担がかかりやすい姿勢です。実は授乳の場合もこれが当てはまります。授乳の体勢はいろいろありますが、基本は骨盤の中心と背骨がまっすぐになり、骨盤は前傾した姿勢が理想的とされています。

ですが、赤ちゃんを抱っこしているとつい両肩が内側に入り、背中が丸まってしまう体勢になりやすいですよね。赤ちゃんを落とすことがないようについ肩に力が入ってしまうというママもいるでしょう。赤ちゃんの様子をみたいなと思って首を曲げてのぞき込んでいるかもしれませんね。両腕にどうしても力が入ってしまうというママもいると思います。

日々成長する赤ちゃんは、体重もどんどん増えていきます。悪い姿勢のまま授乳を続けると、赤ちゃんの重さでより辛い状態へと拍車をかけていくでしょう。肩こりや腰痛が慢性化し、疲労がたまっていく原因となっていくのです。

またこのような姿勢が悪い状態での授乳は、赤ちゃんにとってのおっぱいが飲みにくい姿勢となってしまいます。おっぱいが飲みにくく十分に飲めないために授乳時間が伸びたり、頻回な授乳になったりしてしまうケースもあります。

 

授乳を疲れにくくするための対処法

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原因が分かったところで、対処法を解説します。ママが少しでも授乳で疲れないためにも、1つでもできそうなことを試してみてくださいね。紹介する対処法は必ず試さなければならない訳ではありません。

 

授乳中はしっかりと食べる

産後の体型戻しのためにダイエットしているというママはいるかもしれません。ですが、母乳を分泌するために、ママの体からは栄養素がたくさん失われます。消費したエネルギーの分をしっかりと補充しなければ、ママの身体を壊してしまいます。なるべく授乳中はしっかりと食べましょう。

食べるといってもお腹が空いたからとおやつをお腹いっぱいになるまで食べるのは避けたいところです。これが習慣化してしまうと、授乳を終えた後もついついおやつをたくさん食べる癖が抜けず、一気に体重が増加してしまいます。 

基本は朝昼晩にちゃんと食事を摂り、小腹が空いたときにちょっとつまめるおやつを食べるか、1日1回ヘルシーなおやつを取り入れるとよいですね。

赤ちゃんが成長し離乳食を食べ始め、おやつも食べられるようになったときに、一緒に食べられるようなおやつが理想的です。小ぶりのおにぎりやヨーグルト、おからパウダーで作ったクッキーなどもよいでしょう。おやつ=甘味ではなく栄養補助食と考えると分かりやすいかもしれませんね。水分補給も忘れずにしていきましょう。

 

休めるときには休むことも大切

ママの身体が疲れた状態が続くと、母乳の分泌量も減ってしまいます。1回の授乳で赤ちゃんが満足できるまで授乳するためにも、ママが疲労を減らすことはとても大切です。そのためにはしっかりと身体を休める時間を設けることも必要です。

育児や家事は完璧を目指さず、少しくらい手を抜く「ゆるさ」や「ゆとり」を持つようにしましょう。例えば食事はすべて手作りである必要はないでしょう。最近はインスタントやお惣菜でも美味しいものはたくさんありますし、栄養バランスに優れたものもあります。料理に手抜きをすることで身体が休まるのであれば、利用していきましょう。

 赤ちゃんが過ごす部屋以外の場所は「毎日掃除しなくても大丈夫」くらいの心の余裕があってもよいですね。アレルギーの心配などがある場合を除けば、神経質になりすぎないことも大切です。

ママが身体を休め、疲れが緩和されれば自然と気持ちもあがり動きやすい体にもなっていくでしょう。疲れたときには横になり、少しくらい家事をさぼっても「今日はいいかな」と開き直るくらいのおおらかさが持てるとよいですね。

正しい姿勢で身体に掛かる負担を減らす

これはママのちょっとした意識改革で対処できるでしょう。正しい姿勢で授乳することは赤ちゃんがおっぱいを飲みやすくなるだけではなく、ママの身体にかかる負担が減りさらに見た目もよくなるという嬉しい効果があります。授乳シーンで多いイスやソファーに座って行う授乳姿勢について6つのポイントです。

【POINT】

イスやソファーに座って授乳するときのポイント

  • 両足はしっかりと足の裏を付け安定させる
  • 顎を軽く引き、首はかるく曲げる程度にする
  • 背骨と骨盤がまっすぐな状態をキープし猫背や反り腰にしない
  • 過度に緊張せず肩の力を抜く
  • 赤ちゃんをママの身体に密着させる
  • 赤ちゃんの耳、肩、腰がまっすぐになり、身体全体がママの方を向くように抱える

 

このような正しい姿勢で授乳することで適度に腹筋を使いポッコリお腹が改善されます。背中の筋肉も一部分の緊張ではなく、全体を使うため疲労感は減ります。上体全部使い赤ちゃんを支えることになるので、腕や肩にかかる負担も減っていきます。肩こりや腰痛など授乳中によく起こる不調も起こしにくくなります。

正しい姿勢が作れる便利グッズを利用してもよいですね。使えるものは何でも使って、少しでもママの身体の負担を減らしていきましょう。

 

授乳グッズを取り入れる

授乳時に正しい姿勢が取りやすくなる便利なグッズを利用していきましょう。また授乳時に起こりやすいトラブルを回避するためのグッズなども取り入れることで、ママの負担が減ります。授乳ストレスを減らすことも疲労感を減らすためには大切です。

授乳クッション

U字型のクッションはママのお腹や腰をすっぽりと包んで赤ちゃんを上に乗せて使います。ママの猫背予防になりますし、赤ちゃんを支える力も少なくて済みます。赤ちゃんが成長すると「おすわり」の姿勢をサポートしてくれるグッズにもなります。

最近ではI字型のクッションや月のような形をした授乳クッションもあります。ボタンなどで丸くできるこれらは抱き枕としても利用できる多機能授乳クッションとして人気がありますよ。

背あてクッション

イスやソファに座った時に反り腰を予防する目的で使うのが背あてクッションです。背筋をまっすぐにキープするための補助にも使えます。

ニップルシールド

頻回の授乳で乳首によって傷んでしまうことがあります。これを予防するグッズがニップルシールドです。陥没乳首や扁平乳首で赤ちゃんが口に含みにくいという悩みをもつママにもおすすめです。

授乳ライト

夜間の授乳時にあると便利なのが授乳ライトです。部屋の電気をつけてしまうとママが完全に覚醒してしまう場合がありますが、優しい光の授乳ライトなら、授乳後の入眠がしやすくなります。機種によっては授乳時に穏やかな音楽を流してくれるアイテムもあります。

 

無理せず授乳を続けるためのアイデア

さまざまな対策をしても、赤ちゃんへの授乳回数が多いとどうしてもママの負担や疲労は大きくなります。無理せず授乳を続けるためには、ママにかかる負担を減らすことはとても大切です。

 

保存した母乳を与える

完全母乳育児を目指すママでも、ときには赤ちゃんを残して1人で外出したいと思うときがあるでしょう。また体調不良などで直接乳房からの授乳ができない場合もありますよね。このような時に備え、母乳をあらかじめ保存しておくことも必要でしょう。

保存した母乳を哺乳瓶に入れて授乳すれば、ママ以外の人でも母乳が与えられます。例えば昼間の内に母乳を保存しておけば、夜間の授乳はパパに代わってもらうということもできるでしょう。

日ごろ乳房からの授乳に慣れている赤ちゃんの場合、哺乳瓶や人工乳首に馴染めない場合もあります。哺乳瓶での授乳にも馴染んでもらうことは、ママの乳房からおっぱいが飲めない場合への備えにもなります。また、時にはパパに授乳を頼むことで、パパと赤ちゃんのスキンシップも増えます。赤ちゃんとパパの関係性を深めることにも役立つので、ぜひ試してみてくださいね。

母乳を保存するときには搾乳機を使うと便利です。常温では4時間程度、冷蔵なら3日程度は保管できます。母乳は冷凍保存も可能で、6カ月程度は保存できます。小分けにして冷凍保存するとよいでしょう。

授乳が安定してくると赤ちゃんが欲しがる以上に母乳が分泌されることもあるため、そのときに搾乳しておくとよいですね。ただ授乳期が終わるころに搾乳を続けると母乳の分泌がどんどん起こり胸の張りが酷くなるので注意してください。

粉ミルクの活用も考えよう

母乳の分泌量が安定せず搾乳できない場合には、粉ミルクの活用も考えておきましょう。また自然災害などが発生した場合も、ママの精神的ストレスから母乳が止まることが考えられます。日ごろ母乳だけで育ってきた赤ちゃんの中には、どうしても粉ミルクに馴染めない場合もあります。

ママの疲労がどうしても抜けない、体調不良が続くといった場合も、無理に母乳育児にこだわり続ける必要はないでしょう。赤ちゃんにとって、ママの笑顔や優しい声がけは心の栄養です。産後仕事復帰を考えているママは、特に早めに粉ミルクに慣れてもらうことも必要になるでしょう。

大容量の粉ミルクだと無駄が発生するかもしれませんので、多少割高でも少量のタイプやキューブタイプの粉ミルクで試してみるとよいでしょう。最近ではすぐに飲める液体ミルクも出てきています。赤ちゃんが好んで飲めるミルクを探しておくと安心ですね。もし粉ミルクや液体ミルクが余ってしまった場合でも、離乳食づくりに使えます。

 

まとめ

非常に大きなエネルギーを消費するのに、疲労の改善につながる睡眠や休息が取りにくいため、ママが授乳で疲れてしまうのは当然のことです。また授乳時の姿勢によっても、ママの身体に大きな負担がかかります。まず簡単にできる対処法は正しい姿勢で授乳する方法でしょう。また授乳をサポートするグッズなどを活用し、ママの負担を少しでも減らしていくとよいですね。

授乳をパパに代わってもらうために、母乳を保存する方法や粉ミルクなどを活用する方法も考えてみてくださいね。パパにとっても赤ちゃんとの絆が深まるよい方法になるでしょう。

 

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hauska編集部

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料理、美容、ガジェット好き。最近はインテリアとQOL関連アイテムへの興味関心が爆上がり中。働くパパ・ママに向けて、生活の質の向上、楽しい子育て、仕事もプライベートも充実させるための情報など幅広く発信します。ライフハックに気軽に取り組んでいただければ幸いです。

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